リドリー・スコット、30億円の「ターミネーター3」監督オファーを断っていた
2025年9月1日 14:00

「エイリアン」「グラディエーター」で知られる巨匠リドリー・スコット監督が、「ターミネーター3」の監督オファーと2000万ドル(現在の為替で約30億円)という破格のギャラを断っていたことを明かした。英ガーディアン紙のインタビューで、作品を「リアルに作ろうとして台なしにしてしまう」ことを懸念したためだと語っている。
4度のアカデミー賞ノミネート経験を持つスコット監督は、巨額の報酬にも動じなかったことを誇らしげに語った。「これについては誇りに思っている。2000万ドルのギャラを断ったんだ。私は金では買われない」と同紙に語っている。
当初の交渉過程も興味深い。「誰かが『アーニー(アーノルド・シュワルツェネッガー)がいくらもらっているか聞いてみろ』と言ったんだ。試しにやってみようと思った。『アーニーと同じ額が欲しい』と言ったら、イエスと返事が来た時は驚いた。しかし結局引き受けることはできなかった。私には向いていない」
スコット監督は、「ターミネーター」シリーズを漫画的な作品として捉えており、自身の作風との相性の悪さを冷静に分析している。「『007』を作るようなものだ。ボンド映画の本質は楽しさとキャンプ(わざとらしい演出)にある。ターミネーターは純粋に漫画的な作品だ。私はそれをリアルに作ろうとしてしまう。だから誰も私にボンド映画のオファーをしてこない。台なしにしてしまうからだ」
興味深いことに、もしスコット監督が「ターミネーター3」を手がけていたら、ジェームズ・キャメロン監督との関係が逆パターンになっていた。スコットは「エイリアン」(1979)を監督し、その続編「エイリアン2」(1986)をキャメロンが手がけた。一方、キャメロンは「ターミネーター」(1984)と「ターミネーター2」(1991)を監督している。スコットが第3作を担当していれば、両巨匠が互いのシリーズを引き継ぐ形になっていたはずだ。
結局、「ターミネーター3」(03)はジョナサン・モストウが監督を務め、シュワルツェネッガーが主演、ニック・スタールとクレア・デインズが共演した。その後シリーズは「ターミネーター4」(09)、「ターミネーター 新起動 ジェニシス」(15)、「ターミネーター ニュー・フェイト」(19)と続き、テレビシリーズ「ターミネーター サラ・コナー クロニクルズ」(08~09)も制作された。昨年にはNetflixでアニメシリーズ「ターミネーター ゼロ」が配信され、ティモシー・オリファント、ソノヤ・ミズノ、ロザリオ・ドーソンらが声優を務めている。

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