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【コラム/細野真宏の試写室日記】「鬼滅の刃」の「V11」はあるのか? 「ポケットモンスター ココ」で「V字回復」は起こるのか?

2020年12月25日 15:30

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「劇場版ポケットモンスター ココ」12月25日公開!
「劇場版ポケットモンスター ココ」12月25日公開!
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable (C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (C)Pokemon (C)2020 ピカチュウプロジェクト

映画はコケた、大ヒット、など、経済的な視点からも面白いコンテンツが少なくない。そこで「映画の経済的な意味を考えるコラム」を書く。それがこの日記の核です。また、クリエイター目線で「さすがだな~」と感心する映画も、毎日見ていれば1~2週間に1本くらいは見つかる。本音で薦めたい作品があれば随時紹介します。更新がないときは、別分野の仕事で忙しいときなのか、あるいは……?(笑)(文/細野真宏)


公開10週目の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は、さすがに前例がなさすぎる速度で走り続けていたので、週末ランキング1位はどうなってもおかしくはなかったのですが、見事に「週末ランキング」で「10週連続1位」を果たしました!

画像2(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

そもそも映画の「週末動員ランキング」は興行通信社が発表しているのですが、現在の全国の形で「週末ランキング」が公表されるようになったのは、2004年から(厳密には、2003年12月8日から)なのです。

ちなみに、それまでは9大都市 (東京・横浜・川崎・大阪・京都・神戸・名古屋・福岡・札幌)を対象としたもので、さらに、その前は東京都内5地区 (銀座・新宿・渋谷・池袋・上野)を対象としたものでした。

さらに言うと、2000年12月4日までは、わずか東京都内3地区 (銀座・新宿・渋谷) を対象としたものだったので、サンプル調査に近い参考値といった感じでした。

このように、時代と共に、素早く提供されるデータの範囲はどんどん拡大していった経緯があるのです。

日本で一番歴史のある映画専門サイトの映画.comでは、1999年5月11日以降に興行通信社からのデータを公表し続けています。

画像3(C)2001 Studio Ghibli・NDDTM

そして、出典元の興行通信社の「週末ランキング」という括りで言うと、目下「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が「歴代興行収入1位」を競っている「千と千尋の神隠し」の「V11」が歴代連続1位記録となっています。

ただ、基準を厳しくし、本当の意味での全国の「週末動員ランキング」という視点で言うと、実は先週末の「V10」の時点で「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は「週末ランキング歴代連続1位」と言うことができます。

なぜなら、これまでは(公開からV5の後に1週だけ2位になり、それ以降10週連続1位となった)「アナと雪の女王」が「V10」でトップだったからです。

いずれにしても、今週末に「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が週末ランキング1位で「V11」となった際には、文句なく「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の「週末ランキング歴代連続1位」は確定したと言えるでしょう。

「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」
「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

さて、12月20日(日)時点での「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の興行収入は311億6664万7900円です。

そして、リバイバル上映分を加算した後の「千と千尋の神隠し」の興行収入316.8億円まで、あと5億円ほどです。

そのため遅くとも26日(土)には「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が超え、「歴代興行収入1位」となるのは確実な状況になっています。

このように映画業界にとっても日本経済においても「記念すべき週」なので、同時に「V11」への期待も高まりますが、劇場は冬休みに向け新作映画への座席配分が相変わらず多い状況です。

「劇場版ポケットモンスター ココ」
「劇場版ポケットモンスター ココ」
(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (C)Pokemon (C)2020 ピカチュウプロジェクト

今週末公開の新作作品で私が最も面白かったのは「劇場版ポケットモンスター ココ」でした。(厳密に言えば「ジョゼと虎と魚たち」が一番良かったのですが、公開館数が多くないため、こちらは映画.comのプロレビュアーアカウントのほうで紹介します)

劇場版ポケットモンスター ココ」に最大箱を割り当てるなど期待している劇場も多いようなので、今回は「劇場版ポケットモンスター ココ」について考察します。

まず、1998年から始まった「劇場版ポケットモンスター」シリーズですが、当時はポケモンのゲームが大流行していて、第1作目の映画「ミュウツーの逆襲」は興行収入72.4億円と大ヒットしました。

