リトル・ボーイ 小さなボクと戦争

劇場公開日:

リトル・ボーイ 小さなボクと戦争

解説

第2次世界大戦下のアメリカを舞台に、戦地に向かった父と8歳の息子の絆を描く。アメリカ西海岸の小さな町に暮らす8歳のペッパーは町の誰よりも背が低く「リトル・ボーイ」とからかわれていた。ペッパーは大好きな父親との楽しい日々がいつまでも続くと思っていたが、徴兵検査に引っかかった兄の代わりに父親が戦場へ借り出されてしまう。父親をなんとかして戦場から呼び戻すことを固く決意したペッパーは、すべて達成することができれば願いがかなうリストを司祭から授けられ、父親奪還大作戦に向けて動き出す。主人公ペッパー役に演技経験がほとんどないジェイコブ・サルバーティが抜擢。ペッパーの母親役を「博士と彼女のセオリー」のエミリー・ワトソン、司祭役を「フル・モンティ」のトム・ウィルキンソンがそれぞれ演じる。監督はメキシコ出身のアレハンドロ・モンテベルデ。

2014年製作/106分/G/アメリカ
原題:Little Boy
配給:東京テアトル、日活
劇場公開日:2016年8月27日

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(C)2014 Little Boy Production, LLC.All Rights Reserved.

映画レビュー

3.0『この世界の片隅に』

2024年6月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

始まりは、おとぎ話チックで、どこかのどかな成長物語を思わせる展開です。

そもそも、少年が生まれつき発育の悪いハンデの持ち主で、「リトル・ボーイ」と言ってからかわれることから物語が始まっているので、どうしたってその逆転を期待するじゃないですか。

なんとなく全体の色調もクレヨン画みたいに強めの発色で、記念撮影のシーンなんかモノクロで残っている写真に比べ、みんな鮮やかな発色の服をまとっているというコントラストが意識的に対比されます。その時うつむいてしまう主人公の男の子の行動も含め、まるで歴史上の事実であるかのような錯覚におちいります。この演出は実に巧妙に仕掛けられたトリックで、この全体写真のシーンがあると無いとでは、まったく違ったテイストの映画になったことでしょう。

コミック・ブックの魔術師にあこがれて、子供心に念力で奇跡を起こそうと考えるあたりは、この子が成長して、すごい人物になるんだろうな。という成長物語を想像していました。

物語が展開しだすのは、小さな町に日系人の男が越してきたあたりから。あからさまな差別どころか、直接に銃口を向けられて「この町を出ていけ」まで言われる扱いです。少年は神父の言いつけを守ってこの男と親交を深めていきますが、極めて冷静なこの日系人の行動に比べて、町の人の態度はやがて暴力にまで発展していきます。よくこんな状況で生きていけるなと、感心し、同情してしまいました。

歴史上の出来事にのっとり、物語は進むので、とうとう原爆が投下され、「リトル・ボーイ」というあだ名にちなんで、町の人から奇跡の男の子みたいに扱われるのにはあきれましたけど、まあ、ていねいに伏線を回収しているなと思いました。

この映画が優れているのは、それぞれの視点から物事を考えられるように、どちらかのサイドに考えが偏っていないこと。とくに、日系人のシニカルな態度は、ストレートに悲しみや喜びを表現する少年と対比して、戦争のもたらす悲劇的な側面を浮かび上がらせています。特に、日本人にとって、原爆が当時のアメリカ人たちにどう評価されたのかを知るにはいいきっかけかも知れません。

もちろん、物語の核心はそこではなく、親子、家族、友人、コミュニティが、戦争を通じて変化していく様子を上手に描き、少年の視点を通じて語られたことです。同じ時期に日本のアニメーション映画で『この世界の片隅に』が製作されたのは運命的な偶然ですね。

2作品とも、小さな町の生活を通じて、戦争で変わっていく街を描き、何かを失い、何かを手に入れる映画です。そして、間接的に原爆がかかわっています。日本側から見た『この世界の片隅に』アメリカ側から描いた『リトル・ボーイ』。面白い対比になっていると思いました。

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うそつきかもめ

3.0心温まると言いたいが

2018年9月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

小さな少年の心温まるストーリー。日本人である私には、心中複雑な思いをするシーンもあったが、終わりよければ全て良しという事で

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おのもん

4.5プロローグの父子の描き方が秀逸❗

2018年3月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

この、映画の素晴らしさは、父と子の両方通行の揺るぎない愛。子を愛するとはこういうことだと嫌味なしに直球に訴えてくる。プロローグでしっかりと伝わるからこその、戦争による別れは、何よりも戦争を無慈悲なものと憎みたくなる。子役の演技が圧倒的に素晴らしい。原爆とか日本人が蔑みを受けるとか(でも、なぜあそこに日本人が?とは思った)戦争には避けて通れないお決まり的な辛い展開もあったけど、ペッパーの揺るぎない信念、表情に圧倒され、ひたすら彼の側に立って応援したい気持ちでいっぱいだった。

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Sheeta

4.0反戦映画

2018年3月15日
iPhoneアプリから投稿

まあ、原爆投下を正当化するような表現も多々あるけど、子供と日系人の友情はとても良かった。いじめっ子への仕返しや超能力を信じる子供ならではの可愛さも相まって、信じることの大切さや友情の大切さを伝えるいい映画だ

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素子

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