菊とギロチン

劇場公開日:

菊とギロチン

解説

「64 ロクヨン」の瀬々敬久監督が、「ヘヴンズ ストーリー」以来8年ぶりとなる自身のオリジナル企画として手がけた青春群像劇。大正末期、人びとが閉塞感にあえぐ関東大震災直後の日本。ある日、東京近郊に女力士たちに交じって、元遊女などワケあり娘が集う女相撲の一座「玉岩興行」がやって来る。新人力士の花菊は、夫の暴力に耐えかねて家出をして女相撲に加わり、「強くなって自分の力で生きたい」という一心で厳しい練習を重ねていた。興行当日、会場には師と仰ぐ思想家の大杉栄が殺害され、その復讐を画策するためにこの地に流れ着いた中濱鐵と古田大次郎らアナキスト・グループ「ギロチン社」の若者たちの姿があった。「格差のない平等な社会」を標榜する彼らは、女力士たちの戦いぶりに魅了され、彼女たちと行動を共にするようになる。新人力士・花菊役の木竜麻生のほか、東出昌大、寛一郎、韓英恵らが出演。ナレーションを永瀬正敏が務める。

2018年製作/189分/R15+/日本
配給:トランスフォーマー
劇場公開日:2018年7月7日

スタッフ・キャスト

監督
脚本
相澤虎之助
瀬々敬久
プロデューサー
坂口一直
石毛栄典
浅野博貴
藤川佳三
撮影
鍋島淳裕
照明
かげつよし
美術監修
磯見俊裕
馬場正男
美術
露木恵美子
装飾
中込秀志
持道具
上田耕治
衣装
真柴紀子
ヘアメイク
島田万貴子
録音
高田伸也
編集
早野亮
音楽
安川午朗
ナレーション
永瀬正敏
助監督
海野敦
山嵜晋平
VFXスーパーバイザー
立石勝
サウンドエフェクト
北田雅也
VFXディレクター
内海大輔
CGディレクター
西尾和弘
村松直之
レコーデイングエンジニア
本谷侑紀
ダビングエンジニア
板橋聖志
サウンドエンジニア
宮本明子
田邊萌乃
小笠原良汰
サウンドコーディネート
志田直之
仕上げ
田巻源太
キャスティング
神林理央子
ラインプロデューサー
坂本礼
協力プロデューサー
田所大輔
題字
赤松陽構造
スチール
今井俊裕
夏野苺
メイキング
榎本敏郎
タイトル制作
川口和子
制作主任
山田智也
酒井識人
北川帯寛
制作進行
坂野達哉
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インタビュー

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(C)2018「菊とギロチン」合同製作舎

映画レビュー

4.5可笑しな権力と放縦な無力

2018年10月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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マユキ

5.0猥雑さを失う社会に抵抗する映画

2018年7月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

関東大震災直後の閉塞していく日本社会と、3.11後の日本を重ねて描いた瀬々監督の渾身の一作。全編に強烈なパワーが漲っていて時間を忘れて引きずり込まれる。 言うことだけは立派で観念的な男たちに、地に足のついた女相撲の力士たちが見事な対比。自由を求めて戦う女力士たちの切実さを目の当たりにして、目覚めてゆく男たち。しかし、時代はどんどん自由をうばってゆく。 社会が余裕を失っていく時は、いつの時代もにたようなことが起こるものなのだろう。猥雑なものを排除する権力の姿は、「正しい」ものしか許さない現代の空気にも共通するものがある。猥雑さを排除しそれいつかエスカレートし、日本は暴走した。今世界で何が起きているのか、本作にはたくさんのヒントがあるように思う。正しいものしか残そうとしない社会は、正しくないのだ。 時代と呼応した、奇跡みたいな映画がたまに生まれるが、本作はまさにそれ。脚本の相澤虎之助のアイデアだという、浜辺で踊るシーンは魂が震える。

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共感した! 6件)
杉本穂高

0.5無駄に長い3時間だった

2024年2月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

寝られる

素人的な発想で同じ時代の関係のない女相撲とアナキストを結びつけてみたらおもしろかろうというのがまず成功してない。 女相撲を描けば女相撲だけ、アナキストを描けばアナキストだけでは時間もかかるのは当然。 しかも両者へのリスペクトを感じない描き方と脚本な上、役者たちに大正末期の時代も感じられないのも痛い。 あんまりつまらなかったんで2日もかけて鑑賞したが間違いなく金返せレベルな駄作。

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たきがは

4.0【大正末期、右傾化していく日本の中で夫々の”自由”を求めて足掻く、アナキストの男達、女相撲の女達の姿を描いた作品。昨今の日本及び世界の状況が酷似している気がするのは、私の蒙昧だろうか・・。】

2023年8月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館、VOD

悲しい

知的

難しい

― 実在した「女相撲興行」と「ギロチン社」史実をもとにしたオリジナルストーリー。- ■閉塞感漂う大正末期。  元遊女や家出娘など、訳あり女で結成された女相撲一座・玉岩興行が東京近郊にやってくる。  彼女たちの興行を見に訪れたアナキストグループ・ギロチン社の面々は、その真剣な戦いぶりに魅せられ、共に“差別のない世界”を目指そうとする。 ◆感想 ・「ギロチン社」の面々によるアナーキズムに基づく、当時の要人に対する行為は日本史で学んだので、大体把握していた。 ー 思うのであるが、彼らの理想と結果的に殆どが死刑もしくは長期獄に繋がれていた事実。アナキストの思想を否定する積りはないが、先走り過ぎている事を改めて実感する。   大杉栄や、彼の妻になった野江に対する甘粕大尉の虐殺などは描かれてはいないが、彼の時代に人権という概念が希薄であった事は事実であろう。- ・今作の見所としては山形を主とした「女相撲」と、アナーキズムによる「ギロチン社」の面々による交流であるが、久方ぶりに鑑賞すると、少し交流部分が弱い気がしたかな。 ・役者としては、東出昌大、寛一郎、渋川清彦の男優陣よりも、韓英恵、山田真歩、そして今作が初出演である木竜麻生さん達女優陣の凄みを帯びた演技が印象的である。 ー 特に、在留韓国人を演じた韓英恵の関東大震災時に、韓国人大虐殺を語るシーンなどは、中濱鐵を演じた東出昌大が土下座して詫びたように、鬼気迫るものがある。- <近年、ロシアのウクライナ進攻を筆頭に、世界がドンドンきな臭くなってきている事は衆知の事実である。  その根源には、今作で描かれているように、民族間蔑視がある事も衆知の事実である。  更に言えば、同民族間でも男尊女卑が厳然としてある事も周知の事実である。  日本は、先進国と言われているが、管理職比率は低い。  (但し、立場上、”ある理由”がある事も知っている。)  今作を再鑑賞すると,”日本って(鑑賞後)5年経っても、何ら変わっていないと思うのである。> <2018年9月9日 シネマテークたかさきにて鑑賞。> <2023年8月25日 別媒体にて再鑑賞。>

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NOBU