僕の村は戦場だった

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僕の村は戦場だった
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解説

ウラジミール・ボゴモーロフの短篇小説“イワン”を、彼自身とミハイル・パパワが脚色した戦争詩。監督は国立映画大学出身のアンドレイ・タルコフスキー、撮影はワジーム・ユーソフ、音楽をV・オフチニコフが担当。出演者はコーリヤ・ブルリヤーエフ少年、ズブコフ、E・ジャリコフ、S・クルイロフ。A・T・G系第五回上映作品。

1962年製作/ソ連
原題:Ivan's Childhood
配給:東和

ストーリー

イワン(コーリヤ・ブルリヤーエフ)がいまも夢にみた美しい故郷の村は戦火に踏みにじられ、母親は行方不明、国境警備隊員だった父親も戦死してしまった。一人とり残された十二歳のイワンが、危険を冒して敵陣に潜入し少年斥候として友軍に協力しているのも、自分の肉親を奪ったナチ・ドイツ軍への憎悪からであった。司令部のグリヤズノフ中佐、ホーリン大尉、古参兵のカタソーノフの三人が、イワンのいわば親代りだ。グリヤズノフ達はイワンをこれ以上危険な仕事に就かせておくことはできない……これが、少年を愛する大人たちの結論だった。しかし、イワンはそれを聞くと頑として幼年学校行きを拒否した。憎い敵を撃滅して戦いに勝たねば……やむなくイワンをガリツェフ(E・ジャリコフ)の隊におくことにした。ドイツ軍に対する総攻撃は準備されていたがそのためには、対岸の情勢を探ることが絶対必要であった。出発の日、カタソーノフはざん壕から身をのり出し敵弾に倒れてしまった。執拗に彼の不在の理由をきくイワンにはその死は固く秘されホーリン、ガリツェフの三人は小舟で闇の中を対岸へ。二人が少年と別れる時がきた。再会を約して少年は死の危険地帯の中に勇躍、進んで行く。その小さな後姿がイワンの最後だった。終戦。ソビエトは勝った。が、そのためには何と大きな犠牲を払われねばならなかったか……。かつてのナチの司令部。見るかげもなく破壊された建物の中に、ソビエト軍捕虜の処刑記録が残っていた。その記録を一枚一枚調べるガリツェフ。あった。イワンの写真が貼りつけられた記録カードが。戦争さえなかったらイワンには平和な村の毎日だった筈なのに……。

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映画レビュー

2.0戦争は終わらない…

osmtさん
2022年5月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

冒頭、意外とサスペンスフルに展開していたので、初期のタルコフスキー、実はエンタメなのか?とちょっとだけ予想外の期待をしたのだが…
やはりテンポは冗長…
作家性とは、分かってはいつつも…
こればっかりは好き嫌いかねえ…
戦場の殺伐としたモノクロームや、それに対比するような美しい白樺林などは、とても素晴らしかったのだが。
出来れば、戦争状態のシーンは、もっと短くして、戦争前の幸福な回想シーン(幻想シーン?)の割合を多めにして、もっとリアルと幻想の対比を鮮烈にして欲しかったな。
しかし、思った通り、このご時世、殺伐とした戦時下を捉えたシーンの数々が、とてもリアルに感じられてしまった。
あんな少年が今のウクライナにもいるのかもしれない。

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osmt

5.0少年の村はウクライナ南部 ドニエプル川の東側沿いの村だったのです 今まさに77年前と同じことが起こっているのです! 本作は現在進行形の映画だったのです

あき240さん
2022年4月23日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

今日は2022年4月26日です
ウクライナにロシア軍が侵略を始めて2ヵ月と2日が経ちました
今こそ観るべき映画です
1962年の映画です
しかし現在進行形の映画なのです

アンドレイ・タルコフスキーの初監督作品
反戦映画です

舞台は第二次世界大戦のロシア
戦っているのはソ連軍(ロシア軍)とドイツ軍
主人公は12歳の少年イワン

彼の父は戦死、母と幼い妹はドイツ兵に殺されています
それも単に撃たれて殺されたのでは無く乱暴された末のことのようです
彼の村は戦場となり瓦礫の山です
顔見知りのおじいさんの家は煙突と暖炉だけ、あとドアだけが燃え残っています

冒頭や中盤の回想シーンは、村が戦争になる前の平和な頃の少年と母と妹、友達らとの楽しい思い出です
彼の背中には、ドイツ軍につけられたであろう大きな傷跡もまだなく、表情も12歳らしい優しい笑顔です

しかし、今の彼はソ連軍(ロシア軍)の少年スパイとして、ドイツ軍の占領地域に潜入して敵の戦力の配置状況を偵察して、ポケットの木の実や枝の数をメモ代わりにして探ってくるのです

危険な行為です
なにしろソ連軍の偵察兵二人は、殺されるだけでなく見せしめに川の土手に晒し者にされているほどです

しかし地元の子供だからスパイとはバレないからと、孤児院行きを拒否して自ら進んで志願したようです
彼を使っている中佐もそろそろヤバいと彼を任務から外して、幼年学校に行けと命じます
しかし、彼は「戦争中に休むなんて役立たずだけだ」と逃げだしてスパイを続けようとするのです

ラストシーンは1945年5月
ソ連軍がベルリンを占領して戦争が終わった直後です
恐らく本作の物語は1945年の早春2月ごろから4月ごろにかけてのお話なのです
場所はそうウクライナです

