叫びとささやき
劇場公開日:2018年7月24日
解説
スウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマンが、19世紀末のスウェーデンの大邸宅を舞台に、4人の女性の愛と孤独、生と性を強烈な色彩で描いた人間ドラマ。広々とした屋敷で暮らす上流階級の女性アグネスと召使のアンナ。アグネスの両親は既に他界しており、姉カーリンと妹マリアも結婚して家を出ていた。ある日、病気で死の床にあるアグネスを見舞うため、カーリンとマリアが屋敷にやって来る。「野いちご」のイングリッド・チューリン、「不良少女モニカ」のハリエット・アンデルセン、「仮面 ペルソナ」のリブ・ウルマンが3姉妹役を演じた。第40回アカデミー賞で撮影賞を受賞。日本では1974年に初公開。2018年「ベルイマン生誕100年映画祭」(18年7月~、YEBISU GARDEN CINEMAほか)でリバイバル上映。
1972年製作/91分/スウェーデン
原題:Viskningar och rop
配給:ザジフィルムズ、マジックアワー
日本初公開:1974年1月19日
スタッフ・キャスト
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今のところ、ではあるが。
強烈な色彩、赤、赤、赤
そして姉妹たちの関係性
素晴らしいラストシーン
「人生とは」を語った映画
にしても、リブ・ウルマン最高。
映るだけでどきどきしちゃうくらいに。
目の奥まで美しい。
もっと見たい。
2022年5月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
①ついに観たぞ、『叫びとささやき』!って感じ。②ベルイマンの全作品を観ているわけではないが、ベルイマンは人間というものに期待していないように思う。かといって失望したり絶望しているという意味ではないですけど。個人的には、失望されたり絶望されると寂しいが、あまり期待されるとなあ、と思う方だか話が逸れましたね。③いくら親子でも分かり合えないところがある。でも仕方ないもん。違う個人だから。だから結局全て呑み込んで今まで通り付き合っていくしかない。ベルイマンの『秋のソナタ』はそんなメッセージを発した映画だったと思う(リヴ・ウルマンの演技は凄かった)。この映画でも同じ人間観が観てとれる。④ラストから遡ろると、マリーナからアンナに渡されたアグネスの日記の9月13日には『』
赤が強烈な印象を作り出すがキツイ。
三姉妹の愛憎は息が詰まりそう。虚構と実像を織り混ぜながら人間の醜さを描いているように感じた。慈母のようなアンナの存在だけがこの映画の中の救いだが、重くのしかかってくるような作品だった。
2022年3月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
がんで死んだはずのアングネス。やってきた姉カーリンと妹マリーアのことが心配なので、死しても2人をベッドに呼ぶ。
3姉妹それぞれの回想シーンが展開するけど、顔が似ているため混乱しそうにもなる。性格の違いを見事に表現した脚本は素晴らしい出来。現実と過去を繋ぐ赤い画面のフェードイン&アウトが上流階級の闇を表現しているようで感情を揺さぶられる。3姉妹と使用人アンナそれぞれのクロースアップは陰影が強調されていて、喪服の黒、壁の赤が不気味なコントラストを保っていた。そして、安らぎを覚える白。アンナが胸元を露に死にゆくアングネスに母親のような態度で寄り添う光景が印象に残る。
医者との浮気が原因で自殺する夫というエピソードもあったけど、彼女たちの欲望に渦巻く世界も聖なるアンナによって浄化されるような。終盤には心霊的な怖さもあったが・・・