ジョゼと虎と魚たち(2020・アニメ版)

劇場公開日:

解説

2003年に犬童一心監督により実写映画化された田辺聖子の同名小説を、新たに劇場アニメ化。大学で海洋生物学を専攻する恒夫は、メキシコに生息する幻の魚を見るという夢を追いながら、バイトに勤しむ日々を送っていた。そんなある日、坂道を転げ落ちそうになっていた車椅子の女性ジョゼを助ける。幼少時から車椅子で生活してきたジョゼは、ほとんどを家の中で過ごしており、外の世界に強い憧れを抱いていた。恒夫はジョゼと2人で暮らす祖母チヅから彼女の相手をするバイトを持ち掛けられ、引き受けることに。口が悪いジョゼは恒夫に辛辣に当たるが、そんなジョゼに恒夫は真っ直ぐにぶつかっていく。「坂道のアポロン」の中川大志が恒夫、「デイアンドナイト」の清原果耶がジョゼの声をそれぞれ演じる。テレビアニメ「ノラガミ」のタムラコータロー監督がアニメ映画初監督を務め、「ストロボ・エッジ」の桑村さや香が脚本を担当。「僕のヒーローアカデミア」のボンズがアニメーション制作。

2020年製作/98分/G/日本
配給:松竹、KADOKAWA

スタッフ・キャスト

監督
原作
田辺聖子
脚本
桑村さや香
キャラクター原案
絵本奈央
コミカライズ
絵本奈央
キャラクターデザイン
飯塚晴子
総作画監督
飯塚晴子
コンセプトデザイン
loundraw
劇中画
松田奈那子
プロダクションデザイン
平澤晃弘
片貝文洋
中村章子
画面設計
川元利浩
美術監督
金子雄司
色彩設計
梅崎ひろこ
撮影監督
神林剛
3DCG監督
三宅拓馬
編集
坂本久美子
音響監督
若林和弘
音楽
エバン・コール
主題歌
Eve
挿入歌
Eve
アニメーション制作
ボンズ
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受賞歴

第44回 日本アカデミー賞(2021年)

ノミネート

最優秀アニメーション作品賞  
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(C)2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project

映画レビュー

4.5アニメーション映画ならではの表現の豊かさを感じられる名作。物語の完成度も高い。

2020年12月24日
PCから投稿

本作は2003年に実写化もされていますが、別の作品と考えてよいと思います。
まず、アニメーション版の本作では、主人公の恒夫とジョゼの声を務めた中川大志と清原果耶が非常に上手くて良いです。
アニメーション映画だけあって、コミカルなシーンもあったり、映像の美しさなども良く表現されていて、改めてアニメーション映画の表現の豊かさを実感できました。
ただ、いくら映像が良くても物語がしっかりしていないとダメなのは言うまでもないですが、物語も映像に負けないくらいしっかりしていて非常に良かったです。
内容については、テンポよく進んで事前の知識は一切不要なので、あえて触れないようにします。
個人的に好きなシーンは、大学で海洋生物学を専攻する恒夫がジョゼの祖母チヅに「どこに行くんですか?」と尋ねた時に、チヅが言葉を使わず手で表現するのですが、それだけで分かってしまう辺りの表現などがとても気に入っています。
主題歌も含め、音楽もとても良かったです。
強いてマイナス要素を挙げると、最初の「偶然」については許容範囲でしたが、後半の「偶然」については少し無理を感じました。マイナス要素はそのくらいで、あとは非常に良いと思います。
本作を見た後は、人に優しくなれそうな気持になる、とても素敵な作品です。

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細野真宏

3.5モテモテイケメンが

2023年3月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

楽しい

幸せ

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VF25

2.5相性合わずスルー

2023年3月4日
PCから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
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共感した! 1件)
asa89

1.0名作の名を騙った凡庸な恋愛映画

2023年1月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

他のレビューにある通り、原作のストーリーと設定を引用した全く別物の作品。
時代設定やラストの展開を改変することは面白い試みだと思うが、今作では原作への敬意が感じ取れなかった。

まず原作や実写版は、障がい者への偏見や人々の悪意と言った社会の負の側面を生々しく描いたことで、主人公たちの感情やストーリー展開にリアルな輪郭を与えていた。
しかし、今作ではその輪郭が酷くボヤけていたように思う。

何故、ジョゼは社会と繋がりを切られ、精神的に成熟できていなかったのか?
何故、祖母とジョゼは世間の人々を「猛獣」「虎」と呼び怖れ、悪意の気配に過剰に敏感なのか。

この設定の背景を深掘りしなかったことで、今作はまるでディズニープリンセスシリーズを劣化させた様なチープなメルヘン恋愛譚になってしまった。
それが作りたければ、ジョゼと虎と魚たちの名を冠する必要はなかった。

原作では、祖母世代の障がい者に対する価値観やジョゼの過去のトラウマなど負の側面を生々しく描いていた。
そこから目を背けた今作では、あまりにもタイトルの「虎」が弱々しくなってしまうし、主人公達の葛藤の描写の印象も凄まじく弱々しくなった。

実写では恒夫との恋愛を経て、社会や自分の過去や未来と向き合い、自立への一歩を踏み出そうとするジョゼの姿が観客にカタルシスを与える。
しかし、今作にはそれがなく原作のテーマを大きく踏み外している。
その原因は、ジョゼに芸術の才能を加えたことである。
これは原作のテーマやリアルな障がいの社会問題から逃げたこと以外の何者でもない。
ジョゼを自立させ、映画をハッピーエンドに導く為の酷くチープな舞台装置である。

ここまで原作レイプしているとやはり気持ちの良いものではない。
制作者側の思惑が透けて見える。
売り上げを達成する為だけに金看板を拝借したありふれた凡作である。

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おとら
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