陽炎座

劇場公開日:

陽炎座

解説

「ツィゴイネルワイゼン」(1980)の成功を受けて移動式映画館シネマ・プラセットの第2弾作品として製作された「浪漫3部作」の2作目。泉鏡花の同名小説を原作に、偶然知り合った美しい女に翻弄される劇作家の姿を華麗な色彩美の映像で描く。

年号が大正から昭和に変わった東京。劇作家・松崎春狐は、奇妙な偶然が重なり謎の美女・品子と3度も出会う。やがて品子から「4度目の逢瀬は恋になります。死なねばなりません」と心中を誘う文を受け取った松崎は、品子がいる金沢へ向かうが……。

「ツィゴイネルワイゼン」に続き田中陽造が脚本を担当。主演は松田優作。2012年、“浪漫3部作”の「ツィゴイネルワイゼン」「夢二」(91)とあわせてニュープリントでリバイバル上映。2023年には鈴木清順監督生誕100年を記念した特集上映「SEIJUN RETURNS in 4K」にて、4Kデジタル完全修復版で公開。

1981年製作/139分/日本
配給:リトルモア、マジックアワー
劇場公開日:2023年11月11日

その他の公開日:1981年8月21日(日本初公開)、2012年1月14日

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第5回 日本アカデミー賞(1982年)

受賞

助演男優賞 中村嘉葎雄

ノミネート

脚本賞 田中陽造
助演女優賞 加賀まりこ
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映画レビュー

4.0【”男の魂は要らぬ。”今作は、妖艶燦燦、幽玄耽美なる鈴木清順の唯一無二の世界を堪能する”表の世界と裏の世界”を描いた色彩鮮やかな二人の女の情念と、それに巻き込まれた哀れなる男達を描いた幽霊譚である。】

2024年11月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

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難しい

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NOBU

2.0松田優作の会話劇。″新境地″ ?…そこまでではない。

2024年10月13日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

難しい

寝られる

1981年公開、日本ヘラルド配給。

1913(大正2年)に発表された泉鏡花の小説を原作とした、幻想的な映画。

監督:鈴木清順
脚本:田中陽造

主な配役
【松崎】:松田優作
【玉脇男爵】:中村嘉葎雄
【玉脇品子】:大楠道代
【玉脇いね(イレーネ)】:楠田枝里子

脚本の田中陽造は、日活ロマンポルノの全盛期を支えた脚本家として有名だが、
『セーラー服と機関銃』、
『上海バンスキング』、
『めぞん一刻』
などの成人映画以外の作品も手掛けている。

◆松田優作と中村嘉葎雄、
◆松田優作と大楠道代、
◆松田優作と楠田枝里子、
上記の組み合わせによる「会話劇」である。

その会話がもどかしい(笑)。

セリフ回しが、まるで武者小路実篤の『愛と死』を読んでいるような錯覚に陥る(笑)。

いまの日本人と少し違う。
『愛と死』を初めて読んだ時、
古さではなく、むしろ、なにか神聖な感じを受けたものだ。

この作品のセリフは、大正時代?を強く意識している。
イントネーションやアクセントではなく、
言葉遣いが違う。
観る側は、この違和感に慣れるか、あきらめるしかない。

製作陣の、
「大正期の空気を醸し出したい」、
という強い意思を汲み取ることができる。

1.松田優作はミスキャストではないか?
Wikipediaでは、
「アクション俳優として勇名を轟かせていた松田優作に、
監督が直径1mの円を描き
『この中から出ないような演技をしてください』と指導し、
彼の新境地を開かせた作品」
と紹介されている。

10年おきくらいに、何度も本作を観る機会があった。
しかし私は、一度たりとも
松田優作の ″新境地″ を感じられないのだ。

松田優作は、本作のために役柄を作りこんだりはしていないと思う。

もちろん、アクション映画ではないから
多少のアジャストはしているだろうが、
『家族ゲーム』とは違う次元だ。

本作での松田優作は、
誰もが知る松田優作であり、
『野獣死すべし』や『蘇える金狼』となにも変わらない。

2.美しい映像と音楽
「武満徹 ″風″ 」なのか、
単に「雅楽」なのか、
浅学な私にはわからないが、
雅楽器を用いた音楽が、作品全体に謎めいた雰囲気を醸し出す。

3.『ほおずき売りの婆さんを怖がるように』
とにかく、全編を通じて
わけの分からないセリフ、シーンが多い。
この世界観を受容できるのか、できないのか。

まとめ

◆大正期のムードを満喫したい方
◆夢野久作や小栗虫太郎、中井英夫が好きな方
◆鈴木清順を無条件に崇拝する方

大正浪漫のかほりを感じてゐるのです(笑)。
そのような皆さま向けの、ニッチマーケット向けマニアックな作品。

つまり、わたしの☆は、2.0

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Haihai

3.5生者と死者が交わる境界にある迷宮劇場

2024年5月27日
iPhoneアプリから投稿

『ツィゴイネルワイゼン』よりも分かりやすく、より死者との関わりが深くなった内容です。劇作家の男が三度偶然に逢った女性との現実とも幻想ともつかない迷宮のような恋愛に取り込まれていくお話しです。主人公のファム・ファタルが彼のパトロンの妻なのか、彼が出会った別の女性はパトロンの前妻の亡霊なのか、ミステリアスでいて怪奇的な展開が妙に心惹かれます。一方、途中から登場する原田芳雄のキャラの必然性がイマイチ理解できず、彼が関わる人形のエピソードと本筋のつながりが分かりにくいです。その分、田舎芝居の舞台を借りた、あの世劇場・陽炎座のシーンは生前の罪を裁かれているようでインパクトあります。ここでも鈴木清順の好みなのか、ケレン味たっぷりの劇中劇がでてきます。役者では、松田優作がこの異常とも言えるキャラに人間味を与えています。大楠道代のファム・ファタルも魅力的でした。

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シネマディクト

4.0主演の二人より

2024年2月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

主演を越える
助演の加賀まりこ
ですね。

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こえん