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AKB48の大島優子さんが「悪の教典」を途中退場したとか、ふんたらのニュースを見て気付かされた。
「ああ、あれはそういう映画だったんだわ」
オレみたいになんだかんだいうやつや伊藤さん目当てで観るおねいちゃん、お子様、いろんな意味でみーんなを不快にするという点ではねらいどおりだ。こりゃやられたわ。
とはいっても「悪の教典」がオレ好みかというとそうでもないので、まあ、どうでもよいけど。
三池監督という人は、そういうことも含め、職人である、ということか。
そういう意味では本作も限りなく同類かもしれない。
しかし職人というスタンスと悪趣味、下品、イカレた設定が昭和の濃さとギドギドした色彩、デフォルメ利かせたセットとともに化学反応を起こしたかのような見事なバランスで本作成り立っている。懐かしさとファンタジーと混乱、そして嘲笑。全ての年齢層に訴えてくるパワーがここにはある。
この映画嫌いだ、と言う人も三池監督率いる製作陣のしてやったり、の結果のはずだ。
原作は未読。その世界観も聞いたことがある程度。早乙女愛というと、小学生のころ見た「新ハングマン」しか分からん。
まずはなんといっても三池監督と角川映画、という点に注目。「神様のパズル」もそうだったね。あれはあれで市原さんの天才ぶりが発揮された映画だったが、イカレた世界観も楽しかった。
(松竹の奥山氏との「IZO」もキライではないが、主役と女優がイカンかった。これは余談。)
本作はさらに三池角川映画のイカレた設定を楽しめるだけでなく、妻夫木さんの達者ぶりが堪能できる。この人、「マイバックページ」のダメ兄ちゃんもまあよかったが、本作はとてつもなくかっこいい。
彼のダンス、アクション、ツッコミ、ガクラン姿は「不快」と「深い」の間に位置する絶妙なバランス。ぜひ見ていただいて確認してほしいね。
武井さんもとてもよい。あの髪型あそこまで似合う女優は他にいないんじゃないか?さらに普段CMで見せる遠い笑顔(営業スマイルとは違う)が見事に髪型とセットでそのキャラのボケ設定に相乗効果を与えている。
ただ歌がキモいな、と思ったら、あ~音楽小林武史じゃん。勝手に納得。
武井さんと大野さんのバトルもなかなか楽しいし、バトルといえば、三池監督お得意の「廊下バトル」。学校、病院とまさしく所狭し、の大盤振る舞い。
安藤さんはちょっとやりすぎ。あの両親でこの娘かあ、といつも思うわ。
がんばれ。
メガネのにいちゃんはウザイ。
たまーにセリフが現代語と昭和語が混ざるのはご愛嬌、としておくところか。
2012年はあんまり観れなかったなあ、と振り返り、やけくそでDVDレンタルして大正解。2012年のベストはコレになったわ。