プール
劇場公開日 2009年9月12日
解説
日本の家族から離れ、タイ・チェンマイ郊外にあるゲストハウスで働く母・京子を訪ねてきたさよだったが、そこで暮らすオーナーの菊子、従業員の市尾、タイ人の子供・ビーとうまく馴染めずにいた。しかし彼らと数日を共にすると、自分を置いていってしまった京子と自然に向かい合うようになる。「デトロイト・メタル・シティ」「ヘブンズ・ドア」などの脚本家として知られる大森美香が監督を務め、林聡美、加瀬亮、もたいまさこら個性派俳優が出演している。
2009年製作/96分/日本
配給:スールキートス
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子供が自分で選んだことを尊重する姿勢や自分の自由を謳歌して、誰のせいにもしない人生を歩む姿を見せるのは、自分の人生に責任を取るということを口だけではなく背中で子供に教えているのと同じ。
家族のためにと我慢に我慢を重ねて、不幸になる、その責任を家族に負わせるより余程素敵です。
子供を置いてタイへ行ってしまった時の子供の年齢にもよるけれど、高校生の時とかなら全然OK。
人はいつか死ぬこと、一瞬一瞬を自分らしく大切に生きること、家族とは?を込めた作品だと思います。
映像や雰囲気が癒し系なので、眠くなりますが、会話や間の取り方が素敵で、とても良い映画でした。
2021年12月13日
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自分のやりたいことをやった結果、娘を捨てることになった母親。当然娘はそれについて疑義を呈するが、母親は「あなたを信じていたから」ときっぱり言い放つ。それで娘も得心がいったようだ。
しかしいち視聴者として意見するならば、やはりどうしても娘の心境のほうに同情が傾斜してしまうし、母親の言葉に重みを感じにくい。そしてそれになんだかんだ説き伏せられている娘にも疑問符が浮かぶ。
もちろん、このような再生のしかたがあるのはわかる。互いの心にわだかまる不平不満を一切合切解消することだけが素晴らしい人間関係ではない。ときおり表面に波が立つことはあっても概して穏やかな、言うなればプールのような人間関係のほうがむしろリアリティという点では優れている。
とはいえ娘を捨ててまで異国に旅立った理由が描画されないせいで、母親の言葉のすべてが軽薄な自己弁護の様相を呈してしまっている。
全編を通して説明的な会話シーンが山ほどあるというのに、ここだけは「視聴者の良心的想像力にお任せします」という曖昧主義に逃げるのはどうかと思う。一番重要なシーンなのに。
そうそう、ゆったりとした長回しによって安穏な時空間を生成しているにもかかわらず、それによって生じた時間的遅延を埋め合わせるように性急かつ説明的な会話シーンが逐一挿入されるのも嫌だった。これらの積み重ねによって母親の言葉がエクスキューズの傾向をさらに強めてしまっているともいえる。
邦画の悪いとこだけを純粋培養するとこうなるという良い範型。
2021年11月13日
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かもめ食堂やめがねの監督(荻上直子さん)とは別の方が監督しています。
演者、物語のテンポ感など似ているものの、上記の作品の様に惹きつけられるものがないのでガッカリ。
独特な音楽の使い方とか、ファッションとか、クスリと笑えるやりとりとか、そういうちょっとした魅力という物が感じられず、、、。
小林聡美さんの自由奔放なキャラクターも、上記2作品はそこに内包された気遣いや共感する普通の人っぽさがあったけど、ただ自分の好きな様に振る舞っている冷たい人にしか見えず、他のキャラもそんな感じ。
11月のプール並。
2021年6月21日
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鑑賞方法:VOD
タイのチェンマイにて。
いつものメンバー、いつもの雰囲気。
子供を置いてタイに行ってしまうとはとんでもな母親だけれども。
小林聡美目線からするとアリですけど、子供目線からは複雑よね、きっと。
実際に、娘のさよが寂しかった思いを吐露しているシーンがある。
加瀬くんはすごいなぁ。
こういう役が許される人ってそんなにいない気がする。
すてきな景色に市場にお家にインテリア。飯島奈美さんのほっこり飯といい、定番化しててもうらやましい。心が汚れてて素直に受け取れないとこもあるけれど。
歌のシーンも子役の子の声が好み。小林さんも弾き語りできるんだなぁ。いい声だった。
客が来るでもなく、金の流れが見えない。
あんなゆるさで生きていけるなら、みんなそうしたいよね。
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