イングマール・ベルイマン
スウェーデンを代表する映画監督。牧師の父のもとに生まれ、ストックホルム大学で演劇を学ぶ。「もだえ」(44)の脚本を手がけた後、「危機」(46)で監督デビュー。「不良少女モニカ」(52)などでヌーベルバーグの作家たちから注目を浴び、「夏の夜は三たび微笑む」(55)でカンヌ国際映画祭の詩的ユーモア賞を受賞。「第七の封印」(57)で同審査員特別賞、「野いちご」(57)でベルリン国際映画祭金熊賞、「魔術師」(58)でベネチア国際映画祭審査員特別賞、「処女の泉」(60)でアカデミー外国語映画賞と、瞬く間に国際的な評価を高めた。「鏡の中にある如く」(61)、「冬の光」「沈黙」(ともに63)は〈神の沈黙〉3部作と呼ばれる。「叫びとささやき」(72)、「ある結婚の風景」(74)、「鏡の中の女」(75)などの作品群ではパートナーのリブ・ウルマンが主演を務めた。大作「ファニーとアレクサンデル」(82)を最後に監督業から退き、スウェーデン王立劇場の舞台や映画「愛の風景」(92)などの脚本を手がける。2003年、20年ぶりの監督作「サラバンド」を発表。50本以上の作品を遺し、 07年、スウェーデンの自宅で89歳で死去した。