【第17回アジア・フィルム・アワード受賞結果】濱口竜介監督作「悪は存在しない」が最優秀作品賞! 日本映画勢が多数受賞
2024年3月11日 22:00
アジア全域版アカデミー賞「第17回アジア・フィルム・アワード」(AFA)の授賞式が3月10日、「戯曲センター(Xiqu Centre)」Grand Theatre(香港)で行われ、日本作品「悪は存在しない」(濱口竜介監督)が、最優秀作品賞と最優秀音楽賞(石橋英子)を受賞した。濱口監督と石橋は、昨年の「ドライブ・マイ・カー」に続いての同賞獲得に。濱口監督は、新作撮影のため現地参加は叶わず、石橋、編集の山崎梓、高田聡プロデューサーらが式典に参加し、大きな歓声を浴びていた。
「怪物」の是枝裕和監督は、最優秀監督賞を獲得。昨年の韓国作品「ベイビー・ブローカー」に続く、2年連続の同賞受賞となった(最優秀監督賞の受賞は、「歩いても 歩いても」を含めると3度目)。また「PERFECT DAYS」の役所広司は、最優秀主演男優賞に輝いた。2019年の「孤狼の血」に続き、2度目の同賞受賞となった。
日本アカデミー賞で8冠、米アカデミー賞では視覚効果賞を獲得した「ゴジラ-1.0」は、視覚効果賞(山崎監督、渋谷紀世子、高橋正紀、野島達司)、音響賞(井上奈津子)を受賞。そのほか、鈴木亮平が、アジア映画界・アジア文化における業績と貢献を称える「Excellence in Asian Cinema Award」に、韓国の女優イ・ヨンエととも授与された。
大規模で豪華なレッドカーペットの後に開催されたAFAの授賞式では、日本人として初めて審査委員長に就任した黒沢清監督が、世界中の映画人が務める審査員陣と投票メンバーを率いて決定された受賞者が登壇。Youth Ambassador の一人としてさまざまなAFAイベントに参加した宮沢氷魚がプレゼンターを務めたほか、特別功労賞を受賞したチャン・イーモウ監督、主演男優賞にノミネートされたトニー・レオン、プレゼンターを務めた女優のファン・ビンビンなど、アジア全域よりスターが集まる華やかな式典となった。
授賞式およびレッドカーペットの模様は、アーカイブ(https://www.youtube.com/watch?v=KedKpwLn8tU)にて視聴可能。受賞結果とコメントは、以下の通り。
「悪は存在しない」(日本)
パク・フン「12.12: The Day」(韓国)
Tergel Bold-Erdene「City of Wind」(フランス、モンゴル、ポルトガル、オランダ、カタール、ドイツ)
キム・サンボム「12.12: The Day」(韓国)
マン・リムチョン「The Goldfinger」(香港、中国)
エリック・ラム「The Goldfinger」(香港、中国)
チャン・イーモウ
チャオ・リーイン(中国)
メータウィン・オーパッイアムカジョーン(タイ)
大家好(ダージャーハオ)。ここに来ることができて本当にうれしいです。とりわけ、著名なイ・ヨンエさんと一緒にここに立つことができて、とても光栄です。偉大な映画監督、偉大な映画プロデューサー、映画製作者、偉大な俳優、アジアの伝説の俳優たち、皆さんの前に立つことができて、本当に光栄に思っています。でも正直なところ、今年は何もノミネートされていないので、とてもリラックスしてここに立っています。もちろん、ノミネートされることは良いことですが、ノミネートされないのも良いことです。なぜなら、何も心配する必要がないからです。ちなみに、昨年は、トニー・レオンさんのせいで私は最優秀主演男優賞を逃しました。(笑)でも、今年再び彼に会えてうれしいです。もちろん、賞を受賞することは非常に重要でワクワクしますが、このイベント、この大きなイベント、AFAの素晴らしいところは、皆さんに出会い、新しい人たちに出会い、アジア各地の映画制作者と出会い、語り合い、学びあうことだと私は考えています。そして願わくは、今後一緒に新しいプロジェクトを始めたい。今日、あるいは今夜が、未来の新しいプロジェクトの始まりになるかもしれません。そして、いつか一緒に映画を作れることを本当に願っています。なぜなら、“私たちは一緒に物語を紡ぐ(Together we tell story)からです。ありがとうございました。
私たちの映画にこのような非常に光栄な重みのある賞を頂きまして、代表してまずは感謝を申し上げます。同じくノミネートされた撮影の北川喜雄さん、共同編集の山崎梓さん、またこの映画に関わったすべての皆さん、おめでとうございます。そして、この場に残念ながら来ることができなかった濱口竜介監督、そして濱口監督に一番最初にこの企画の話を持ってきて、素晴らしい音楽で共同制作をされた石橋英子さん、おめでとうございます。
本当に濱口監督が来ることができなかったのは残念です。でもこうやって、撮影の北川さんや編集の山崎さん、今もしかしたら日本で見ているかもしれない主演のおおみかさん、キャストの皆さん、スタッフの皆さん、本当に皆さんの力のおかげでできました。もちろん、ミュージシャンの皆さん、ミックスをしてくださったジム・オルークさん、本当に皆さんのおかげで、今こうやって、私たちはここに来られて、楽しい時間を過ごせていると思っています。ありがとうございました。
尊敬する黒沢清監督からこのようなトロフィーを頂くなんて、本当に光栄です。出会う才能ということで言えば、今回は坂元裕二さんという尊敬する脚本家の方の素晴らしい脚本があって、もう20年近く一緒に仕事をしている美術の三ツ松けいこさんが、今日一緒にスタッフを代表してここに来ていただきました。そんなスタッフとキャストと出会えたことが、この賞を頂けた一番大きな僕の才能ではないかと思います。昨年に続いてこの壇上に立たせていただくことができて、本当にうれしいです。来年は、作品はないのですが、ノミネートされていなくても、またこの場で映画を愛する皆さんとこの時間を共有できたらうれしいです。ありがとうございました。
全く期待してなかったので、全然スピーチを考えていなかったです。まずアジア・フィルム・アワードの皆様、審査委員の皆様、本当にありがとうございます。まず濱口監督、長い道のりでしたが、何をつくるのかわからないまま一緒に歩んできた道のりが奇跡のようでした。撮影やその後の編集など、一緒に皆さんが作ってこられた努力にも感謝したいと思います。撮影の北川さん、編集の山崎さん、本当にありがとうございます。皆さんの仕事がなければ、私のこういう音楽もなかったと思います。スタッフとキャストの皆さんにも感謝したいと思います。本当にありがとうございました。
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