吉沢亮、横浜流星、渡辺謙らが京都の「国宝」に集結!東寺で初の映画イベント開催「確実に期待を超えていく作品に」
2025年6月2日 12:00

吉沢亮が主演を務め、横浜流星が共演する映画「国宝」のジャパンプレミアが5月30日、京都の東寺で行われ、ふたりと渡辺謙、高畑充希、寺島しのぶ、森七菜、見上愛、田中泯、李相日監督が出席した。
人気作家・吉田修一氏の最高傑作と呼び声の高い「国宝」は、吉田氏自身が3年間にわたり歌舞伎の黒衣をまとい、楽屋に入った経験を血肉にして書き上げた渾身の作品。任侠の一門に生まれながらも、歌舞伎役者の家に引き取られ、芸の道に人生を捧げる主人公・喜久雄の50年を描く。

メガホンをとったのは、「フラガール」(06)で第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞を受賞し、「悪人」(10)、「怒り」(16)といった吉田氏の原作を映画化してきた李相日監督。脚本は、「八日目の蝉」(11)、「コーヒーが冷めないうちに」(18)などに加えて、アニメ映画「時をかける少女」(06)、「サマーウォーズ」(09)、「おおかみこどもの雨と雪」(12)を手掛けた奥寺佐渡子が執筆。撮影は、「アデル、ブルーは熱い色」で第66回カンヌ国際映画祭パルムドールを獲得したソフィアン・エル・ファニが担当した。
任侠の一門に生まれた喜久雄(吉沢)は、歌舞伎役者・花井半二郎(渡辺)の家に引き取られ、歌舞伎という新しい世界を知る。そこで半二郎の跡取り息子・俊介(横浜)と出会い、正反対の血筋を持つ二人が、芸に人生を捧げていく。


会場の東寺は、国宝指定されている「金堂」「五重塔」「御影堂」ほか、重要文化財の「講堂」「南大門」など貴重な建造物が多数あり、境内一帯も史跡に指定されている京都を代表する遺構。東寺で映画のイベントが行われるのは今回が初めてとなる。

吉沢は、「ついに皆さんにこの映画を届けられる日が来ました。撮影の地でもある京都の世界遺産で、こんな素敵な空間で皆様にお届けできるというスペシャルな日を、すごく楽しみにしていました」と挨拶。横浜も「今日は不安定な天候で、自分が雨男なので不安ではありましたが、晴れ男・吉沢亮のおかげで晴れました! 東寺という世界遺産で皆様にこの作品を届けられることを幸せに思います」を笑顔を見せた。

渡辺は、「先ほどこの扉が開く前、我々は仏様に背中を押されて出てきました。本当に不安な天気予報でしたので、みなさんにお集まりいただけて、映画もきちんと上映できることを嬉しく思っていますし、この風景の中に立っていることを奇跡に思います。この映画もそういう奇跡に支えられてできた映画です。上映時間がちょっと長いので(笑)、上映前に準備をして、最後まで見届けていただけたらと思います」と呼びかけた。

本作は、5月18日に第78回カンヌ国際映画祭で公式上映され、約6分にわたるスタンディングオベーションを送られるなど高い評価を得た。吉沢は「本当に嬉しかったですし、安心しました。日本の伝統芸能をベースにしたエンタテインメント性が高い作品なので、カンヌの地でどんな評価をいただくか、楽しみな反面、不安も大きかったのですが、観終わったあとのスタンディングオベーションももちろん、観ている間の皆様が集中して観てくださっている空気感がビンビンに伝わってきて、我々が込めた想いがしっかり届いていることを実感したので、胸が熱くなりました」と喜びを明かす。

横浜も「幸せでした。忘れることのできない景色を見ることができましたし、カンヌの地に行けたのは役者としては本当に幸せなことで、観てくださった方々の心にこの作品が届いて、あんな景色を観ることができたのは幸せでしたし、それを糧に次の撮影にも行きました。ほんの少しの手応えと自信も感じたので、早く皆様に観ていただきたい気持ちです」と晴れ晴れとした表情で語った。

李監督は「上映中、隣が吉沢くんだったのですが、ガチガチな感じがすごく伝わってきて、それが伝導してふたりともぐっと力が入ったまま3時間緊張感に包まれていたのですが、上映を観終わったときは皆さんとても熱く、拍手喝采の中で、『Beautiful!』という言葉が耳に焼き付きました」と振り返る。そして、「翌日のカンヌの機関紙に好意的な長文の批評が載りましたが、『歌舞伎の生まれではない映画の俳優たちがとてつもなく大きな挑戦に挑んで、結果として絶大な説得力を生み出した。特に歌舞伎の舞台は一枚一枚が絵画のような美しさがあった』と書いてあって、最後に『2025年のカンヌ国際映画祭の中で、最も美しい映画のひとつであった』と結ばれていました。芸術に向き合い、真摯さや精神性を含めて美しいと評してくれたような気がしました」と喜びを露わにした。