冒頭で夏に母と水遊びした川
序盤でイワンが泳いで渡った大きな川
偵察兵二人が殺されて晒し者にされた川岸
中盤の回想シーンで友達や幼い妹と鬼ごっこした川
イワンが小舟で敵軍のいる向こう岸にわたって消息を絶った川
その川はドニエプル川です

少年の村はウクライナ南部
ドニエプル川の東側沿いの村だったのです
今まさに77年前と同じことが起こっているのです!
本作は現在進行形の映画だったのです

同じ場所で、西と東が入れ替わり、敵はロシア軍となって全く相似形の戦争が行われているのです

戦火で無惨に破壊された村は、今日私たちがカラーでテレビニュースで視た光景そのものです

壁も屋根もなく、煙突と暖炉とドアしか残っていない家に招き入れてくれるおじいさんが今にもニュースに現れて、テレビカメラに向かって同じことを話しそうです

残虐に殺された民間人の写真は、本作のワンシーンがカラーでスチールにされたかのようです

今の戦争なら敵軍の配置はドローンが偵察してくれると思います
それでも本作の少年イワンのようなウクライナ人の少年が、ロシア軍支配地域に潜入してドローンではわからない部分を偵察しているかもしれません

その21世紀の彼の村はドニエプル川の西側で
「僕の村は戦場だった」のです

ロシア軍、ウクライナ軍
どちらがナチなのか
タルコルスキーは予言していたのかも知れません
ソ連軍(ロシア軍)も一皮向けばこうだと

タルコルスキー監督の父、アルセニー・タルコフスキーはウクライナの著名な詩人であると初めて知りました
それも今まさに激戦地であるヘルソンの出なのだそうです

水の表現の美しさだけの映画ではないのです
それだけに目を奪われてはなりません

映画はナチが敗北して終わります
しかし無名の犠牲者は山のようにあったのです
子供ですら容赦されないのです

それが戦争の現実です
今こそ観るべき映画です

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あき240

5.0本屋大賞の狙撃兵の話はこの映画かなぁ?

マサシさん
2022年4月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

タルコフスキーの強烈な反戦映画ですかね。
ソラリスが封切られた頃、初めて見た。近年は渋谷とかでも見たが、親父のDVDコレクションにも残っていたので、こんな時にソ連映画見るのはと考えて、あえてもう一度見た。やっぱり、傑作だと思う。
シベリア鉄道に乗りたくて、一昨年、イルクーツクへ行って来たが、やはり、サンクトペテルブルクとモスクワに行きたい思いが馳せた。しかし、こんな事になっては、ロシアには旅行に行けない。
ウラン・ウデやイルクーツクであったロシアの人々は良い人ばかりだったが、ロシア系じゃなかったのかなぁ?

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マサシ

4.0タルコフスキーの卓越した演出による、モノクロ映像の詩的映像美で綴られた戦争悲劇

Gustavさん
2022年2月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館、TV地上波

今年の二月テレビで見学した時は、それほど評価出来る作品ではない印象を持ったものの、今度の劇場鑑賞では何故か親近感を覚えた。それは第一に主人公イワン少年の余りにも過酷な境遇に同情してしまうからなのだが、タルコフスキー演出の詩的な表現によって、戦争の残酷さのリアリズムのその内にある人間の想いが素直に理解出来たからである。例えば若い中尉と看護師との男女間は、結ばれるようで結ばれない微妙な関係であるし、この恋愛模様と中尉とイワン少年の固い友情で結ばれた兵士同士の関係が対照的に描かれていた。それが白樺林の印象的な自然描写と相まって個性的な美しい映像詩の映画を形成している。描かれた戦争秘話の悲劇性は、その美しすぎる詩情ゆえに直接的ではない。この表現が、アンドレイ・タルコフスキーの個性なのだろう。
しかし、その微妙な人間模様の映像美に関係なく、このイワン少年の復讐に囚われたストーリー自体は絶望的に暗い。まだあどけない年齢にも係わらず過去の幸せな時を追想するものと現在の苦しい戦場の現実との対比が、より少年の悲劇を表現している。何より孤児の孤独から強がりを大人の前で貫く姿が、頑なで痛ましい。子供らしい純真無垢な優しい心を素直に表現出来ず、その汚れなさ故に敵に復讐心を抱く確固たる自意識が、勇敢なスパイ活動を全うしようとする。いつかは自立を成し遂げるべき人間の、それは他者を何らかの才能で圧倒せねばならない人生の道理を知ってしまったのが、この少年には早すぎたのである。戦争の悲劇が殺人行為による兵士の死のみならず、こんな罪のない子供までも侵食してしまうストーリーは、観ていてとても辛い。

やり切れないくらいの暗い戦争悲劇の物語を、タルコフスキー監督の詩的な映像美で完結した個性強固な映画作品。一方的な反戦姿勢がソビエト映画らしいが、それだけに留まらない卓越した映像美を持った佳作だった。

  1976年 12月11日  池袋文芸坐

十代の頃は映画好きが高じてオールナイトを何度か経験した。この時の同時上映は、「禁じられた遊び」「悲しみの青春」「キャバレー」の3作品。戦争を題材にした地味な映画ばかりだ。タルコフスキー監督作品は、この初期の作品と75年の「鏡」のみ。後期の代表作は、劇場鑑賞でないと作品と充分な対峙ができないと思う。とても気になる特別な作家ではあるが、機会がなく今日に至る。それでもこの「僕の村は戦場だった」と「鏡」共に忘れ難い映画ではある。

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Gustav
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