ナラタージュ

劇場公開日:

ナラタージュ

解説

2006年版「この恋愛小説がすごい」第1位に輝いた島本理生の同名小説を、松本潤&有村架純の共演で映画化。「世界の中心で、愛をさけぶ」などで知られる恋愛映画の名手・行定勲監督がメガホンをとり、禁断の恋に落ちる高校教師と元生徒が織り成す純愛を描く。大学2年生の泉のもとに、高校時代の演劇部の顧問・葉山から、後輩たちの卒業公演への参加を依頼する電話がかかってくる。高校時代、泉は学校になじめずにいた自分を助けてくれた葉山に思いを寄せていたが、卒業式の日に起きたある出来事を胸にしまったまま、葉山のことを忘れようとしていた。しかし1年ぶりに葉山と再会したことで、抑えていた恋心を再燃させてしまう。一方、葉山もまた泉に対して複雑な思いを抱いていた。

2017年製作/140分/G/日本
配給:東宝、アスミック・エース
劇場公開日:2017年10月7日

スタッフ・キャスト

監督
原作
島本理生
脚本
堀泉杏
製作
佐野真之
市川南
藤島ジュリーK.
堀内大示
弓矢政法
倉田泰輔
高橋誠
荒波修
古賀俊輔
吉川英作
小川真司
エグゼクティブプロデューサー
豊島雅郎
上田太地
プロデューサー
小川真司
古賀俊輔
共同プロデューサー
吉澤貴洋
音楽プロデューサー
北原京子
撮影
福本淳
照明
市川徳充
録音
伊藤裕規
美術
相馬直樹
装飾
田中宏
衣装デザイン
伊藤佐智子
ヘアメイク
倉田明美
VFXスーパーバイザー
進威志
音響効果
岡瀬晶彦
編集
今井剛
音楽
めいなCo.
主題歌
adieu
主題歌(作詞・作曲)
野田洋次郎
キャスティング
杉野剛
スクリプター
押田智子
助監督
増田伸弥
制作担当
中村哲也
ラインプロデューサー
金森保
プロダクションマネージャー
杉崎隆行
全てのスタッフ・キャストを見る

インタビュー

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10

(C)2017「ナラタージュ」製作委員会

映画レビュー

3.0反社会的な教師と賢すぎる女子高生

2024年10月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

2006年の島本理生の「ナラタージュ」が原作だと言う。 20年近く前の作品なので、(映画は2017年公開) 今や18歳以下の教え子との恋愛は犯罪と見做される時代なので。 違和感は半端なかったです。 そう言う私も、6年前に映画を観た時は、そんなに反社会的なことだと、 「先生と教え子」の恋愛を特殊には思いませんでした。 (私が高校生の時、体育教師が教え子との結婚した先生・・・と ・・・噂されていた時代です) いかにもひ弱で気弱で大人しく優しい葉山先生(松本潤) しっかり者の高校生の泉(有村架純) 親友が転校して居場所を無くして不安定な泉に葉山先生は、 「演劇部に入らないか?」と助け舟を出してくれる。 ことの他、それが嬉しく、部室に入り浸る泉。 やがて2人は「名画座」で古い映画を仲良く観る恋人同士になっていく。 普通、生徒間の噂になり、それが校長や教頭の耳に入る。 当然、葉山は注意を受ける筈です。その辺を全くスルーして話しは 進んでいきます。 葉山の妻は精神を病んで自宅に放火して刑務時に入ったと言う告白を 泉は葉山から聞く。 刑務署に入る・・・・と言うことは、誰かが重傷を負うとか、死ぬとか、 過失障害に問われていると思われます。 犯罪なのですから。 この辺も、やはりぼやかしている。 多分、妻がそんな放火をするまで追い詰められたのは、 葉山が以前にも女子生徒と不適切な関係をしていて、知った妻は 精神を病んだ。 多分どんな状況なのでしょう。 葉山を人畜無害な良い人・・・・そう見えるのは作家の都合の良い 創作だと思います。 (2人は性的な関係も持つのですから、) しかし泉はしっかりと勉強をして大学に進学して、好きな映画関係の 志望した「映画配給会社」に就職して働いているのです。 本当に有能で頭が良く精神が強い。 葉山先生は弱くて情けないから、泉にもたれかかっている。 大人の男なのに、泉の母性に甘えている。 かなり社会性の欠落したシチュエーション乃映画。 島本理生の「RED」も叩かれていた。 こちらは主人公の女性が夫と娘を捨てて昔の恋人に走る。 母性より「女」を優先してたから? まぁ、道徳的な小説や映画しか許されない、 そんなことになったら、そちらの方が大問題だけれど。 今観直すと、「教師としてどうなの?」 そう言う母親目線で観てしまう映画でした。

コメントする 1件)
共感した! 8件)
琥珀糖

3.0それぞれの思い遣り

2024年6月22日
iPhoneアプリから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
movie mamma

