回路

劇場公開日:2001年2月10日

解説・あらすじ

一人暮しの平凡なOLだったミチ。しかし最近、彼女の周囲では同僚の自殺、勤め先の社長の失踪など無気味な事件が相次いでいた。友達が、恋人が、そして家族までが次々と消えていく。時を同じくして、大学生亮介の自宅のパソコンには、インターネットにアクセスしてもいないのに「幽霊に会いたいですか」という奇妙なメッセージが浮かび上がり、黒い袋に覆われた異常な人の姿が現れた。次第に廃虚となる町で、ミチと亮介は出会い、迫り来る恐怖に挑むのだが……。

2001年製作/118分/日本
配給:東宝
劇場公開日:2001年2月10日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第54回 カンヌ国際映画祭(2001年)

出品

ある視点部門
出品作品 黒沢清
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映画評論

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映画レビュー

2.0 陰影の使い方は天才的

2026年7月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

いつ観たかわからないけど、だいぶ前に多分DVDを鑑賞。
こんなに覚えてないのは自分でも珍しいが、それほど印象が薄かったか、途中で挫折したかのどっちか。

今回改めて観て分かったのは回路の意味やそもそものストーリーはそこまで重要ではなく、当時の人気若手俳優を起用し、映像や画面の雰囲気のみで怖がらせようとした映画だったって事。

確かにインターネットやPCが普及した当時は生身の人間とのつながりが希薄になるとか言われてたけど、黒沢さんはそういう流れに対して警鐘を鳴らしたかったんだと思うし、暗闇や影、モニターの画面に映るものなどぼんやりしてよくわからないものの怖さをよく知っており、上手に表現している見せ方はさすがだと思う。

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カツベン二郎

3.5 幽霊とパソコン

2026年6月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

怖い

驚く

フロッピーディスクが主流の頃が舞台で、若者のファッションも現在とは異なる。

加藤晴彦さんと麻生久美子さんを交互にピックアップしてW主演のような映画で、二人は終盤出会う、それは誰もが予想するだろう、そしてその通りになる。
加藤晴彦さんパートでは、小雪さんとの信頼関係が面白い。先輩役の武田真治さんとの絡みも見ごたえがある。
麻生久美子さんパートでは、目の前で人が死んでいく描写が謎めいていて面白い。

「死んだら永遠にひとりぼっちだから助けてほしい」旨の幽霊の発言から、幽霊の存在が怖いというよりも孤独に対する恐怖が印象に残る。

死者が黒い塵になって空中に舞い、壁や床に黒い痕が残るのが特徴で、どうすれば死なずに済むのかは謎だが、他の黒沢清監督作品との関連性があるようにも感じる。
役所広司さんが最初と最後だけ登場するが、頼れる男ということ以外よくわからない。
黒沢清監督作品は、いまいち理解しかねるが、だからこそ面白い。

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Don-chan

4.5 「クラウド」と同じ問い

2026年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

# 人は何によって壊れるのか

黒澤清監督の『回路』を見ながら、どうしても『Cloud クラウド』のことを考えてしまった。

公開年は二十年以上離れている。

扱う題材も違う。

『回路』は幽霊を描いたホラーであり、『Cloud クラウド』はネット社会を舞台にしたサスペンスだ。

しかし見終わったあと、不思議な感覚が残った。

この二つの作品は、もしかすると同じ問いを別の角度から見つめているのではないか。

そんな気がしたのだ。

『回路』で描かれるのは孤独である。

当時、インターネットはまだ未知の存在だった。

誰とでもつながれる夢の技術。

しかし、その全容を理解している人はほとんどいなかった。

便利そうだが正体はわからない。

人は未知なるものに恐怖を抱く。

本作は、その未知のネットワークの先に人間ではない何かがいたらどうなるのかを描いているように見える。

だが、作品を見ていて感じた恐怖は、幽霊そのものではなかった。

むしろ印象に残ったのは、ハルエが口にする問いだった。

「死んだらどうなるのか」

誰もが一度は考える問いである。

そして本作が示した答えは恐ろしい。

天国も地獄もない。

救済も罰もない。

ただ孤独だけが永遠に続く。

誰とも関われず、自分だけが存在し続ける。

それは死の恐怖というより、孤独の恐怖だった。

だから本作の幽霊とは、死者ではなく、孤独が極限まで濃縮された存在なのかもしれない。

そしてそこで気になったのがタイトルである。

「回路」。

普通に考えればネットワーク回線や電子回路を指している。

だが見終わったあとに残ったのは、別の回路だった。

人間の思考回路である。

孤独になる。

不安になる。

恐怖が生まれる。

その恐怖がさらに思考を支配する。

やがて人は、自らの思考回路によって追い詰められていく。

本作の幽霊は、その暴走した思考回路が可視化されたものにも見えた。

そう考えたとき、『Cloud クラウド』がつながってくる。

あの作品にも孤独は存在していた。

しかし焦点は孤独ではなく欲望だった。

「いまだけ、金だけ、自分だけ」。

ネットを利用して利益を追い求める主人公。

その結果として積み重なる他者の恨み。

やがて逃げ場のない地獄が現れる。

『回路』では孤独が世界を侵食した。

『Cloud クラウド』では欲望が世界を侵食した。

入口は違う。

しかし行き着く先はどちらも人間の内側にある。

他者とのつながりを失い、自分だけの思考回路に閉じこもった状態である。

だから二つの作品は、孤独と欲望を描いた別々の物語ではないのかもしれない。

どちらも「人は何によって壊れるのか」を問い続けた作品だったように思える。

興味深いのは、その答えを黒澤清が断定していないことだ。

『回路』には、世界が崩壊しながらも先へ進もうとする意思が残されていた。

ミチは海へ出る。

そこにはかすかな希望があった。

一方、『Cloud クラウド』では希望はほとんど取り払われている。

しかし完全な絶望とも言い切れない。

主人公の前に地獄は置かれる。

だが、その先をどう歩くのかまでは示されない。

だから黒澤清は答えを語っているのではなく、問いを置いているのだと思う。

孤独になったとき、人はどんな思考回路を起動させるのか。

欲望に支配されたとき、人はどこへ向かうのか。

そして、その回路の先にあるものは何なのか。

『回路』というタイトルは、インターネットの回線を指しているだけではない。

それは人間の内側に張り巡らされた、見えない思考回路のことでもあるのかもしれない。

そして黒澤清は二十年以上かけて、その回路の行き着く先を見つめ続けているように思えた。

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R41

0.5 幽霊に会いたいですか?

2026年5月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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odeonza