仁義なき戦い 頂上作戦

劇場公開日:

解説

“仁義なき戦い”シリーズ第四作目。昭和38年春から39年へかけて、敵対する二つの広域暴力団の代理戦争とも言うべき広島抗争を、リアリズム・タッチで描く。原作は飯干晃一の「仁義なき戦い」、脚本は「仁義なき戦い 代理戦争」の笠原和夫、監督も同作の深作欣二、撮影も同作の吉田貞次がそれぞれ担当。

1974年製作/101分/日本
配給:東映
劇場公開日:1974年1月15日

ストーリー

昭和38年春/西日本広域暴力団明石組と、ライバル神和会との代理戦争とも言うべき広島抗争は、激化する一方だった。明石組系の打本組(広島)と広能組(呉)、神和会系の山守組(広島)の双方は、はっきりと対立の様相を呈していた。同年5月相次ぐ暴力事件への市民の批判と相まって、警察は暴力団撲滅運動に乗り出し“頂上作戦”を敷いた。その頃、呉市では広能組が、山守組傘下の槙原組と対立していた。広能と打本は、広島の義西会・岡島友次に応援を依頼し、ひたすら中立を守る岡島を、明石組の岩井も説得する。やがて、広能組の若衆河西が、槙原組の的場に射殺されたことから、広能と山守の対立は正に一触即発となった。一方、広島では、打本組々員三上が、誤って打本の堅気の客を殺害したことから、一般市民、マスコミの反撥が燃えあがり、警察も暴力取締り強化に本腰を入れはじめた。その頃、山守組系の早川組若衆仲本が、女をめぐって打本組の福田を襲撃、惨殺した。同年6月19日/山守組傘下の江田組々員が、打本組の若衆に凄絶なリンチを加え、一人を死に至らしめた。だが、打本は、その弱腰から報復に打って出なかった。広能は、岩井の発案で、殺された組員河西の葬式を行なうという名目で、全国各地から応援千六百人を集め、一気に山守組に攻め込もうとした。同年7月4日/打本が、山守系の武田組に位致され、山守に脅迫されたために、広能の計画を吐いてしまった。山守は早速、警察に密告する。同年7月5日/広能は別件容疑で逮捕され、明石組とその応援組員は呉から退去。ここに形勢は逆転し山守、福原が呉を支配するようになった。以後も、広熊組と槙原組との間に、血の応酬が相次いだ。同年8月下旬/岡島友次は、愚連隊川田組々長を金で買収し、山守勢と対決すべく決心をした。同年9月8日/岡島の動向をキャッチした山守は、組員吉井に、岡島を射殺させた。同年9月12日/打本組の谷口等が山守組のアジトに、義西会の藤田等が江田組事務所に、それぞれ爆弾を投げ込んだ。同年9月21日/命を狙われ憔悴した山守は、早川組のバーに身を隠していたが、そこにも打本組々員が殴り込み、山守はからくも逃亡した。いきり立つ打本組若衆たちは、山守・江田両組の組員たちと凄絶な市街戦を行ない、市民を恐怖のどん底に陥入れた。暴力団追放の世論が沸騰し、警察と検察当局は、ついに幹部組長一斉検挙に踏み切った。やがて、山守は逮捕された。一方、岩井は、広島に乗り込んで義西会を中心に陣営の再建に着手し始めるが、武田は、暴力団を糾合して、岩井の挑戦を真向から受けて立った。同年9月24日/明石組事務所を、武田組組員が爆破。明石組は、これを神和会の仕業と誤解して即座に報復したために、武田組と岩井組の間で、激烈な銃撃戦の火ブタが切って落された。かくして、広島抗争事件は、西日本をゆるがす大流血事件と発展してしまった……。死者17名、負傷者20余人を出した実りなき抗争。広能は、ひとり獄舎で深い虚しさを噛みしめていた……。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

監督
脚本
笠原和夫
原作
飯干晃一
企画
日下部五朗
撮影
吉田貞次
美術
井川徳道
音楽
津島利章
録音
溝口正義
照明
中山治雄
編集
宮本信太郎
助監督
土橋亨
スチール
中山健司
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(C)東映

映画レビュー

4.0「蛇の頭」を切られた、若手組員という蛇の尻尾。

2024年2月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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共感した! 1件)
すっかん

5.0ラストの真冬の刑務所の廊下で凍えながら自分たちの時代が終わったと別れるシーンは印象的

2024年10月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

興奮

新文芸坐さんにて『十一人の賊軍』公開記念として『仁義なき戦い』全5部一挙上映。
夜9時から翌6時半までの一挙オールナイト上映もありましたが、知命を迎えて徹夜する体力もなく朝10時から夜8時まで劇場に籠城いたしました。

『仁義なき戦い 頂上作戦』(1974)
第4部、実質的な最終作。
小池朝雄氏、松方弘樹氏が別役で再登場。松方氏は3度目。
第2部で強烈なインパクトを残した大友勝利が出所、千葉真一氏に替わって宍戸錠氏が演じてますが、宍戸氏も千葉氏に負けず劣らずの熱演。
神戸から九州まで巻き込んだ組織群像劇と警察組織のヤクザ組織の解体(頂上作戦)のストーリーが壮大でダイナミックでしたね。
ラストの真冬の刑務所の廊下で菅原文太氏と小林旭氏が凍えながら自分たちの時代が終わったと別れるシーンは切なくて印象的でしたね。

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矢萩久登

3.5うーん…

2022年3月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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共感した! 4件)
KEI

5.0昭和

2021年9月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

主要人物殆んど死んじゃったよな

当時の東映の俳優男臭くて、今こんな顔の俳優いないもんな

文太や旭、辰兄い、松方みんな格好いいんだけど、悪役の金子信雄や打本役の加藤武が上手い

一瞬出てくる夏八木勲も最高

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うんこたれぞう