ロッキーVSドラゴ ROCKY IV

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ロッキーVSドラゴ ROCKY IV

解説

1985年に製作されたシルベスター・スタローン監督・脚本・主演のヒット作で、「クリード 炎の宿敵」の前日譚としても人気の「ロッキー4 炎の友情」を、スタローンが自ら再構築した再編集特別版。

アポロ・クリードとの戦いを経てチャンピオンとなったロッキー・バルボアの前に、ソ連から“殺人マシーン”イワン・ドラゴが現れる。ドラゴとの激戦によって、ライバルであり親友のアポロを失ったロッキーは、対ドラゴ戦のためソ連へ乗り込む。

「ロッキー」シリーズ最大のヒット作となった「ロッキー4」を、理想とする作品に作り直したいという思いを持っていたスタローンが、コロナ禍でできた時間を使って徹底的に見直し、ロッキー、アポロ、ドラゴの戦いまでの道のりや各人物の心に注目したドラマに重点を置いて再構築。オリジナル版の半分近くとなる42分の未公開シーンへの差し替え、4Kデジタルリマスター、5.1chサラウンド、ビスタからシネスコへのアスペクト比変更と、36年の時を経てまったく新しい「ロッキー4」を作り上げた。

2021年製作/94分/G/アメリカ
原題または英題:Rocky IV: Rocky Vs. Drago
配給:カルチャヴィル、ガイエ
劇場公開日:2022年8月19日

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映画レビュー

4.0よりストレートで骨太なドラマへ

2022年8月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 ロッキーシリーズは1しか観たことがなかったので、今回1から3までを配信でイッキ見して臨んだ。途中、シリーズ1から3の回想シーンが結構長めの尺だったので、観ておいたことできちんと感慨に浸れてよかった。その後再編集前の4を観た。  2020年に本作の進捗についてインスタグラムで触れたスタローンは、「ロボットは永遠に廃品投棄場に送られます」「ロボットのことが好きではなくなった」と答えている。正直あの80年代感もなかなか好きなのだが、ロボットを削り政治色を減らし、人間描写を掘り下げた本作は、よりストレートで骨太なドラマになった印象だ。配信予定がないのがもったいない。  4作全体の話になるが、スタローンとその作品「ロッキー」は特別なオーラをまとっている。演技の上手下手や作劇の巧拙を超えて、挫折や苦難を乗り越えたロッキーが後半でトレーニングに打ち込み、人生を賭けて試合に臨む姿とその肉体が見られればそれだけで見応えがあるし、感動してしまう。  ロッキーの生き様がどこかスタローンの人生哲学に重なって見えて、そこから本シリーズ独特の味わいや説得力が生まれるのだと思う。彼が「ロッキー」を形にするまでの経緯自体が既に映画のようだ。また彼の鍛え上げられた肉体は、その生き方を雄弁に語り、物語の力強い裏付けになっている。  ロッキーの性格も魅力的だ。飄々としていて、型にはまった聖人君子ではないが折々に垣間見せる優しさがあり、時に不思議な気高ささえ感じる。女性の扱いは絶品。本作序盤で、席を外したエイドリアンを追ってキッチンに行ったロッキーの、彼女に言いたいことを吐き出させてパン袋を殴らせるという細やかなケアに妙に感動した。「ロッキー4」にはなかったとてもよいシーン。イタリアの血筋は伊達じゃない。  自分の力が認められない悔しさ、挫折からの再起、成功後に忘れかけたチャレンジ精神、地道な努力の日々など、どれも言ってしまえばベタなエピソードだが、主人公が魅力的で説得力ある存在だとベタが王道に変わり、心を強く揺さぶってくる。  旧ソ連側の描写は典型的なものだが、ドラゴのかっこよさでお釣りがくる。本作の出演を勝ち取るためにほぼ筋肉だけで10kg以上増やした肉体が、戦闘マシーン感満載で素晴らしい。ブリジット・ニールセンと組むことで更にキャラが立っていた。  奇しくも現在の世界情勢においてもロシアはアメリカと相容れない存在で、本作での旧ソ連の描写に残念ながらさほど違和感を覚えない。妙に時流に合ってしまったのは皮肉なことだ。むしろ今はこんなエキシビションマッチさえ出来ないだろう。  それにしても、半分近くの映像を入れ替えて違うテイストのバージョンを作れるほどのバリエーションとクオリティの映像を当時撮っていて、それをちゃんと世に出してくれたスタローンには本当に頭が下がる。ひとたび完成作品を世に出して、あまつさえそれが大ヒットしたら、そこから更にここまで手間をかける情熱を持てる人間はなかなかいない。一般的なディレクターズカット版とは手直しのレベルが違う。  そして、これだけ観客に勇気を与え続けるシリーズを生み出しておきながら、本作のPR動画で「メッセージは二の次さ。純粋に現実逃避してくれればいい」と言ってのけるスタローン。かっこよすぎやしませんか。

