アンロック 陰謀のコード : 特集
スパイの“聖地”ロンドンが空前の危機に!! 今、孤独なCIA尋問官が立ち上がる
「007」監督×「トランスフォーマー」製作者×「M:I」撮影監督──
最強のアクション映画スタッフが放つ、女性版ジェイソン・ボーン誕生
「ミレニアム」のノオミ・ラパスが、ワナにはめられたCIA尋問官に扮し、ロンドンを狙うバイオ・テロを阻止しようとするさまを描く「アンロック 陰謀のコード」(4月20日公開)。「007 ワールド・イズ・ノット・イナフ」を手掛けたマイケル・アプテッド監督の指揮の下、実力派キャストが結集した本作は、“女性版ジェイソン・ボーン”の雰囲気を醸す、アクション映画ファンの要注目作だ。
《サスペンス・アクションをさらに面白くする5つのコード》
今、“裏切らない”作品を求めているならば本作一択!
アクション映画好きなら、アプテッド監督を筆頭に、「トランスフォーマー」「RED レッド」シリーズを手掛けた製作者、「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」(追加撮影)、「キングスマン」の撮影監督が名を連ねるスタッフ陣を見ただけで、「この映画、見たい!」と感じるはず。そしてCIA、尋問官、陰謀、頭脳戦、テロリズムなど、「アクション・ファンの必見ネタ」も満載なのだ。
アクション映画ファン心をくすぐるのが「CIA」という存在。今作では、主人公アリスが所属する組織として登場する。大規模テロを食い止められなかった過去を持ち、閑職に退いていたアリスが、急きょ最前線に引き戻されることから物語は動き始める。
主人公が、「24」等でも話題となった「尋問」のスペシャリストとして描かれるのが大きな注目点。脅迫や懐柔など多彩な手段で情報を聞き出すのだ。彼女は当局が身柄を拘束した中東系の男から、テロの連絡に必要なコードを聞き出す指令を受けるが……。
男に揺さぶりを掛け、まさにコードを聞き出そうとする直前に、かつての同僚から尋問の依頼電話が入る。その内容は今と同じ状況……これは、誰かに仕組まれたワナだ! 一瞬にして窮地に陥るアリス。「陰謀」のスリルが興奮をかき立てる!
サスペンスで重要な「頭脳戦」においても、本作はぬかりない。濡れ衣を着せられてしまったアリスが、跡を追ってくるCIA、英情報機関MI5の裏をかき、数々のピンチをくぐり抜けていく。「身の潔白は自分で証明するしかない」という状況も最高だ!
アリスは元海兵隊員と知り合い、彼の助けを借りながら、CIA内に潜む裏切り者、そしてロンドンを狙う大規模テロの実態へと迫っていく。アクション作の王道設定でもあり、今や誰にも無縁ではなくなった「テロ」に挑む構図が期待を駆り立てる。
《女性版ジェイソン・ボーン誕生》
全員実力派・全員クセ者──この中にいる“裏切り者”はいったい誰だ?
トラウマにさいなまれるCIAエージェントが、欧州を舞台に孤独な戦いを繰り広げると聞けば、思い浮かぶのは「ジェイソン・ボーン」シリーズ。たった1人でテロの危機に挑むアリスの戦いは、まさに“女性版ボーン”と呼んで過言ではないだろう。ノオミ・ラパスを筆頭に、出演陣は超実力派俳優ばかり。裏切り者はいったい誰か? 先読みできないストーリーにあなたも浸りきってほしい。
強い肉体と精神を持つアリスを演じ切ったのは、「ミレニアム」3部作で注目を集め、「プロメテウス」等でも個性を発揮したノオミ・ラパス。本作では、ムエタイ、カンフー、柔道を身につけ、スタントマンなしの格闘シーンに挑戦した。高い知性と戦闘力を兼ね備えたニュー・ヒロインぶりに注目だ。
アリスを助ける元海兵隊員役は「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのオーランド・ブルーム。MI5捜査官に「リトル・ミス・サンシャイン」のトニ・コレットが扮し、名優ジョン・マルコビッチとマイケル・ダグラスが、CIA高官を演じている。誰もが怪しく、誰もが頼もしく見える名演がそろった。
なぜ本作が観客を引き込むのか。それは、ハリウッド・スタジオの重役たちによる有力脚本リスト=ブラックリストで08年のトップとなったのが本作だから。映画化決定後、女性スパイが活躍する独自性に陰謀と裏切りの要素を注入。軍事関係者への取材を基にリアルさの追求も加味された代物なのだ。
《今そこにある危機》
日本でも起こりうる史上最悪のバイオ・テロ、時代に警鐘を鳴らす注目作!
「ザ・ロック」「エアフォース・ワン」など、90年代にはすでにアクション映画の主人公たちが立ち向かう相手として、テロリストは存在感を発揮していたが、01年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件が起こってからは、決してフィクションの世界だけではない存在として意識されるようになった。
「パトリオット・デイ」など、実話を基にした社会派寄りの作品も多く製作されているが、娯楽性の高いフィクション作においても、テロのリアル性が重要視され、「ホワイトハウス・ダウン」等の“起こりうる”シチュエーションでの物語が描かれている。荒唐無稽さが売りだった「007」シリーズや「キングスマン」シリーズにおいても、敵が仕掛ける攻撃のリアルさが増している点を見ると、「現実性」が重要視されていることがうかがえる。
では、「アンロック 陰謀のコード」はどうなのか。今作では、ロンドンを標的にした大規模なバイオ・テロが描かれる。細菌、ウィルス、毒ガスを用いた兵器はすでに存在し、本作の状況は決して絵空事ではない。劇中では細菌散布器が驚くほど簡単に持ち込まれ、巧みに設置される様子が描かれる。「もしこんな状況に自分が遭遇してしまったら?」と考えると恐ろしいが、映画がリアルなシミュレーションとして機能すればするほどスリルは増し、見る者を作品世界へと引き込む。本作もまさしく、そんな類いのサスペンス・アクションなのだ。