京都での撮影について問われた吉沢は、クランクインが自身と横浜の踊りのシーンだったことを明かし、「一つの役の準備にここまで長い期間を設けるというのは初めての経験だったので、僕自身どんな体験をするのか未知数でした。不安を抱えながらも、この作品は自分の集大成であり、僕の代表作になって欲しいという想いも乗せた撮影だったので、ものすごい覚悟を持っていましたし、その分苦しみもしました」と熱く語る。横浜も、「もう本当にただただ作品と向き合って俊介として生きていた日々だったので、撮影で出し切って帰って反省の繰り返しでした」と振り返った。


渡辺は「この2人もすごいですが、舞台のときは必ず200人くらいエキストラの方に参加していただいて、自分たちが映らないシーンでもずっと座って拍手したり応援の声をかけてくれたり、一日中お付き合いいただいて胸が熱くなりました」と感謝。そして、「京都はスタジオが土なのですが、最後に踊る劇場はセットです。種田陽平、会心のセットなんです! なぜかというと、土を掘ってそこにエレベーターをつけてセリを出したんです。これは京都ならではです。セットを見ただけで感心しました。世界の種田陽平です!」と美術監督を務めた種田を称えた。

高畑は「私もエキストラの皆さんと一緒に客席で見させていただくタイミングが多かったので、本当ただのファンみたいに観ていたのですが、やはり歌舞伎や舞台は引きの世界で、空気で受け取るものが多いと思うんですけど、映画になると圧倒的にすごい寄りの強さがあって感動しました」と話し、「撮影中に見せてもらった吉沢さんの寄りのカットがあまりに美しくて、引きでも寄りでも見れてラッキーだったなと思いました」と回想。すると、吉沢は「ありがとうございます。頑張りました(笑)」と照れた表情を浮かべた。

寺島は、「私は歌舞伎の世界の生まれなので、『国宝』では大垣幸子として存在しつつも、自分が今まで生きてきた環境のエッセンスなど、どこか私が存在することでこの映画にリアリティが出ればいいな、そういう役割で李監督は私を呼んでくださったのかなと思っておりました」と明言。そして、「喜久雄と俊介の少年期を演じた子役の2人も含めて、パフォーマンスをする方たちの撮影の分量がすごいですよ。だからこそ素晴らしいんですけれど、私たちは観客として応援するしかなく、本当に途中でタオル投げたくなっちゃうくらい本当に頑張っていたので、先に観てくださった方たちの評判が良いと、とても嬉しくなっちゃって、ウキウキしています。6月6日の初日、本当に大成功間違いないと私は確信しております」と自信をにじませた。
田中も「2人(吉沢・横浜)の努力はもう壮絶です。本当にこれは、きっと伝統のためにもなると思います。2人の体を伝統が侵食した、これは大事件だと僕は思っています」と最大級の賛辞を送った。

李監督は、「原作を書かれた吉田さんから始まり、脚本開発に数年かかって、準備にかかって、撮影3カ月と、さらにその後、編集・音楽・CGが、今までの作品より倍以上の期間かかってます」と告白。「先ほど種田さんをご紹介しましたが、もう一人、京都が生んだ偉大な音楽家、原摩利彦さん!」と呼びかけると、「カンヌの劇場のエンジニアもサウンドトラックが素晴らしかったって言ってくれるぐらい、彼とは『流浪の月』で初めて組んで、今回再びお願いしました。皆さん、僕の撮影が大変だったというお話をされてますが、実は音楽作りも京都合宿を何度もおこなって、追い込みながら曲を作っていただきました。音楽がまたこの作品を一つも二つも三つも階段を上げてくれているので、ぜひ映画を浴びてください」とアピールした。


最後に吉沢は、「我々のこの作品に込めた思いというのは皆様に伝わっていると思いますが、ここまで関係者の試写やカンヌ国際映画祭でたくさんの方に、この作品を絶賛していただいています。皆様の中でもこの作品のハードルや期待値が高まっているともいますが、確実にその期待は超えていく作品になっていると思います。極上のエンタテインメント作品を皆様にお届けできると確信しております」とメッセージを送った。
「国宝」は6月6日から全国公開。
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