超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか

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劇場公開日:

解説・あらすじ

1982~83年に放送されて人気になったテレビアニメ「超時空要塞マクロス」の劇場版。ストーリーはテレビ版をベースにしつつも、細部の展開や結末はテレビ版とは異なる新作として製作された。

西暦1999年、宇宙から巨大宇宙船が地球に墜落したことで、異星人の存在が確認され、来るべき異星人との戦争に備えて人類は墜落した宇宙船を改装し、巨大な宇宙戦艦マクロスを建造する。2009年、マクロスの進宙式が行われる当日に異星人のゼントラーディ軍が出現し、人類は異星人同士の戦争に巻き込まれていく。地球統合軍のパイロット・一条輝らマクロスの乗組員は、激しい戦闘を潜り抜けていくなかでゼントラーディ人の驚くべき実態を知る。

主人公の一条輝と年上の上司・早瀬未沙、戦争を終わらせる鍵となるアイドル歌手のリン・ミンメイの三角関係を描いた恋愛ドラマと、可変戦闘機バルキリーやマクロスが繰り広げるSFメカアクションが融合し、高密度でハイクオリティな作画なども含めてアニメ史に名を刻んだ一作。公開40周年を記念して2025年に4Kリマスター版が劇場公開。

1984年製作/115分/日本
配給:ビックウエスト
劇場公開日:2025年1月25日

その他の公開日:1984年7月21日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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映画レビュー

3.5「性差」「文化」「嫉妬」で魅せる稀有なアニメ

2025年2月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

幸せ

バリバリのマクロスTV版リアル視聴世代です。あの頃は放映される日曜日が楽しみだったなあ。バルキリーのプラモも買ってた。あと指で「バルキリー」「ガォーク」「バトロイト」と変形させて遊んでたなあ。(小学生らしい!)
この映画はレンタルビデオかなにかで観たような気がするのだが、ひょっとするとYouTubeで断片的なカットを見ただけなのかもしれない。とにかく綺麗に忘れていたので、今回、映画館で観れることもあって入場。

(以下感想)
TV版のダイジェストではなく、TV版をベースにしたオリジナル脚本だったとは。知らなかった。。。ミンメイが出会ったときから既に歌手だったり、輝とマックス、柿崎との関係も記憶と異なっている。敵もちょっと違うような。なにより映画で完結している。
しかしテンポがめちゃくちゃいいな!極限まで端折ってるのに、ちゃんと物語が破綻せず成立しているのが凄い。(私がTV版を知っている人間だから成立しているのかもしれないけれど。)

この作品の稀有な特徴として、以下の3つのキーワードを挙げたい。

■「性差」
男と女の「性差」をこれほどまでに意識した作品って他に類をみない。
異なる男と女という2つの生き物が、対立するのか、それとも愛し合うのか。
それから、男は男らしく、女は女らしく。。。「性差」というか「境界」をものすごく意識している。
しかし、このテーマは40年前だから成立したのかもしれない。ジェンダーレス、LGBTQ+といった概念が浸透し、男性の中性化や衣服のユニセックス化が当たり前となった現代において、この『性差』を軸とした物語は、観客に響きにくくなっているのではないだろうか。ぜひ若者の意見を聞いてみたい。

■「文化」
身を装う、化粧をする、テーブルセッティング、デート、そして歌。この作品の特筆すべき特徴「文化・カルチャー」。まさかこれで相手を怯ませることができるとは!凄い発想だ。まさにカルチャーショック!
廃墟で微笑みながら食器を並べる未沙の姿が印象的。人間は食べて寝るだけでは生きていけない。文化的な生き物なのだ。

■「嫉妬」
昼ドラ並みに三角関係を描く。しかも結構ガッツリ。こんなアニメって他にあったけ?
下記のシーンなんてもう地獄、、。(笑

輝:「ちょっと待って。ちがうんだよ。それはきみの誤解…。」
ミンメイ:「ちがうだなんて!誤解だなんて!あんまりだわ。あんまりよ!ああっ!!」
輝: 「ミンメイ!!」
未沙:「はやく追いかければいいじゃない。せっかくまた会えたのよ。遠慮することないわよ。同情なんて、されたほうがみじめ…。」
輝:「そんなんじゃない!」

いやあ、ほんと唯一無二のアニメだ!この独自性に賛辞を贈りたい。

※「性差」にも関係してくるが、登場人物たちのセリフ(特に男)に時代錯誤感を感じた。

◇輝 の台詞
「女の指図はうけるか!」
「ちぇっ、あれでも女かよ。」
「女だからってあまくみるなよ。下手すりゃゼントラーディより手ごわいぞ。」

◇フォッカー の台詞
「なんだあ、おまえそれでも男か!?」
「ったく、職務を離れたらすこしは女らしくしろ。」
「いいか早瀬、いくら士官学校首席といっても、おまえは女だ。ときには男の言うことがまちがっていても、そうですかって認めるのも大事なんだ。」
「男ってのはなあ、ときには強引さが必要なんだ。女の気持ちを考えてグタグタするな。ほんとうに好きならば、力づくでもものにしちまうぐらいの積極性が大事なんだ。」
「男はそのぐらい積極的じゃなくっちゃ、女はものにはできんっ!」

