アンドレイ・タルコフスキー「ノスタルジア」4K修復版、1月26日から公開
2023年11月17日 11:00
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日本初公開から40周年を記念し、アンドレイ・タルコフスキー監督の「ノスタルジア」4K修復版が、2024年1月26日から公開される。
54年で生涯を終えたものの、全8作品の劇映画を発表し、今なお多くの映画人や芸術家に影響を与え続ける、旧ソ連映画界の巨匠にして不世出の映画作家タルコフスキー。イングマール・ベルイマン、クリストファー・ノーランやアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥといった現代の映画監督たちもタルコフスキーからの影響を公言している。
1962年に長編1作目となる「僕の村は戦場だった」を監督、ヴェネチア国際映画祭でサン・マルコ金獅子賞等を受賞。1967年にロシアの伝説的な画家を描いた「アンドレイ・ルブリョフ」を完成させるが、歴史解釈をめぐってソ連当局の激しい批判を受け、5年間の上映禁止を言い渡される。一方で同作品は1969年のカンヌ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞。その後も「惑星ソラリス」(72)、「鏡」(75)、「ストーカー」(79)と唯一無二の映像世界で批評家や観客たちを魅了し、世界的な評価を確立。だがソ連国内の厳しい検閲は依然としてあり、ソ連を出国。「ノスタルジア」は、タルコフスキーがはじめてソビエト連邦国外のイタリアで製作した長編6作目となる
モスクワからイタリアにやってきた詩人アンドレイ・ゴルチャコフと通訳の女性エウジェニア。ふたりは、ロシアの音楽家パヴェル・サスノフスキーの足跡を辿る旅をしていたが、旅の終盤アンドレイは病に冒されていた。そんな中、二人は、世界の終末が訪れたと信じ家族で7年間も家に閉じこもり、人々に狂信者と噂されるドメニコという男に出会うのだった―。
中世からルネサンス期のフレスコ絵画と近代美術が一体化したような美しい映像に、実父であり詩人のアルセーニイ・タルコフスキーの詩が読まれ、ヴェルディの「レクイエム」やべートーヴェンの「第九交響曲」、そしてロシアの民族音楽が印象的に使用されている。タルコフスキーは本作を3年半の歳月を費やして完成させ、1983年カンヌ国際映画祭で「この映画の創造に対する特別大賞」「国際映画批評家連盟賞」「エキュメニック審査員賞」の3冠に輝いた。
今回公開となる4K修復版は、2022年に撮影監督であるジュゼッペ・ランチ監修のもと、ローマのチネテカ・ナチオナーレの協力で4K修復が行われ、ボローニャ復元映画祭2022でワールドプレミアされたもの。高精細の4K修復版によって、空間、時間、そして人間の葛藤を巡る、タルコフスキーによる詩的宇宙の極致がよみがえる。
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公開されたポスタービジュアルは、本作の中心的な登場人物の一人であるエウジェニア(ドミツィアナ・ジョルダーノ)の後ろ姿を捉えたカットを用いている。デンマークの画家ハンマースホイの絵画を思わせる構図と色調で、これまでの本作のイメージを刷新するような現代性を持ったビジュアルに仕上がった。
12月1日から、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下では、オリジナルB3ポスター付き前売券が1500円(税込)で発売予定。2024年1月26日からBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次公開。
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