ブレードランナー 2049のレビュー・感想・評価
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大傑作
素晴らしい傑作。主人公Kの孤独と閉塞状況とささやかな喜びが描かれる導入部。それは現代都市生活の部品として使い捨てされる労働者の切なさである。それなりに満足して生活していたKの心に灯る小さな希望の光。自分は決してその他大勢ではなく特別な者なのではないかという想念が芽生える。
ジョイとKの関係は
レイチェルとデッカードの関係の写し鏡だ。彼らは同型のジョイもレイチェルも拒否する。それは薔薇がいくらあっても、自分の心を揺さぶる薔薇はただ一つだけだと想っているから。
Kの哀しみや喜びに寄り添い、愛し守ってくれたジョイは、買い直してももう現れない。
Kは自分だけのジョイの生きた証を目の当たりにして、自らの心に従って善をなす事を決意する。
デッカードがレプリカントかどうかという問題はもうどうでもよくなっている。Kはレプリカントだが、孤独で、意に染まぬ仕事で使い捨てられ、自由意志を否定される現代人そのものだ。富裕層3人の財産がその他の者の富の合計を上回る超格差社会アメリカに生きる人々は日本の現在とほぼ同じ。
Kはおのれの意思に目覚め、誰の命令も聞かず、自分の判断で行動する。それは哀しい孤独な「天使」がひとりの寂しい人間としてこの世に生きた証を残した。デッカードは「お前は俺の何なんだ?」と問いかけた。
Kは答えず別れる。雪が溶けるように、彼の人生の終わりの時が来る。彼は自分が願ったものになったのだ。
現代アメリカ、現代日本。子供の頃は家族の中で特別な存在だった。社会に出て労働者となり、自分が特別ではなく、ありふれた存在だと知る。
良いSFは良い寓話となる。Kの心情はナレーションがなくても痛いほど観客に伝わる。
Kの魂の彷徨は、現在を生きる我々のものだ。ヴィルヌーヴ監督は見事に重責を果たした。
映画館で見るべき最高傑作
近未来は、こんな世界になるんだろうなとリアルに感じる世界観。
自分がレプリカントであるという悲しさ、
自分はどのようにして生まれて何者なのかを実は自分自身が一番知らないという事実。
そういうことも含めて、私たちがこれから生きていく世界とはどんな世界なのかを考えさせられる映画だった。
静謐
波打つ光と黒々とした影のコントラストが、美しき恐怖を際立たせ、馬や羊、蜂や聖痕などの表現のバトンを受け継ぎ、歩みを進めようとする気概を感じる。
また、音楽は低音の強調が耳障りな所もあるが、未踏の地の感触を確かめるかの様に詩的であり、受け手の感情を誘導させる表現を過去の物としている。
しかし、役者や犬は今ひとつキャラクターを掴みきれている様には思えなかった。
まるで奇跡の様に、何もかもが愛される。
雨の中の涙はそして雪になる。
テーマの掘り下げに物足りなさ有。
未来都市の映像は雑多で退廃的で相変わらずすごく素敵。
あくまで個人的にはだけど、人間とレプリカントとの違い(あるいは共通項)を通して「人間(人間性)とは何なのか」ってテーマにもっと切り込んで欲しかったかなあ。
ブレードランナーそのもの
前作が出た頃はネットもスマホも液晶モニターすら無い時代。その頃にデストピア2019年の未来を描いたブレードランナーは衝撃的だった。
今回は前作から30年後を描いているが、世界観のデストピアはそのまま。
できれば30年の時間を経た世界を見せて欲しかったと言ったら欲張りだろうか。
現代でビートルズの新曲を聴いたような気分になる映画だ。良い映画なんだけどね。
駄作入場料の価値以下
古~~いHフォードの第一作見てなかったので先に見ておいた。秀作!
息を呑むレプリカント狩りのアクション、レプリカントとHFの奇跡的なラブロマンスこれらが絶妙に絡み合って一気に最終場面のドキドキ余韻を残したラストを迎える90分でも充実、何日も体験したリアルさ。
新作2049感想....駄作、入場料の価値以下
1.ゴズリン主役では役不足、演技は定番の脇役レベル
1.HF出演料が40数億?嘘っぱちだ、出るなら回想ビデオレベル老いすぎ
1.脚本が最低中途半端、レプリカント対人間の小競り合いに終始雌雄を決する決戦皆無。ロマンスもレプリカントからフォログラムに劣化どうやって恋愛できるんだって。
1.作品時間は延々とCG無駄に垂れ流し時間消費してるだけ。
1.ラストエンドタイトルが出てびっくり嘘だろ?消化不良、フルコース注文したのに冷めたスープだけ出して終わりですよ。
見るのは無駄。
アトラクションと語りの喧嘩
前作を見ないと何のことだかさっぱり。
壮大な近未来都市やラブシーンの映像美、アクションシーンの音響は良かった。
常に同じテンポで大きな起伏はないが、何かを伝えようとする登場人物たちの辛辣な心情は伝わってきた。
秀作!
