今年のカンヌは日本映画が席巻!
2001年4月24日 12:00
5月9日から20日まで開催される第54回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門の出品作品が発表になった。今年は、日本から今村昌平監督の「赤い橋の下のぬるい水」、青山真治監督の「月の砂漠」、是枝裕和監督の「ディスタンス」の3本が出品され早くも話題を呼んでいる。日本映画が3本同時にコンペ部門へ出品されるのは、黒澤明監督「生きものの記録」、渋谷実監督「青銅の基督」、島耕二監督「幻の馬」が出品された56年以来45年ぶり。これに加え今年は、ある視点部門へ、黒沢清監督「回路」、小林政広監督「歩く、人」、諏訪敦彦監督「H story」の3作品、 監督週間へは橋口亮輔監督「ハッシュ」、批評家週間へも万田邦敏監督「UNLOVED」と、映画祭全体で合計10本、史上最多の出品数となった。
今年のオープニング作品は、ニコール・キッドマン、ユアン・マクレガー主演、バズ・ラーマン監督の「ムーラン・ルージュ」。特別作品としては、フランシス・フォード・コッポラ監督の「地獄の黙示録」のディレクターズ・カット版が上映される。本作は、オリジナルより53分長い3時間17分。オリジナル版でカットした部分を追加したのではなく、全く新たに編集をし直した再編集版だ。この他、押井守監督「アヴァロン」やスパイク・ジョーンズ製作、ミッシェル・ゴンドリ-監督「Human Nature」なども上映予定。
コンペ部門に選ばれたのは11カ国合計23作品。先の日本の3作品に加え、ジャン=リュック・ゴダール、デビッド・リンチ、ショーン・ペン、コーエン兄弟など注目の監督作が並んだ。作品選考ディレクターのジル・ジャコブは記者会見で、「作家性が強く質の高い作品が数多く選ばれたことにたいへん満足している」と語った。審査員を務めるのは、ジョディ・フォスターに代わって審査委員長に任命されたリブ・ウルマン、シャルロット・ゲンズブール、テリ-・ギリアム、マチュー・カソビッツ、エドワード・ヤンら10人。コンペティション部門の出品作は以下の通り。
バズ・ラーマン監督「ム-ラン・ルージュ」
ジョエル・コ-エン監督「The Man Who Wasn't There」
ジャン=リュック・ゴダ-ル監督「愛の賛歌」
マイケル・ハネケ監督「The Piano Teacher」
ホウ・シャオ・シェン監督「Millennium Mambo」
今村昌平監督「赤い橋の下のぬるい水」
アンドリュ-・アダムソン&ビッキ・ジェンソン監督「シュレック」
モフセン・マフマルバフ監督「Sun Behind the Moon」
ナンニ・モレッティ監督「The Son's Room」
マノエル・デ・オリベイラ監督「Je Rentre a La Maison」
エルマノ・オルミ監督「The Profession of Arms」
ショ-ン・ペン監督「The Pledge」
マーク・レシャ監督「Pau and His Brother」
アレクサンドル・ソクーロフ監督「Taurus」
ダニス・タナビック監督「No Man's Land」
ツァイ・ミン・リャン監督「What Time Is It There?」
カトリーヌ・コルジニ監督「The Rehearsal」
フランソワ・ドュペイロン監督「La chambre des officiers」
セドリック・カ-ン監督「Roberto Succo」
ジャック・リベット監督「Va savoir!」
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