劇場公開日 2001年11月3日

赤い橋の下のぬるい水 : 映画評論・批評

2001年11月1日更新

2001年11月3日より丸の内シャンゼリゼほかにてロードショー

性的妄想の派手な爆発に虹がかかって目出たい

リストラされた中年男の再起、というのは今や邦画の定番の1つ。そんな主題を、昔からスケベな映画を撮り続けてきた御大今村昌平が、艶笑譚(スケベさで笑える)ファンタジーへと大化けさせてしまった。監督当年75歳、彼の老人型性的妄想は能登半島の畔で派手に爆発(自爆?)するのだが、その様子に虹がかかって目出たい。分類不能の映画だ。

さて、爆発するのは水。今村映画の常連・清水美砂は和菓子職人で、いわゆる「溜まった」状態になると股間から水を大噴出させてしまう。俗にいう「淫水」なのだが、それが淫らさを超え「聖水」と映るのがミソ。その清水の家へ今村組のもう1人の常連・役所広司がリストラで尾羽打ち枯らして宝探しにくる。役所は、その清水の困った秘密に気づき性的に奉仕(水出しに協力)するうち、自己回復する。何というアルツな物語。相変らずテレた姿に色気と滑稽味のある役所がいい。

清水の二階の部屋からあふれる水が水路を伝う。水が川に入ると、魚が大喜びする。ここでは女と目出たさと水が同じなのだ。その水のぬるい感じと、映画全体の配色のぬるさが柔らかく照り合う。かつての今村のエネルギッシュな作風ではこんな感じはなかった。

(阿部嘉昭)

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