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映画ポスター&パンフ好き必見! 大島依提亜×気鋭の韓国デザイン会社「Propaganda」チェ・ジウンがデザインを語る

2020年7月18日 16:00

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気鋭の韓国デザイン会社「Propaganda」が手掛けた「溺れるナイフ」ポスター
気鋭の韓国デザイン会社「Propaganda」が手掛けた「溺れるナイフ」ポスター
(C)propaganda

[映画.com ニュース] 「パターソン」「ミッドサマー」などで知られるグラフィックデザイナー・大島依提亜氏と、注目を集める韓国のデザイン会社「Propaganda」(プロパガンダ)のチェ・ジウン氏によるオンライントークショー「Movie Design Talk」が、7月17日に行われた。映画パンフレットの魅力を発信する有志団体「映画パンフは宇宙だ」(PATU)によるムック本「大島依提亜と映画パンフ」の創刊記念イベント。配信は終了したが、現在はアーカイブ映像(https://www.youtube.com/watch?v=foSLxqUU0-I)で視聴することができる。

2008年に設立された「プロパガンダ」が作り出すのは、シンプルだが映画の芯をとらえた、センスが光るポスター。文字など余計なものは最大限そぎ落とし、映画の中にある忘れられない瞬間を閉じこめたビジュアルが特徴的だ。「君の名前で僕を呼んで」「愚行録」「あん」などの韓国版ポスターを手掛け、SNSを中心に話題を呼んだ。

大島依提亜氏がデザインしたポン・ジュノ監督作「ほえる犬は噛まない」パンフ
大島依提亜氏がデザインしたポン・ジュノ監督作「ほえる犬は噛まない」パンフ

この日は、お互いの“お気に入りデザイン”を5つチョイス。チェ氏は「ほえる犬は噛まない」「めがね」「プール」「トイレット」「万引き家族」を挙げる。“大島さんオタク”を自称するチェ氏は「映画デザインの仕事をする前から、ポスターやチラシを集めていました。ある時、『ほえる犬は噛まない』のパンフを見つけ、後から大島さんのものだと知りました。良いと感じたデザインが、ことごとく大島さんのものだったのです」と声を弾ませる。犬を抱いたペ・ドゥナのイラストがあしらわれ、犬の種類と色が異なる3種類のパターンが製作されている。大島氏は「ポン・ジュノ監督はデビュー作から、一見すごくハッピーな始まりのつもりが、いつしか非常に不穏になるという部分が共通していると思う。入り口を明るく楽しそうにして、見に行った観客を『えっ』って困惑させることが狙いでした」とポイントを解説した。

チェ・ジウン氏のお気に入りは「プール」パンフ(画像はポスター)
チェ・ジウン氏のお気に入りは「プール」パンフ(画像はポスター)
(C)プール商会

大島氏による荻上直子監督作品に関連するデザインも、ユニークなものが多い。チェ氏は「『プール』のパンフを見た時にショックを受けました。どうやったら、プールをパンフの中に溶かしこむことができたのか。プールに見立てた穴を空けるというアイデアが、大変素晴らしいと思います」と絶賛。他作品でもタイプライター、トイレ、ドア、鞄などをモチーフにしたデザインがあり、「開ける機能を見ると、冊子に使いたくなっちゃうんですよ」(大島氏)、「僕は劇中の小道具を使うのが好きです」(チェ氏)と、こだわりを明かしていた。

一方の大島氏は、「プロパガンダ」による「渇き」(パク・チャヌク監督)、「ハード・デイズ・ナイト」「リトル・ダンサー」「溺れるナイフ」「Portrait of a Lady on Fire」をセレクト。同社の魅力を、手書きのタイトルと、絶妙なショットを切り取っている点だと分析する。

視点が斬新な「渇き」(パク・チャヌク監督)ポスター
視点が斬新な「渇き」(パク・チャヌク監督)ポスター
(C)propaganda

ピンク色のバレエのトウシューズとともに浮遊する男の子をとらえた「リトル・ダンサー」のポスターを、大島氏は「『プロパガンダ』さんはピンクを差し色に使うケースが多い。日本だとピンク色は、単純に女性性のイメージとして使われる場合が多くて、(そのイメージから)解き放たれた自由なピンクを使っていて羨ましいなと思います」と賛辞をおくる。チェ氏は「唐突な感じでピンクを使って、ショックを与えるのが好きです。黒澤明監督の特別展のビジュアルでも背景にピンクを使いました」といい、大島氏は「“かわいい”じゃなくて、“かっこいい”ピンクですね」と頷いていた。

ピンクの差し色が光る「リトル・ダンサー」ポスター
ピンクの差し色が光る「リトル・ダンサー」ポスター
(C)propaganda

さらに、日韓の映画デザインの状況に話が及ぶ。日本はミニシアターブームが席巻していた90年代までは、洗練されたグラフィックが多かったが、今は「観客動員を増やすため、最大公約数の方法」をとって、多くの情報がつめこまれているという。そうした状況を少しでも変え、映画デザインの可能性を追求しようと奮闘している大島氏は「日本ポスターとして一括りで見るのではなく、個々に見てほしいと思います」と訴える。

トーク中には、「タイピスト!」のタイプライター型パンフも登場
トーク中には、「タイピスト!」のタイプライター型パンフも登場

対する韓国は、10年前まで日本と同じような傾向のデザイン(キャストの写真が大きく、情報が多い)が重視されていたが、今は映画の雰囲気が伝わるものが増えつつあり、日韓で逆転現象が起こっている。映画グッズ市場の拡大に伴い、劇場用ポスターとは別に、ハガキやミニポスター用に、アート性が高く実験的なデザインを作っているという。ファンの需要の高さも手伝って、デザインが広がる良いサイクルが築けているようだ。一方で、シネコンの普及により映画パンフはなくなってしまったそうで、チェ氏は「復活させたい」とも語った。

大島氏とチェ氏の往復書簡もおさめた「大島依提亜と映画パンフ」(税込1500円、別途送料は全国一律400円)は「映画パンフは宇宙だ」の公式オンラインストア(http://urx.blue/0D8O)や書店で販売されている(完売の可能性も有)。今後、増刷などの最新情報は公式Twitter(@pamphlet_uchuda)で告知される予定だ。

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