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平成ガメラ三部作最終作「ガメラ3 邪神覚醒」1999年から7年後に公開された、現時点での映画最終作。
冒頭に平成ガメラとギャオスの対決が描かれ、続編にして、それら三部作のハードさとは大きく異なり、子供が主人公で、子供向けに作られたジュブナイル。
平成ガメラ復活1作目の大映・徳間サイドの要求「子供の味方」という要求を呑んでいたら、きっとこういう映画だったと思わせる。
ガメラがギャオスを倒すために自爆してから33年後の2006年。
少年は、その場所で卵を発見し、生まれたカメをトトと名付けるが、やがてトトは空中に浮かび、急速に大きく成長する。
冒頭のガメラとギャオスは、平成三部作のイメージだが、その後生まれたトトは巨大になっても子供向き映画らしく、くりくりした目に、かわいらしい表情。
撮影に使われたカメはケヅメリクガメで、カメ専属のスタッフを用意して撮影。
転落したり鍋で飛んだりするシーンは造形物で、一切虐待していないと、今回のトークショー田口監督と原口氏が離されておりました。
敵対するジーダス(コンペ形式で原口智生のデザインを採用)はエリマキトカゲ風のデザイン。
舌での攻撃はバルゴンからの引用とのこと。
本作でも怪獣は着ぐるみで、クライマックスはミニチュアセットの市街地で、駅ビルを使ったアクションなども披露。
ジーダスが全店してトトを投げ飛ばすシーンは、スーツアクターが本当に全店して演じ、本番一発でOKとなったという。(同じく今回のトークショーより。)
しかし、自衛隊とは対戦せず、上記以外での実景との合成などで、手がかかっていない印象を受け、やはり物足りなさを感じる。
主役の少年をDr.コトー診療所シリーズで有名な、富岡涼が演じる。
(本作ののち、俳優を引退、映画版「Dr.コトー診療所」(2022年)で役者へ復帰)
その少年の隣家に住む少女を当時15歳の夏帆が演じ、その若さ、輝きが印象に残る。
終盤、トトのエネルギー源となる赤く光る石を運ぶ、子供たちとの神聖な部分でのつながりからなる「名もなき子供たちのリレー」が感動的。
トトが子供を守るだけでなく、またトトも子供たちから助けられる共助・共存の関係が描かれる。