今ならなんちゃら団体からクレームがわんさかきそうだな(笑

※下記のやりとりは噴き出した。

ブリタイ: ふん、冗談だ。
エキセドル: ジョーダン?
ブリタイ: 知らぬか?
エキセドル: はい。
ブリタイ:ミンメイが教えてくれた、「本気ではない」という意味らしい。
エキセドル: デ カルチャー…。

ゼントラーディの2人は終始お笑いにしかみえんかったぞ!

※切り取り動画でなく、やっと流れの中で「ミンメイアタック」をみることができた!感激。
※未沙とシタ後のシーンあったね。(シャツのジッパー上げながらきた)シタからこそ未沙になった?ミンメイとシテいたなら、、、。
※ここでも庵野さん!?
※コンサートの演出や未来の看板、掃除ロボットなど。40年後の現代に、実現しているものもあれば、実現していないものも。面白い。
※ガウォークの下で雨宿りするシーン。ガウォークかっこいい!
※TV版を観ていた時はミンメイの輝を振り回す小悪魔的な感じが苦手だった。(小学生だったが)でも今回はミンメイのその天真爛漫な可愛らしさにやられた。
※画質はどうしても見劣りするなあ。でもすぐにそんなことどうでもよくなったけど。
※観客は50〜60歳ぐらいのオッさんと、たまにオバさんばっか。(私もその内の1人だが)終わりと同時に拍手がわきおこったの初めて体験した。

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momokichi

4.0型を破った作風が、今では型の一つに

2019年10月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ハードSFとアイドルとの三角関係ラブストーリーがこんな形で融合を果たしたのは、本当にユニークな発展したなと思う。そんな無茶な、と思う瞬間は正直あるのだけど、しかし、クライマックスのミンメイの歌をバックに壮大な戦闘を繰り広げるシーンは何度見ても興奮する。歌とは文化だが、文化は人類の叡智であるというのは最もな話。争いを乗り越えるのは文化の力だ、というその主張はとても説得力がある。アイドルソングでいいのか、という点はさておき。
音楽をフィーチャーしたアニメは今では珍しくないが、当時から振付もなかなか本格的だったんだなと再確認した。プロの振付師、牛丸謙の名前がエンドクレジットにもある。飯島真理の歌唱力は当然高いし、今も日本のアニメは同じようなことを続けており、さらに洗練させているのを見ると感慨深いものがある。これぐらい型破りなアイデアの作品がもっと登場してほしいなと思う。

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杉本穂高

5.0早瀬少佐!

2025年3月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

幸せ

久しぶりにフルで観た!
ちょっと時代にそぐわない所はあるけどあの時代を作った作品です。
作画もバリバリ良い!(今若い人には判らないかも)
それが4Kで蘇っただけ素晴らしい!(私が観たのは映画館の都合で2Kだったけど)
タイトルの「早瀬少佐!」は久しぶりに観て早瀬少佐推しだった事を思い出した!
ラストの「愛・おぼえていますか」のイントロを聴くと体がしびれた!
また観たいな。

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JJ.KABURAGI

4.041年ぶりに観た

2025年2月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

テレビシリーズをリアルタイムで見て、劇場公開映画も当時のロードショーで観て、飯島真理さんのコンサートにも行って、もう41年経ったのですか。

劇場で再度観ると、映画のストーリーを忘れていたことに気付きました。一条輝とミンメイの出会いはこんな感じだったのか。ロイ・フォッカーの最後は無念でした。

改めて観ると、ストーリー展開に時代を感じます。男女の社会的役割を前提にしたセリフは今見ると大時代的、ただし映画版マクロスのプロットに関連するところですね。
ミンメイや早瀬美沙の性格描写は、当時の男が書いたシナリオの匂いがして違和感がありました。今ならもっと内面を掘り下げるのでは。

キャラクターの絵は肉筆のタッチが強く出て、独特な感じがします。
劇場映画のためにキャラクターデザインを新規に起こした、美樹本晴彦さんはスクリーンを下から見上げることを前提に、頭デッカチな等身にしたそう。

「愛・おぼえていますか」からエンディングの「天使の絵の具」まで、圧巻の展開。
「天使の絵の具」は飯島真理さんのオリジナルでは心の痛みを表すような沈んだ曲でしたが、映画用のテイクでポップな曲調に生まれ変わっています。昔の公開では動画が付いていなかったことを思い出しました。

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ケイ

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