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日本勢はコンペ出品なし 2016年カンヌ映画祭ラインナップの傾向は?

2016年5月11日 17:00

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第69回カンヌ映画祭は5月11日開催
第69回カンヌ映画祭は5月11日開催
(C)Lagency / Taste (Paris) / Le Mepris (C) 1963 StudioCanal - Compagnia Cinematografica Champion S.P.A.-Tous droits reserves

[映画.com ニュース]毎年カンヌ映画祭の発表が近づくと、映画業界人は殺気だってくる。というか、実際は2月のベルリン国際映画祭が終わったとたん、カンヌに向けて水面下で壮絶なせめぎ合いが始まるのだが、時期が近づくにつれてさまざまな噂や憶測が飛び交い、プロデューサーやセールスエージェントは眠れない日々が続く。やはりカンヌが世界最高峰の映画祭という認識は変わらないのだ。

今年のラインナップが4月14日のオフィシャル部門(コンペティション、ある視点部門)の発表を皮切りに、批評家週間、監督週間と出揃った。日本映画はある視点部門に、是枝裕和の「海よりもまだ深く」と、深田晃司の「淵に立つ」の2本がエントリーした。深田監督はこれまで、長編3作目の「ほとりの朔子」がフランスのナント三大陸映画祭でグランプリとヤング審査員賞を受賞するなど、海外で着実に注目を集めてきたものの、カンヌは初参加。いきなりある視点部門に食い込んだのは大健闘と言うべきだろう。

残念ながら、コンペティションをはじめ他の部門に日本映画は見当たらない。黒沢清がフランスでインターナショナルなキャストを起用して撮った合作、「ダゲレオタイプの女」は、地元フランスではカンヌという噂があったものの、ジェネラル・ディレクター、ティエリー・フレモーは記者会見で、「まだ未完。完成するのは秋頃だろう」とコメントした。日本関連では他に河瀬直美がシネフォンダシオン部門と短編の審査員長を務める。

では、今年のラインナップのメンツはどんな傾向かといえば、やはり常連が少なくない。5月11日のオープニングを飾るのは、クリステン・スチュワートジェシー・アイゼンバーグ共演のウッディ・アレン作品「Cafe Society」。計20本のコンペには、最近パナマ文書に名前が出て話題になったペドロ・アルモドバルの「Julieta」、ダルデンヌ兄弟の「La fille inconnue」、ケン・ローチの「I, Daniel Blake」、オリビエ・アサイヤスクリステン・スチュワートと組んだ「Personal Shopper」、ジム・ジャームッシュの「Paterson」など。ジャームッシュは他にもミッドナイト上映で、ロック・バンド、ザ・ストゥージズのドキュメンタリー「Gimme Danger」を披露する。

若手では、カンヌの“お気に入り”として常連になりつつある3監督、ジェフ・ニコルズの「Loving」、ニコラス・ウィンディング・レフンの「The Neon Demon」、グザビエ・ドランマリオン・コティヤール、レア・セドゥ、ギャスパー・ウリエルらフランス人俳優を起用した「It’s Only the End of the World」。さらにショーン・ペンの監督作「The Last Face」や、ポール・バーホーベンイザベル・ユペールを起用してフランスで撮影した「Elle」もある。

“マンネリ感”のあるコンペに引き換え(といっても、すべては作品次第なので必ずしも悪いわけではないが)、ある視点部門は17本中7本の初監督作が並ぶ。この部門の特色としてシリアスな作家性に趣が置かれるなか、派手な話題を集めているのは、ジョニー・デップバネッサ・パラディの娘、リリー=ローズ・デップが伝説のダンサー、イサドラ・ダンカン役で主役デビューを果たす、フランスの新人ステファニー・ディ・ギウストの「The Dancer」だ。もっとも、コンペやある視点は例年通り、これから何本か追加作品が出る可能性もある。

華やかなスターが集まるのはむしろアウトオブコンペだ。スティーブン・スピルバーグの「Disney’s the BFG」、ジョージ・クルーニージュリア・ロバーツ共演のジョディ・フォスター監督作「マネーモンスター」、ラッセル・クロウライアン・ゴズリングがタッグを組むシェーン・ブラックのコメディ「The Nice Guys」など。

以前に比べると個性的なカラーが薄くなっている監督週間部門は、5本のフランス映画に加えて、ヨーロピアンな顔ぶれが揃った。オープニングはイタリアのマルコ・ベロッキオの「Sweet Dreams」。その他、昨年亡くなったソルベイグ・アンスパッシュの遺作「The Together Project」や、ジョアキム・ラフォスの「L’Economie du couple」など長編が計18本並ぶ。その中で異彩を放つのは、ふたりの個性的な南米監督、アレハンドロ・ホドロフスキーの「Endless Poetry」とパブロ・ララインの「Neruda」、そしてクロージングのポール・シュレイダー監督作「Dog Eat Dog」だ。

今年の審査員長は、昨年「マッドマックス 怒りのデス・ロード」で大復活を遂げたジョージ・ミラー。他の審査員メンバーは、追って発表になる。果たしてどんな傾向の作品が評価されるのか、結果は5月22日の授賞式で明らかになる。(佐藤久理子)

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