ムーンライト

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劇場公開日:

ムーンライト

解説

マイアミを舞台に自分の居場所とアイデンティティを模索する少年の成長を、少年期、ティーンエイジャー期、成人期の3つの時代構成で描き、第89回アカデミー賞で作品賞ほか、脚色賞、助演男優賞の3部門を受賞したヒューマンドラマ。マイアミの貧困地域で暮らす内気な少年シャロンは、学校では「リトル(チビ)」と呼ばれていじめられ、家庭では麻薬常習者の母親ポーラから育児放棄されていた。そんなシャロンに優しく接してくれるのは、近所に住む麻薬ディーラーのフアン夫妻と、唯一の男友達であるケヴィンだけ。やがてシャロンは、ケヴィンに対して友情以上の思いを抱くようになるが、自分が暮らすコミュニティではこの感情が決して受け入れてもらえないことに気づき、誰にも思いを打ち明けられずにいた。そんな中、ある事件が起こり……。母親ポーラ役に「007」シリーズのナオミ・ハリス、麻薬ディーラーのフアン役にテレビドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」のマハーシャラ・アリ。プロデューサーとしてアカデミー賞受賞作「それでも夜は明ける」も手がけたブラッド・ピットが製作総指揮。本作が長編2作目となるバリー・ジェンキンスがメガホンをとった。

2016年製作/111分/R15+/アメリカ
原題:Moonlight
配給:ファントム・フィルム
劇場公開日:2017年3月31日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第74回 ゴールデングローブ賞(2017年)

受賞

最優秀作品賞(ドラマ)  

ノミネート

最優秀助演男優賞 マハーシャラ・アリ
最優秀助演女優賞 ナオミ・ハリス
最優秀監督賞 バリー・ジェンキンス
最優秀脚本賞 バリー・ジェンキンス
最優秀作曲賞 ニコラス・ブリテル
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(C)2016 A24 Distribution, LLC

映画レビュー

3.5黒い肌に反射する色。

2024年2月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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すっかん

3.5筋骨隆々のいかつい黒人男が乙女に見えてくる。また料理シーンなのにものすごくエロい。

2022年9月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

鑑賞前の想像と異なり、とても静かなトーンの映画。
いじめやドラッグのシーンはあるものの、全編通して凪のように静かに進行します。
この静けさの中で演者は役の怒り、悲しみ、恋慕を顔の表情や仕草や、立ち振る舞いだけで演じていく。 大男が目のうるみで恋慕を表現するとは。。 凄まじいまでの演技力であった。

画面の色調(建物や洗濯物まで)や、構図がとても綺麗でアートのようであった。 この監督一体どんな人?と思ったら見た目ものすごくお洒落でスマートな雰囲気。 納得。。

後半のケヴィンの家でのケヴィンとシャロンのやりとり。
ケヴィン 「何者だよ? 男、 金の入れ歯、車、強くなったか?」
シャロン 「俺はアトランタでゼロから鍛え直した。お前は?」
ケヴィン 「俺は最低だったよ。浅はかだった。やりたいことは何もせず、周りの言いなりになって流されてた。いまは息子がいて仕事もある。保護観察18か月はクソだがこれが人生さ。分かるか?前とは違う。死ぬほど働いても小銭しか稼げないが、あの頃みたいな不安は抱えていない。」

含蓄深い。。

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momokichi

4.0身を削るように生きる世の中で

2021年3月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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猿田猿太郎

5.0人種、ジェンダー、マッチョ幻想

2017年12月26日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

黒人差別を扱った作品は数多くあれど、黒人コミュニティのなかの男らしさを強要するようなジェンダー差別に切り込んだ作品は、滅多にない。弱い者たちが夕暮れ、さらに弱いものを叩く。差別の被害者たちもどこかで別の対象を差別している。

本作は、人種的マイノリティの中のさらにジェンダー的にマイノリティの主人公が受ける何重もの苦難を描きながら、美しい恋愛映画でもある。
黒人男性社会のなかのマッチョ幻想はかくも息苦しい。ゲイでひ弱な主人公は、大人になるとマッチョの鎧を着込み、「いかにも」な外見になっている。そうして鎧をまとっていなければ生きられないコミュニティなのだ。
そんな彼が鎧を脱げるのは愛する相手の前でのみ。金歯のグリルを外すシーンが象徴的だ。

人種差別だけではなく、同性愛差別、そして男性社会のマッチョ幻想の抑圧をも描き、愛することの素晴らしさを説く。人が寛容になるために必要なものはなんだろうか。

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杉本穂高