根津甚八
1969年、大学を中退して唐十郎主宰の「状況劇団」に入団し、翌70年に「ジョン・シルバー 愛の乞食篇」で初舞台を踏み、74年には「唐版・風の又三郎」で座長を務める。NHK大河ドラマ「黄金の日日」(78)で演じた石川五右衛門役で広く人気を集める。79年に状況劇団を退団してからは、TVドラマ・映画で活躍。映画「その後の仁義なき戦い」(79)などで主演を務めたほか、黒澤明監督の「影武者」(80)や「乱」(85)にも出演。「さらば愛しき大地」「この子の七つのお祝いに」(82)で日本アカデミー賞優秀主演男優賞を、「この愛の物語」「吉原炎上」「竜馬を斬った男」(87)で同優秀助演男優賞を受賞した。01年に右目下直筋肥大という病気を患い、物が二重に見える「複視」や自分の意志で目を動かせなくなるなどの症状に見舞われながら活動を続けていたが、04年の映画「るにん」を最後に活動を休止。10年に妻・根津仁香が執筆した書籍「根津甚八」のなかで事実上の俳優業引退を表明した。15年、石井隆監督が「GONIN」の20年ぶりの続編として手がける「GONIN サーガ」で、1作限りの銀幕復帰を果たす。