4.0恋とは「想い出」かな

2024年6月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

タイトルの意味はフランス語で「主人公に回想を語らせる映画技法」 そして懐中時計の文字盤の裏にポルトガル語で刻まれた「幸せであるように」 それは、懐中時計を購入した葉山の父へのお礼のメッセージであり、父が葉山を想う言葉であり、葉山がイズミを想う言葉であり、作品が視聴者に向けたメッセージ。 夜遅く会社から電話で友人と話す主人公工藤イズミ。 出産と送付した写真の話に激しい雨が重なり、思わず取り出した懐中時計から「ナラタージュ」が始まる。 イズミが大学時代に経験した恋 ただ、それだけの話 たくさんの人が体験する恋という物語 たくさんの人が気づく「嘘」がつけない場所。 途中で間違っていることに気づくこともあるし、途中で気が変わってしまうこともある。 それは決して叶わぬこともあるけど、決して自分に嘘はつけないと初めて感じる不思議なもの。 恋に関する嘘はとにかく自分を苦しめる。 どうしようもないほど苦しむ。 そしてどんどん傷口は大きくなってゆく。誰かを傷つける。 それでも「嘘」という痛みは消えない。 叶わぬ恋でも勝負しなければ、それは苦しみとなる。大きな後悔となる。 体裁や聞き分けを良くしても、心から湧き上がる想いは消すことはできない。 自分でもどうしていいかわからないこの苦しみは、誰にでも起きる。 動いても動かなくても、本気であればとことん傷つく。 何をもってしても埋めることなどできないほど傷つく。 でも、本気であればその傷はやがて温かさに変わる。 さて、 イズミが高校生の時に転校していった親友 寂しさと孤独 制服のままプールに飛び込んだのも、屋上で自殺を考えたのもそれが原因。 彼女は言う「あの時私はなぜ生きることを選んだのか? 居場所のなかった私を救ってくれたのが、先生だった」 この動機の薄さ。作家は似たような経験があるのだろうが、映像にすると弱すぎる。 逆に言えばその弱さこそ、主人公そのものを表現しているのだろう。 そうであれば、あくまで個人的意見だが、イズミ役をもっと儚く幼く見える役者にした方がよかった。杉咲花ちゃんくらいがしっくりくる。有村架純ちゃんはそのままいるだけで華がありすぎる。魅力的過ぎてその動機と対照にならない。 葉山先生は異動先の高校で、妻を守ることができなかった思いを、イズミに頼られることで自分の自信を取り戻したと言っている。それが本心なのはわかるが、葉山にとってイズミは結局のところ、自分の心の隙間を埋めてくれた禁断の浮気相手で間違いないだろう。 妻ミユキは、葉山の母との同居を拒んだと言っていたが、子供ができなかったことを責められていたのではないかと想像する。日本でよくある話だ。 葉山は基本的に普通以上に分別のある教師だと思われるが、毎日お昼時間にやってくる女子生徒とその気持ちを察すると、男であれば仕方ないと思ってしまう。 男には、誰にでも優しいタイプと好きな人にしかしない優しさを持つ男がいるとすれば、葉山は誰にでも優しいタイプで、それがこの物語の原動力となっている。 卒業式に葉山にキスまでされたのにもかかわらず、その後2年間も音信不通。そして突然の招集。イズミは期待しないわけにはいかない。 小野は付き合うことになったイズミが「小野くん」と呼ぶのを嫌う。イズミの心に燻り続けている葉山のことも、彼女は「先生」と呼ぶ。 出会った時の呼び方を変えることができない女性は結構いるように思う。イズミにとって小野は「小野くん」であり、葉山先生もあくまで「先生」でしかないのだろう。動いているようで動けないままのイズミが見えるが、そのイズミはやはり架純ちゃんではないと思う。 作品のこのあたりが少女から女性への変化の時期を表し、それらが思い出になったとき、いつの間にかイズミは成長しているのだろう。 もしかしたら、会社で徹夜した時間に見た回想によって、イズミのほろ苦い経験がきちんとした「想い出」に変わったのかもしれない。 また、 映像だから仕方ないのかもしれないが、ユズコのレイプ事件は物語上重要な部分だが、割愛してしまうことで取って付けた感が否めなくなったのは残念な点だった。 しかしながら、恋について考えるのは青春時代に必ず起きること。 その表現の仕方は時代とともに変わるのだろうが、この作品のように「新鮮さ」はマストだろうと思った。 ユズコが手紙に書いた「苦しみ 恐怖 絶望 葛藤」という言葉は、すべてこの恋にも当てはまるように思った。

コメントする (0件)
共感した! 8件)
R41

3.5女子高生の

2024年3月26日
Androidアプリから投稿

悲しい

幸せ

危うさと真っ直ぐさ。それを指導者としてどう受け止め、支えられるか、試される先生の人間性。先生との対比で際立ってしまう小野君の若さ故の未熟さと焦り。虚しさは怒りへ。泉、雨、プール、大雨、雷雨、海、シャワー。それぞれの演出をじっくり考察するもよし。足元の映像も印象的。易きに流れるのではなく、抗おうとすることで生まれる葛藤と深さと成長。お互いに相手を思いやる気持ち。薄っぺらい禁断の恋では終わらない余韻があった。後輩は理由は違えど居場所がなく極限まで追い詰められていたかつての自分たち。その思いの共有がまた苦しかった。ただやはり、卒業式直後まで思い留まったていたとはいえ、校内でのあのハナムケはフィクションだからこそ。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
she'lly