ただ、勢いは続かず第5作目となる2002年の「水の都の護神 ラティアスとラティオス」では興行収入26.7億円にまで落ち込んでいました。

画像6

そこで、第6作目となる2003年の「七夜の願い星 ジラーチ」からは、「秘策」を打ち出します。

「ポケモンの引換券付き前売り券」を発売することで、映画館でゲームのアイテムキャラクターを受け取れる仕様にしました。

この「秘策」によってニュースになるレベルで前売り券が売れ、前売り券の売り上げは100万枚超えを記録し、興行収入45億円と見事に「V字回復」したのです!

ちなみに、第11作目となる2008年の「ギラティナと氷空の花束 シェイミ」では、前売り券が「238万4198枚」と「最も前売り券が売れたアニメーション映画」としてギネス世界記録までゲットし、興行収入48億円となりました。

その後もこの手法が功を奏し、第13作目となる2010年の「幻影の覇者 ゾロアーク」までは興行収入も安定して高止まりしていました。

「劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ ビクティニと黒き英雄 ゼクロム」
「劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ ビクティニと黒き英雄 ゼクロム」
(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (C)Pokemon (C)2011 ピカチュウプロジェクト

ところが、個人的にも「そうくるか」と驚いたのは、第14作目となる2011年の「ビクティニと黒き英雄 ゼクロム/白き英雄 レシラム」でした。

これは、「ビクティニと黒き英雄 ゼクロム」と「ビクティニと白き英雄 レシラム」の2作品が同日公開される異例の形式で、内容はほとんど同じものでした。

ただ、映画館でのワイヤレス通信で、「ポケットモンスター ブラック」の場合はゼクロム、「ポケットモンスター ホワイト」の場合はレシラムがもらえるといった感じで、割と「商売っ気」を出していたのです。

この時は「果たして興行収入は2倍か1.5倍くらいになるのだろうか?」と注目していましたが、2作品の合計で興行収入43.3億と、ほとんど変わらず、という結果でした。

おそらくこれが転換点だと思いますが、第15作目となる2012年の「キュレムVS聖剣士 ケルディオ」から徐々に落ち始め、第19作目となる2016年の「ボルケニオンと機巧のマギアナ」では興行収入21.5億円と「過去最低」を記録してしまっています。

画像8(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (C)Pokemon (C)2017 ピカチュウプロジェクト

ここでテコ入れが行なわれ、第20作目となる2017年の「キミにきめた!」では、主人公のサトシとピカチュウが出会うという出だしをオリジナルストーリーで映画化したのです。

この試みは、マンネリ感から解放され、興行収入は35.5億円と再び上昇しました。

そして、第21作目となる2018年の「みんなの物語」でも同じくオリジナルストーリーで興行収入30.9億円となっています。

ただ、なかなか「V字回復」というのは難しいようで、2019年ではハリウッド映画化された「名探偵ピカチュウ」に合わせる形なのか、1998年の第1作目「ミュウツーの逆襲」を3Dでリメイクしたのです。

この第22作目となる「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」は、興行収入29.8億円と、やや落ち始めてきています。

「劇場版ポケットモンスター ココ」
「劇場版ポケットモンスター ココ」
(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (C)Pokemon (C)2020 ピカチュウプロジェクト

このような背景があったため、第23作目の本作「ココ」を見た時には、正直、驚きました。

まさか「ポケモン」の映画でこんな言葉を使う日が来るとは思っていませんでしたが、「作画のクオリティー」が上がっていました!

そして、実は毎年、消化試合のように見ていたのですが(笑)、本作については初めて、「あ、意外と面白い」と思いました。

サントラも含め音楽も良かったです。

ようやく「ポケモン」が本気の勝負をかけてきたような気がしています。

今週末は、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が「V11」となるのか。同時に意欲作「劇場版ポケットモンスター ココ」で「V字回復」が起こるのか、に注目したいと思います。


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