陽炎座
劇場公開日:2012年1月14日
解説
「ツィゴイネルワイゼン」(1980)の成功を受けて移動式映画館シネマ・プラセットの第2弾作品として製作された“浪漫3部作”の2作目。泉鏡花の同名小説を原作に、偶然知り合った美しい女に翻弄される劇作家の姿を華麗な色彩美の映像で描く。年号が大正から昭和に変わった東京。劇作家・松崎春狐は、奇妙な偶然が重なり謎の美女・品子と3度も出会う。やがて品子から「4度目の逢瀬は恋死なねばならない」と心中を誘う文を受け取った松崎は、品子がいる金沢へ向かうが……。「ツィゴイネルワイゼン」に続き田中陽造が脚本を担当。主演は松田優作。2012年、“浪漫3部作”の「ツィゴイネルワイゼン」「夢二」(91)とあわせてニュープリントでリバイバル上映。
1981年製作/139分/日本
配給:リトルモア、マジックアワー
日本初公開:1981年8月21日
スタッフ・キャスト
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2023年5月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
泉鏡花の同名小説を原作に鈴木清順監督、松田優作主演の映画。
シュールな世界で、現実と虚構が入り交じり、着物の女優たち、襖絵など様々な美術や踊りが不思議で独特の世界観を作り出している。実験的な映画とも言えそう。
松田優作の飄々としたした風貌で一人常識的な人間を演じている。不気味で意味不明な人たちの男と女の関係に引きずり込まれる松田優作。
あまりのめり込めなかった。
広島市映像文化ライブラリーには結構の観客がいたが、多くは男性であった。
現実と夢が少しずつ混ざり合い、最後は夢に飲み込まれるような作品でした。
小説にいい感じで設定改変とエピソード追加がされてるけど、お稲さんをドイツ人にしたのは謎。他の小説ネタも入れられてそうだけど、泉鏡花に詳しく無いから分からないのが残念。
品子さん表情もお着物も素敵でうっとり。
退廃的で妖艶な映像も大変好みでした。
鈴木清順映画は夜中によくテレビでやっていた。不気味な演出はトラウマ的に頭に残っている。前衛的な前時代表現により大正イメージは歪められたかもしれないとも今になって思う。話自体は総じて感じ入るところはなかった。
特筆すべきは松田優作のひょろっとした風体。時代のついた風景によくはまる。まさか楠田枝里子が女優をしていたとは、改めての発見。
2020年3月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
大楠道代 35歳
加賀まりこ 38歳
楠田枝里子 29歳
彼女達がオバサンと見えるなら、まだ本作を受け入れる準備が出来ていないと思う
自分もかってそうであったから全く本作の価値がわからなかった
彼女達がなんと美しいのか、エロシズムに溢れているのかと驚嘆して食い入るようにその美しさを貪ることが出来るような歳になって、やっと見えてきたように思う
前景で行われる演技の背景には血みどろの凄惨な場面を詳細に描いた障壁画が大きく見せられる
女性の情痴の果ての愛憎の怖さ
それが、これでもかと展開中されているのだ
本作は松崎が覗く人形の裏、からくり眼鏡のようなものだ
彼女達への欲情の果ては恐ろしい結末が待っている
夢であった方がいいのだ