この子の七つのお祝いに

劇場公開日:

解説

戦後の混乱によって人生の歯車を狂わされた女の悲惨な一生とその復讐を描く。第一回横溝正史賞を受賞した斉藤澪の同名小説の映画化で、脚本は松木ひろしと増村保造、監督は「エデンの園」の増村保造、撮影は「あゝ野麦峠・新緑篇」の小林節雄が各々担当。

1982年製作/111分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1982年10月9日

ストーリー

次期総理の座を狙う大蔵大臣磯部の私設秘書・秦一毅の元お手伝い・池畑良子が殺された。ルポライター、母田耕一は政界の謎をあばこうと秦の身辺をさぐっていた矢先の事件で秦の内妻、青蛾が奇妙な手型占いをするという噂をきく。しかもその的中率を頼んで大物政治家、財界人等が己れの手型を持って続々と詰めかけており、秦自身もこの占いのお陰で現在の地位を築いたというのだ。母田は青蛾の影を追い始める。そんなある日、後輩の事件記者須藤に、ゆき子という変り者の美人ママがいるというバーに連れて行かれる。母田は彼女に強くひかれ、彼のマンションで密会するようになった。だが母田は何者かによって殺害され、須藤は危険を承知で母田の仕事を引き継ぎ、彼の残した足跡を探る。昔、ある麻布のバーに占いのよく当たる娘がいたという事、ママの名前は麗子。そして秦の内妻、つまり青蛾の正体が麗子である事をつきとめる。やがて彼は謎の占いの娘の写真を見せられるが、それは青蛾ではなく倉田ゆき子だった。追いうちをかけるように、須藤のもとに青蛾惨殺の報が届いた。さらに、ホテル王高橋佳哉にゆき子から呼び出しがかかった。高橋に同行した須藤の前にゆき子が姿を現わした。ゆき子の告白によれば高橋は母の仇だという。敗戦の混乱の中、妻と生き別れて満州から引き揚げてきた高橋は真弓と結ばれ、赤ん坊が生まれた。だがその赤ん坊はすぐに病死し真弓はショックのあまり精神に異常をきたした。高橋はふとした偶然で生き別れていた妻と再会し、真弓の前から姿を消して別に家庭を持った。二人の間に生まれた赤ん坊は、復讐鬼となった真弓に盗まれ、三十数年が経過した。その間、真弓に育てられたのが盗まれた赤ん坊のゆき子で、高橋に復讐する事だけを徹底的に教え込まれ、占いという特殊能力を生かし、青蛾を使って高橋が目の前に現われる日を待っていたのだが、途中、おじ気づいた青蛾を殺害した。高橋に、真弓の本当の娘でない事を教えられたゆき子はあまりの残酷さに発狂寸前だった。

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映画レビュー

1.0横溝正史らしくドロドロはしているのですが・・・

2022年12月20日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

政治家の妻に係る殺人事件を調べる新聞記者が辿り着く驚愕な事実。

1980年代のサスペンスをWOWOWが放送。名前だけは知っていたので試しに鑑賞。

観た結果、完全に失敗でした。
まさに「岩下志麻の、岩下志麻による、岩下志麻のための映画」という感じです。
原作が横溝正史賞を受賞したという触れ込みから、そのサスペンス性に期待を持っていたのですが、まったくダメ。「偶然」と言う言葉を使っても使い足りな無理やり感が鼻を付き、物語に納得感がありません。
例えば、倉田ゆき子と面田が知り合ったのが青蛾を取材の過程だった・・・とか、高橋が政治家を志していて倉田がそれを知っていた・・・等の明示があれば、その後の展開もギリギリ観れるものになったのでしょうけど・・・

岩下志麻の妖艶さは流石の一言。ただ、私好みの女優さんではないので、プラス評価は難しいところ。

結果、私的評価は極めて厳しくなります。

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よし

2.5そもそもおかしい。

2022年12月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ネタバレ! クリックして本文を読む
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Yohi

2.0お話としては面白いが、

2021年11月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

映画としてはいまいち魅力を感じない。

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くそさいと

4.0子供のいる前で観てはなりません 視聴制限の表記はありませんが、R+18相当とお考えになってください

2021年9月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

1982年公開
超ベテラン増村保造監督が撮った最後の映画です
テレビドラマを83年と84年に各1本撮られて、1986年にお亡くなりになりました
まだまだお若い62歳でした

増村監督は、氷壁、巨人と玩具、妻は告白する、兵隊やくざ、清作の妻、陸軍中野学校、痴人の愛、といったそうそうたる名作を撮られた巨匠です
ですから本作には、増村監督の実力の凄さが満ちています

しかし本作には残念ながら、違和感やご都合的なものが多く感じるのも確かです
原作は読んでいませんので、首を傾げてしまう部分が原作に由来するものか、脚本なのか、監督の演出に起因しているものなのか
そこはわかりません

とうりゃんせの子守歌がタイトルに使われる意味、なぜ市松人形が5体飾られているのかの意味も、結局劇中では教えてもらえません
ことの真相を象徴する唄であるからかとか、人形は七つの正月の惨劇を強烈に刷り込む為の仕掛けてあったのかもとか、観客が勝手に類推するしかないのです

赤ん坊が丸々と太った健康優良児すぎるのは、どうかと首を傾げてしまいます
これは肝だと思うのですが、なぜ監督はこれでオーケーをだされたのかわかりません

それでも鑑賞しての満足感は大いにあります
松本清張と横溝正史の世界が合体したかのような雰囲気は大いに見応えがあるものです

そしてなにより、岸田今日子の登場する薄暗いアパートでの陰惨なシーンはトラウマ級のものです
子供のいる前で観てはなりません
視聴制限の表記はありませんが、R+18相当とお考えになってください
大人だけでご鑑賞されることを強くお薦めします
大人の目でも強烈です

増村監督、とんでもない映像を残されたものです

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