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ニコ

3.0改善と改悪が同居する、再編集の功罪を抱えた新バージョン

2022年9月30日
PCから投稿

スタローンが『ロッキー4』を大幅に再編集。37年ぶりのディレクターズカットになるわけだが、ロッキーシリーズでも飛び抜けてライトな(そして良くも悪くもダサい)エンタメだった「4」を人間ドラマに昇華させようとした意図はわかる。アポロとの試合に望む直前のドラゴの姿など、『クリード2』に繋がるようなドラゴの人間味が感じられる場面も足されていて、なるほどと膝を打つ変更も多い。 ただ全体的には、もともとの軽さと、足そうとした重さがバッティングしているように思える箇所が多く、いじくりまわしたことで編集がうまくいってないように見えるのも残念。得られるものもあるが、一方でやはり一度完成した映画は(公開されて観客に観られることも含めて)固有の生命を得るのではないか。それを弄くるのはひとつのイキモノを切り貼りするような行為ではないかと、再編集の功罪を考えて複雑な気分にさせらる罪作りなバージョンだと思う。

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村山章

4.0ロッキーは人柄がいいですね

2022年11月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

興奮

この作品は8月くらいに公開されていたらしいのですが、最寄りの映画館ではしばらく扱いがなくて 諦めていました。ですが先週から上映されて、本当は別の作品を観るつもりでしたが、臨機応変に予定変更です。 今年はトップガンの続編もあったし、このロッキーだったり、自分のような高齢の映画ファンにとっては嬉しくて 忘れられない年になります。 オリジナルの作品はどうだったかもう覚えてないので、 ワクワクドキドキして観れました。 とても良かったです。 劇場の大きなスクリーンで観れて幸せでした。 余談ですが、 ロッキーシリーズはそれぞれとても好きです。 第一作目がとても好きで、 エイドリアンとロッキーが初めてデートするシーンがとてもいいです。 2作目以降も良いのですが、 あの二人のシャイで初々しい感じは一作目しか観れないのですよね。 試合の描き方は後の作品のが臨場感とかは増していきますが ヒューマンドラマとかラブストーリーとかでは一作目が好きです。 もちろん、今作品も素晴らしいものでした。

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あすパパ

3.0男は黙って・・・

2022年10月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

興奮

幸せ

この「ロッキー」だけは青春の映画体験の根底にあるやっかいな存在でわかっちゃいるけどやめられない。ロシアのウクライナ侵攻に乗ってヒットした「トップガン」にあやかるかのような二匹目のドジョウ狙いで冷戦末期に単身モスクワに乗り込みソ連の冷徹マシンと殴り合って盛り上がる「ロッキー4」の焼き直しなのだから原価率0パーのこんなにうまいビジネスは無い。豪邸に住みセレブな生活に染まったエイドリアンが猛反対してもロッキーは言うのだ「俺を男でいさせてくれ…」と、おおなんというアナクロ!それにしてもスタローンはあまりにもボソボソと滑舌悪く「口下手なもんで…」という健さんのごとく黙々とトレーニングに励み超人ドラゴに殴られても殴られても倒されても倒されても立ち上がって殴り返すのだ。オリジナルの約半分(42分)を未公開シーンと差し替えたというのだが、アポロ戦にしてもロッキー戦にしてもボクシング中継のごとく試合を小細工なしに冗長なほどまんま見せ切っておりそれが手抜きなのか狙いなのかあまりにもでかすぎる観衆の歓声と相まってシンプルに盛り上がる「代理戦争」である。勝者はソ連の観客に向ってボソボソって言うのだ「何千万人もが戦うよりこのほうが良いだろ?」って。商売上手に頭が下がる。

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たあちゃん