原田芳雄
高校を卒業してサラリーマンになるが3カ月で退社。63年に劇団俳優座養成所に入り、その後団員になる。67年、舞台「どれい狩り」とTVドラマ「天下の青年」で俳優デビュー。翌年の「復讐の歌が聞こえる」で映画に初出演した。「反逆のメロディー」(70)のヤクザ役で鮮烈な印象を残す。71年に俳優座を退団。「竜馬暗殺」(74)でその人気は確かなものになり、「どついたるねん」(89)、「ツィゴイネルワイゼン」(80)などに代表される野性味あふれる力強い演技で日本映画界に欠かせない存在となる。出演作は100本以上に及び、若松孝二(「われに撃つ用意あり」「寝盗られ宗介」)、黒木和雄(「竜馬暗殺」「浪人街」、「TOMOTTOW 明日」など戦争レクイエム3部作)、阪本順治(「KT」「亡国のイージス」)、是枝裕和(「花よりもなほ」「歩いても歩いても」)ら多くの名監督の作品を支えた。2000年代はTVドラマへの出演も増えた。ブルース歌手としても活動。03年、紫綬褒章を受章した。11年7月19日上行結腸がんによる肺炎のため逝去。その3日前に封切られた主演映画「大鹿村騒動記」(11)が遺作となった。