メイソウ家族 : 特集
なんだこの面白そうな映画は!? 世にも奇妙な衝撃作
「“教祖の瞑想”狂気に陥る家族の運命」「正体不明の
生物を轢き殺したカップルの悲劇」「男性教師と失声症
の女子中学生が、急速に接近する雨の日の放課後」…

「見たことない刺激的な物語を味わいたい!」という方へ。
「YUI」
母が瞑想にハマったことで、幸福な家族は急速に狂っていく。

「MONOS」
正体不明の生物を轢き殺したカップル。待ち受ける悲劇とは…

「UMI」
失声症の女子中学生と、彼女を教える男性教師。ふたりの心が近づいていく。

「メイソウ家族」はこの3作品で構成される映画…しかし、オムニバス映画ではなく、てんでバラバラに見える3作品が、
【なんだこの強烈な3本は!?】尖りまくりの“普通
じゃない”オススメ作。物語と感想をお伝えしよう――

冒頭で紹介した各作品の“一行”で、
予想を裏切りまくりながら突き進んでいく展開にニヤニヤし、カオスなカットに頭を抱え、ラストでは感情がぐちゃぐちゃに……。
どうしても観たくなる詳細をお伝えしていきますね!
●【物語&レビュー】各作品の「あらすじ」最初の一行で、強烈に惹かれた… → 鑑賞開始:予想を裏切りまくる展開に「なんだこれすげぇ…」 “カオス”限界突破! → 最後:3作品全てのラストで感情がかき乱される! なんだこの鑑賞後感は…!?

「YUI」:母が瞑想にハマったことで、幸福な家族は急速に狂っていく。

一見、幸福そうな吉田家。しかし娘は万引きしたり、年上の彼氏の家に入り浸ったりと、トラブル続き。父は禁煙のストレスからか、仕事中でも発作のように、お菓子を食べる手が止まらない。
そしてある日、優等生の息子がペンキまみれで帰宅し、部屋に引きこもるようになる。まさか、いじめ? 優しい母親は激しく動揺し、ネットで見つけた“教祖”が説く瞑想に没頭。吉田家は静かに、しかし急速に狂っていく――。

40分足らずの短尺で、平凡な家族に潜む
家族の秩序を保っていた母が瞑想にハマり始めると、物語はあり得ないスピードで崩壊へと突き進み、この

ポスターにもあるキラーショット=ずぶ濡れの家族4人が手をつないで、祈りを捧げているかのようなシーン。
「MONOS」:正体不明の生物を轢き殺したカップル。待ち受ける悲劇とは…

夜道をドライブするカップル。カノジョは、話を全く聞こうとしないカレシに、不満が爆発寸前。キスをせがむカノジョが、運転中のカレシの視界を塞いだその時、正体不明の“何か”を轢き殺してしまう。
カレシはそれが、数億円の価値を持つ UMA(未確認⽣物)だと確信し、「MONOS」と名付けて⾃宅へ持ち帰るが……。

3作品のなかで、最もジャンルレスかつカオスだった
さらに言うと、

MONOSの正体とは? 轢き殺してしまったがどうなる? ウソだろ、そうなるんですか!?
「UMI」:失声症の女子中学生と、彼女を教える男性教師。ふたりの心が近づいていく。

国語教師は、⼩さな町の中学校に 1 年間、赴任することになった。彼は不安を抱えていた。それは、なんらかの事情で⾔葉を話せなくなってしまった生徒の個別指導を任されたこと。当初はぎこちないふたりだったが、筆談を通して、心を重ねていく。
しかし、教師は婚約者の家業を継ぐため、間もなく町を去ることが決まっていた。ある雨の日の放課後。ふたりの距離は近付いて……。

言葉を交わせないからこそ、ふとした視線や表情で魅せる教師役の木村了さん、生徒役の⻄岡奏さんの

前2作の刺激とは打って変わって、繊細な心理描写が穏やかなさざ波のように寄せては返す。
さて、本作を“観る意欲”がぐんぐん上がってきたと思いますが、
●Q.この3作品、一体誰が撮ったの?
A.監督は世界に名を轟かす「658km、陽子の旅」熊切和嘉&「青いうた のど自慢 青春編」金田敬! 製作統括は「天外者(てんがらもん)」田中光敏(日本アカデミー賞受賞監督)!

【実はこの映画…】つくったのは、大阪芸大でした。
学生×超一流監督で紡いだ“超野心作”だった――!

上述した3人の共通点、それは、
そう、本作は大阪芸大出身の超一流監督と、映画の道を志す同大学の学生たちがタッグを組み、授業で作り上げた、
●【なんだこのプロジェクトは…!?】大阪芸大所蔵の膨大なシナリオから選び抜かれた秀逸な3本! 超一流監督と学生たちが、「好きなものを好きなように」製作した“観たことのない物語”

「学生の授業でつくられた映画」と侮っていると、
というのも物語は全て、大阪芸大の才能豊かな歴代の学生たちが書き上げた、大学所蔵の膨大なシナリオ……そこから厳選に厳選を重ね

そして言わずもがな、
金田監督は、「『これはどうか』とネタを提案しても、学⽣は『それは面白くないと思います』とはっきり⾔ってくるんです。元のシナリオを脚⾊するなかでも『そうすると、⽭盾が⽣まれるんじゃないですか』と⾔われましたから。
こんな経験を授業で積めるなんて、
●【製作風景が楽しそうすぎる…!】現場コメントがあまりにも良くて…「学生たちが映画を発見していく瞬間」「背中から濛々と湯気が…」 “想い”に触れると、いてもたってもいられなくなる、観ずにはいられなくなる。

本編の素晴らしさもさることながら、製作過程がまぁ楽しそうで、

熊切監督「自分にとって原点に立ち返ることができた作品ですし、

金田監督「(撮影中)
「『一生懸命は当たり前! 努力なんてしてませんよとさり気なく観客に届いてこそ価値があるんや』
「メイソウ家族」。
