ソクーロフ特集、9月10日開催!「モスクワ・エレジー」「精神の声」「エルミタージュ幻想」「太陽」を上映
2021年6月2日 15:00
現代ロシアを代表する鬼才アレクサンドル・ソクーロフ監督の特集上映「ソクーロフ特集2021」が、9月10日から東京・アップリンク吉祥寺で開催されることが決定。あわせて、ポスタービジュアルも披露された。
6月14日に70歳の誕生日を迎えるソクーロフ監督。ソビエト時代には、監督作が当局により“上映禁止”のレッテルを貼られていたが、今やロシアが世界に誇る巨匠に。監督作は数百本を超えるほどの多作であり、いずれも想像力を喚起させる、独創的で創造力溢れる作品となっている。
上映を予定しているのは、以下の4作品。
「モスクワ・エレジー タルコフスキーに捧ぐ」
ロシアが世界に誇るアンドレイ・タルコフスキー監督が、ソクーロフの初監督作「孤独な声」が上映禁止処分を受けた際、「この作品にも欠点はあるが、それは天才の欠点だ」と擁護。本作は、ソクーロフ監督がタルコフスキーに捧げて製作したドキュメンタリー。最後に流れるチェロは、亡命者だったムスティスラフ・ロストロポービチが演奏している。
「精神の声」(デジタル・リマスター版)
タジキスタンとの内戦に派兵されたロシア軍の若き兵士たちを撮った、ソクーロフの金字塔ともいえるドキュメンタリー。音楽はモーツァルト、ベートーベン、メシアン、武満徹。本作に登場する兵士はひとりも生還しなかった。全5話で構成されており、上映分数は328分。
「エルミタージュ幻想」(デジタル・リマスター版)
美術品が陳列されたままのエルミタージュ美術館(所蔵品300万点以上は世界最大級)内部を使い、ロシア近・現代300年史を、世界映画史上初の90分ワンカットの手法で描いた作品。
「太陽(2005)」
「モレク神」(ヒトラー)、「牡牛座 レーニンの肖像」(レーニン)に次ぐ、20世紀の権力者を描く4部作の3作目として製作した問題作。神と崇められていた昭和天皇が、終戦を期に「人間宣言」するまでの心の葛藤を描く。昭和天皇にイッセー尾形、皇后に桃井かおり、侍従長に佐野史郎が扮している。