仁義なき戦い 代理戦争

劇場公開日:

解説

“仁義なき戦い”シリーズ第三作。やくざ組織の抗争事件の裏に渦巻く、欲望、背信、復讐の凄惨かつ陰惨な組織の実態を描く。脚本は「仁義なき戦い 広島死闘篇」の笠原和夫、監督も同作の深作欣二、撮影も同作の吉田貞二がそれぞれ担当。

1973年製作/102分/日本
配給:東映

ストーリー

昭和三十五年四月、広島市最大の暴力団村岡組の第一の実力者杉原が、博奕のもつれから九州のやくざに殺された。杉原の兄弟分打本組々長打本はこの時、きっちりと落し前をつけなかったために、村岡組の跡目をめぐって熾烈な抗争が起こることになった。山守も村岡組の跡目に野心をもつ一人で、広島に顔の利く広能を強引に山守組傘下に復縁させた。一方、打本も、村岡組の幹部江田と共に広能と兄弟盃を交わし、更に日本最大の暴力団、神戸の明石組へ広能を介して盃を申し入れた。そして、打本は明石組々長明石辰男の舎弟相原と兄弟盃を交わした。しかし、明石組の勢力をバックに村岡組の跡目を狙う打本の思惑は村岡の気分を害することになり、跡目は山守に譲られた。かくして、山守組は広島最大の組織にのし上った。その頃、山守系の槙原の舎弟分浜崎と打本の舎弟分小森が岩国でもめていた。山守は傘下の者を督励して岩国へ兵隊を送った。打本と兄弟分の広能や江田はそれには参加しなかったが、筋目を通すために松永、武田と共に打本に盃を返した。孤立無援になった打本は指を詰め、明石組へと逃れた。明石組は早速、最高幹部の宮地や相原を広島に送った。やむなく広能たちは打本に詫びを入れ、浜崎と小森は打本の仲裁で手打ち、という事になった。これは事実上山守組の敗北である。やがて、打本は兼ねての念願が叶って明石辰男から盃を受け、その傘下に加った。結果、明石組は遂に広島にくさびを打ち込んだことになった。山守は対抗上、明石組に対抗できる唯一の暴力団、同じ神戸の神和会と縁組みすることにして、その斡旋を広能に依頼するが、広能は冷たく拒否した。数日後、広能は槙原の若い者に命を狙われた。広能ははっきり山守の存在がこの世界のためにならぬと思い、罠にはめるべく、神和会との渡りをつけた。神和会は山守組と兄弟盃を交わした。これによって広島に於いて二大勢力の対決という事になったが、明石組は広能らに打本との盃を復活するようにと強硬に申し入れてきた。広能は打本との盃を復活した。それを知った神和会は山守の責任を厳しく追求してきた。広能の思惑は見事に当ったが、しかし老獪な山守は、全ての責任を広能におしつけ、破門することで逃れた。明石組は、広能の窮地を救うため、打本に命じて武田、松永らを絶縁させた。しかし武田は、元打本組の早川を抱き込み、打本を襲撃した。昭和三十八年五月、遂に広島抗争事件の幕が切って落された。

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映画レビュー

3.5戦いの火蓋…

2022年3月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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KEI

4.0広島のいちばん長い日

2021年9月5日
iPhoneアプリから投稿

やっぱ、深作欣二監督は最高です。白昼路上での組長暗殺シーンから始まるあたりからして、いきなり仁義なきワールドに突入。この事件をきっかけに始まった広島やくざの権力闘争が、やがて二大勢力の代理戦争に発展していく過程がとても面白く、大勢の登場人物と目まぐるしく変化する複雑な力関係が、ドンパチ交えながらヤクザ同士の交渉や駆け引き中心に描かれており、改めて脚本の笠原和夫、監督の深作欣二の剛腕振りに感服しました。ある意味『日本のいちばん長い日』のような会議映画ですね。組員の葬儀後に反撃が始まるかと思ったら、続きは頂上作戦と二部構成なんで、もう一回見なきゃね。役者では、集団劇が得意の深作監督らしく、それぞれに見せ場を作っているけど、変わり身の早いキーパーソンの加藤武、卑怯で小心者役の川谷拓三が断トツに光っていました。

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シネマディクト

4.0【”軽い盃・・” 裏切り、騙し合いにより保身に走る暴力団組長達・・。犠牲になるのは、常に末端の若者である。】

2021年8月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

ー 第一作から登場している山守組組長(金子信雄:どーしても、クッキング料理のオジサンに見えてしまう・・。(金子信雄さんは、料理番組にも出演していたそうであるし、料理本『口八丁手庖丁』も記されている。)そーか、手下を”クッキング”していたんだね!ー

◆感想
 ・今作の舞台は、昭和35年の広島。
 高度成長時代に合わせるように、山守組も広域暴力団となるべく、神戸の強大な暴力団、明石組と盃を交わそうとするが、村岡組を背負う打本組長(加藤武:腰の引けた組長を絶妙に演じる。)は、先んじて、明石組長(丹波哲郎:但し、丹波さんは劇中では盃を交わす写真でしか出て来ない。何故なら、明石組のモデルは、日本最大の広域暴力団、山口組だからである。制作陣、良く頑張ったなあと思う。)と盃を交わそうと、策謀を図らせるが・・。
 ー 第一作から常連の山守組組長とその妻の、”泣き落とし、恫喝、手練手管の数々・・”。実業家の仮面を被った、暴力団の組長の”生き残る術、強かさ・・。”ー

 ・広島県を越えた、広域での殺し合い。だが、鉄砲玉になるモノや、ヤラレルモノは殆ど、末端の者である。

 ・広能(菅原文太)は、混沌とした勢力争いの中、任侠の矜持を保とうとするが・・。

<前作までのモノクロームから、カラーに代わり、多くの登場人物の関係性も一見では、飲み込みにくい作品である。第1、2作で、殺された筈の役者さんが、別の役で復活していたりするのも、その一因であろう。
 だが、今作で若き命を、謀略の中散らした倉本を演じた渡瀬恒彦の姿。彼の遺骨が無残に”車輪の下”になったシーンは、第一作からのメッセージを継承している作品である。>

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NOBU

5.0永久保存版

2020年12月24日
iPhoneアプリから投稿

何をコメントしても陳腐になる。俳優陣の熱が凄くて圧倒される。

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@Jankichi@
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