初投稿になります。
自分が生まれる前の年に公開されたSFの名作ブレードランナーの続編!遅ればせながらファイナルカットをレンタルし予習しながら見に行きました。映画の評価としては、前作同様全体的にダークなんだけど、やはり映像美が良かった。ハリソン・フォードとライアン・ゴズリングの共演にアナ・デ・アル・マスも可愛かったです笑
ただやはり少し長すぎたので星3.5にしました。ドゥニ・ヴィルヌーブもいま旬の監督なので今後も期待ですね
映像は綺麗、ストーリーは
映像は綺麗で、音楽も迫力がありました。
しかし、ストーリー的には目新しさはなかったように思いました。
情緒的な雰囲気描写が長いと感じる時もありましたが、レプリカントやAIの存在から、生命や人間性について考えさせられる部分は良かったです。
差別されるレプリカント
カルトSF 映画ブレードランナーの続編。
半バーチャルセックスや、砂漠のシーンなど確かに映像美はすごかったし、懐かしのキャラに会えたし、ジョイ役の女優もかわいかった。でも題材は似たような映画で扱われてるものだったりするのが残念なところ。レプリカントがアイデンティティを模索する姿を通して人間とは何かを考えさせられた前作の流れを踏襲しているが、時代の先端ではなくなってしまったということなんだろう。
本作ではレプリカントが差別対象になっていたのは興味深い。披差別層が自分は何者なのか考え、アイデンティティを確立したら残るのは反乱のみ。リブート版猿の惑星や未来編のターミネーターが混ざったような戦争メインの続編ができないことを祈る。
2017-82
長い。
映像美と音響と、ポップコーン食べ続けてれば物理的に起きてられるだろうと思ってたけど、ポップコーンに飽きてぼーっとしてたら、2回寝ちゃった。
たぶん2時間半超えると、おんなじ場所にいられないんだなわたし。
映像美と音響はすごいんだけど、ストーリーが進むの遅い。
メリハリがない。
『メッセージ』同様、この監督の作品は一度見ただけでは何が言いたいのかよくわからず、
今回は寝てしまったこともあって、ネタバレブログでストーリーを最初から最後まで読んで、話はわかった。
伝えたいことは……🤔
レンタルで出たら、家でしっかりと見たいと思います。
唯一、昔の日本は世界のジャパンだったんだなぁということ。
そんな時代に生まれてみたかったなと思いました。
前作は見てないのでわからないけど、今回はちょっとハングルも交じってて、時代の流れかな?と思ったり。
テーマは素晴らしいが、長い!
やっぱり、ちょっと上映時間が長かったです。
途中、何度か時計を見ました。
寝不足もあって、ちょっとウトウトと。
ただ、内容は素晴らしい!
前作と異なり、レプリカントであるKの視点から描くことにより、前作とは完全に別の作品。
長いだけあってKの掘り下げ方も良し。
自分が特別な存在では無いかと考える彼に対して、オチでは彼は大量生産の一つでしかない現実が突きつけられる。
主人公が都合よく「選ばれしもの」である映画が多い中、この結果はOK。
2時間43分。 あっという間だった。 ライアン・ゴズリングは 表情...
2時間43分。
あっという間だった。
ライアン・ゴズリングは
表情の変化が繊細で絶妙。
自然とストーリーに引き込まれていくのも、彼の演技力による部分が大きいと思う。
ただ、ストーリーの構成自体が面白い。
壮大なスケールで美しい映像に目を奪われた。
映画館で観た方がワクワクする映画。
テーマが陳腐の域を出てなくて残念
傑作「メッセージ」のドゥニ・ヴィルヌーブ監督作品で、とっても期待して見たんですけども。
いやあ、退屈な上にくだらない、長い長い映画でした。
僕はオシッコ行きたくて行きたくて、
でもなんか主人公のライアン・ゴズリングがいつまでもいつまでも悩んでいて。
なんでお前はララランドみたいに踊りださないんだよ、
ララランドみたいに能天気に踊ってみせりゃいいじゃん、
あーじれってー、もう早く俺にオシッコ行かせてくれよ、という映画でした。
でもこれ、Facebookなどで知ったかぶって褒めてる人多くて、ちょっと閉口。
内容を言えば、
結局「レプリカントのアイデンティティ探し」=「作り物にも魂はあるのか?」というテーマ。
もうこのテーマ自体が陳腐なんですよね。
魂あるに決まってるじゃん。だってそこに生きてるんだから。
魂なんてペッパー君にもaiboにもあるんですよ。
そんな当たり前なことを、レプリカントである主人公自身に悩ませ、
それを観客に見せる、という製作者の3重の自慰行為。
これに3時間付き合わされる訳です。
あー、じれってえー。
ちなみに80年代の不朽の名作、前作ブレードランナーがなぜ名作かというと、
「レプリカントのあり方」=「作り物のあり方」を直球で見せたからですね。
当時はこれだけでもう傑作ですよ。
だってそれまでそのテーマはSF小説の中でしか描けていなかったのですから。
初めてリドリー・スコット監督がシド・ミードの美術を得て描き出した「作り物」の世界。
これはそれだけで強烈な作品でした。
そしてそれだけで歴史に残る名作となった訳です。
で、そして時を経て、今ですよ。
AI等々で「作り物」が普通になってしまった今ですよ。
今「作り物」を映画作品にするのであれば、「作り物のアイデンティティ探し」を超えて、
「作り物のアイデンティティを突き抜けた姿」を描かねばならなかった。
ドゥニ監督はその才能がある稀有な監督だったのに、それができなかった。
可能性がありながらその機会を潰してしまった、まったくもって残念な映画な訳です。
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