秋のソナタ
劇場公開日 2018年7月24日
解説
スウェーデンが誇る巨匠イングマール・ベルイマンが、奔放に生きる母と彼女に不満を抱える娘の心の葛藤を描いた人間ドラマ。ノルウェー北部の片田舎。牧師館で暮らす女性エバは、歳の離れた夫とともに平穏な毎日を送っていた。そんなある日、エバは著名なピアニストである母シャルロッテを自宅に招待し、母娘は7年ぶりの再会を果たすが……。母親役のイングリッド・バーグマンはこれが最後の映画出演作となった。2012年、デジタルリマスター版でリバイバル公開。2018年の「ベルイマン生誕100年映画祭」(18年7月~、YEBISU GARDEN CINEMAほか)でもリバイバル上映。
1978年製作/92分/スウェーデン
原題:Hostsonaten
配給:ザジフィルムズ、マジックアワー
日本初公開:1981年10月
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イングリット・バーグマンの女優人生で最高の演技でしょうなァ。
イングリット・バーグマンの女優人生で最高の演技でしょうなァ。
2018年10月30日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
秋といえば映画の秋ということで(笑)まぁ秋に関係なく全ての娘を持つ母親と娘に見てほしい映画。
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久しぶりに会った母親と娘の意地の張り合い&今までの不満爆発親子喧嘩な話。でもこの関係が結構わかる。自分にも思い当たる節がチョロチョロ。
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とにかくこの映画で思うのは血が繋がっていえども母と娘って永遠にお互い分かり合えないんだろうな。生きてる時代が違うんだ当たり前。でも永遠に嫌いにもなれない。
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私も数年に1度は親と大喧嘩をする時が来ますが、この映画のように自分の言いたいことをお互い言い合うだけ、結局次の日にはいつもどおりに戻っちゃう。学習しないものなんですな。
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2018年10月22日
iPhoneアプリから投稿
ベルイマン生誕100年ということでデジタルリマスター版の特集上映が各地で開かれているが。
さらに本作は国内での上映権が切れ、今後、映画館で観られる予定はない、とのことで観に行く。
バーグマンの遺作にして最高傑作と呼ばれる本作は、母娘の愛憎に満ちた濃密な会話劇だ。
母はかつて、美貌で鳴らした世界的なピアニスト。娘は母のようには美しくないコンプレックスを抱え、それでも母に愛されたいと渇望していたが、母は演奏旅行に明け暮れ、娘を顧みなかった。
長じて、その母は老い、パートナーも亡くし、かつてのような人気もない。
その母を娘は責める。ひたすら責める。そういう映画。
バーグマンはハリウッドでの成功後、妻子あるイタリアの映画監督ロッセリーニと恋に落ち、自身の夫と子供と、ハリウッドでの成功も捨てて、イタリアに渡ったことで知られる。
そう、この映画のバーグマンの役は、ほとんど本人そのものである。
よく、こんな役を引き受けたな、と思う。
スクリーンのバーグマンは老いてもなお美しい。
着飾り、威厳を見せるが、娘に責められ揺らぐ。その揺れが本作の見もの。
母も娘も孤独だ。
いや、関わりを持とうとさえしなければ、これほど断絶することはない。
関わりを持とうとすればするほど遠ざかり、それでも離れられないのは親子だからだ。
人生の真実ではある。
ゆえに余韻は重い。
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