「バード・ボックス」監督、Netflixだからこそ個性を出せた!「彼らは怖がらない」
2018年12月28日 18:00
[映画.com ニュース] 「ゼロ・グラビティ」「オーシャンズ8」のサンドラ・ブロックが主演したNetflixオリジナル映画「バード・ボックス」(配信中)。「未来を生きる君たちへ」でアカデミー賞外国語映画賞を受賞し、本作のメガホンをとったスサンネ・ビア監督が撮影を振り返り、キャスティングに込めた思いなどを語った。
本作は、未曾有の異変に襲われ、人類の滅亡も迫る極限状態の中で、幼い子どもを守ろうとするマロニー(ブロック)の決死の姿を描く。生き残るためにできることは、決して“それ”を見ないということ。マロニーは目隠しをして逃避行に出る。「メッセージ」やハリウッド実写版「君の名は。」の脚本を担当することでも話題のエリック・ハイセラーが脚本を手がけた。
ビア監督は「サンドラ(・ブロック)演じる主人公マロリーは優しくないの。最初のシーンで、彼女は子どもたちに『もし目隠しを外したら、あなたは死ぬのよ』って言うのだけれど、彼女は子どもたちを守るためにある意味、彼らを脅しているのね。でも、ちゃんと心情が伝わる。なぜなら、サンドラはどんな時でもとても好感を持てる人だからよ」と解説。「彼女はとても正直で彼女がやることすべてに誠実さがある。だから子どもたちを守るために、彼女があえて厳しく話しているんだろうとわかるの」と信頼を寄せる。
ブロックのほかにも、「ムーンライト」のトレバンテ・ローズ、「アニマル・キングダム」のジャッキー・ウィーバー、「アリータ バトル・エンジェル」のローサ・サラザールらが出演。ビア監督は「多様性のあるものにしたかったけど、同時に自然にしたかったの。道を歩いていると社会にはとても多様性があるわ。映画でもさまざまな人々がいることは興味深いし、いろんなバックグラウンドやストーリーを語れるの。意識的なチョイスだったわね」とキャスティングについて語る。
本作以外にも、アルフォンソ・キュアロン監督作「ROMA ローマ」など、Netflixオリジナル映画の数も多くなっている。Netflixと仕事することについては「映画監督にとっての利点の一つは、Netflixが大胆な映画を作ってほしいという姿勢を持っていることよ。Netflixは怖がらないわ。彼らは監督の力強い視点が欲しいのよ」と明かす。
続けて、「Netflixには1億3000万人の視聴者がいるけれど、それだけたくさんの観客に見てもらえる可能性があるのはエキサイティングよ。重厚な意義深いストーリーを語ることもできると感じるわ。そういう要素は、私にとても可能性を与えてくれる。たくさんの視聴者がいるという事実は、映画であろうと、テレビシリーズであろうと、やっていることにとても勇敢になれるということ。必ずしも展開が読めるような、万人受けの安全なものをやらなくてもいいの。監督としての自分の視点と一致したものをできるのよ」と話していた。