「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズ、7つのトリビア もっと楽しくなる裏話まとめ
2022年7月9日 21:10
SF映画の金字塔「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(BTTF)シリーズが、フジテレビ系の「土曜プレミアム」で、3週連続で放送中。7月2日の原点となる第1作に続き、9日には未来が舞台の「PART2」、16日には西部開拓時代が舞台の「PART3」の最新リマスター版が、地上波初放送されます。
この記事では、シリーズをもっと楽しむために、気になる7つの話題をピックアップ。作品の製作秘話ではなく、映画公開後のおもしろネタや、続編制作の可能性などについてまとめました。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は、スティーブン・スピルバーグが製作総指揮、ロバート・ゼメキスが監督を務めた、世代を超え人々を魅了する世界的大ヒットシリーズ。高校生のマーティ(マイケル・J・フォックス)と友人の科学者エメット・ブラウン(通称ドク/クリストファー・ロイド)が、タイムマシン・デロリアンに乗り時空を超えて冒険するさまを描きました。
第1作は、国内配給収入36億5000万円を記録し、「ロッキー4 炎の友情」「グーニーズ」など人気作品をおさえ、洋画の配給収入年間第1位に(統計上、86年で集計)。さらに89年末~90年に連続公開された「PART2」(配給収入55億3000万円)と「PART3」(47億5000万円)も、「ダイハード2」「ゴースト ニューヨークの幻」などを超え、年間第1位と第2位を飾りトップを独占しました(統計上、90年で集計)。
映画を下敷きにした、ミュージカル劇版の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」があること、皆さんはご存知でしたか? 映画版で、ゼメキス監督と共同で脚本を執筆したボブ・ゲイルが台本を手がけています。
同舞台は、2020年3月に英マンチェスターやロンドンで上演され、ローレンス・オリビエ賞を受賞するなど人気を集めました。23年には、米ニューヨークのブロードウェイ公演を発表。日本上陸を願いつつ、続報を追いかけたいですね!
デロリアンは、「ゼネラル・モータース」の副社長を務めていたジョン・デロリアン氏が立ちあげたデロリアン・モーター・カンパニーが生産した唯一の自動車で、正式名称はDMC-12。デザインは、伊工業デザイナーのジョルジェット・ジウジアーロによるもの。ステンレスパネルのボディと鳥の翼のように上に開くガルウィングドアが特徴です。
デロリアン・モーター・カンパニーは1982年に倒産してしまいますが、85年公開の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でタイムマシンのベースとして採用されると、DMC-12はカルト的な人気に。95年に誕生した新星デロリアン・モーター・カンパニーは、ガルウィングドアつきの電気自動車を販売することを発表しており、「電気自動車版DMC-12」ではないかとみられています。
ちなみに17年には、米カリフォルニアに住む「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ファン、スペンサー・ホワイト氏が、愛車のデロリアンを時速88マイル(約142キロ)で飛ばし、スピード違反の切符を切られるという珍事件も発生。高速道路走行中、時速85マイルであることに気付いたホワイト氏は、「あと、たったの3マイルじゃないか」と時速88マイルまで加速したそうです(時速88マイルは、劇中でタイムマシンの次元転移装置が作動し、タイムスリップをする速度)。
フォックスは、16年に米ニュージャージー州のメットライフ・スタジアムで行われた「コールドプレイ」のコンサートにサプライズ登場。ギブソン・レスポールを手にしたフォックスがステージ上に現れ、ギターソロを披露し、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のダンスパーティのシーンで使用された「Johnny B. Goode」を演奏したそうです。叶うことなら、その場にいたかった……!
2015年10月21日は「PART2」で、マーティとドクがタイムトラベルする30年後の未来という記念すべき日。同日、監督作「ザ・ウォーク」のプロモーションで来日していたゼメキス監督は、“今日”大騒動を起こすことになるふたりに「時空をいじるな、壊すな」と忠告。さらに、「15年10月21日にここにいられることを嬉しく思います。“バック・トゥ・ザ・フューチャーデイ”ですから。30年はあっという間でした」と語っていました。
いまとなっては7年前の15年を舞台にした「PART2」は、89年時点の未来予想図から実現した描写を探すのも、楽しみ方のひとつ。そして、マーティが驚いた未来のアイテムのいくつかは実際にグッズ化されているんです。
未来的な容器に入った「ペプシ・パーフェクト」は、6500本のみの限定生産で、15年に発売(中身は通常のペプシ)。11年にはナイキから、劇中でマーティが履いていたシューズを再現した「Nike MAG」1500足が発売され、16年には、靴ひも自動調整機能が搭載されたモデルが89足限定で発売されました。
2018年、米ハリウッド・レポーターは、続編映画に関するアンケート調査を実施。回答者2201人のうちの71%が「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズの新作を見たいと返答したそう。そのあとには、「トイ・ストーリー」シリーズ(69%)、「インディ・ジョーンズ」シリーズ(68%)、「ジュラシック・パーク」シリーズ(67%)と、いずれも人気作品が続いていました。
続編を望む声も多い本シリーズですが、15年にゼメキス監督は、「続編やリメイクは作らせない」と宣言しています。英テレグラフ紙の取材に対し、ゼメキス監督は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の関連作品を製作する際は、監督と脚本家ボブ・ゲイルの許可が必要との条項を契約書に盛り込んでいることを明かしています。
ゼメキス監督がリメイクに反対するのは、本シリーズが傑作だと認めているから。「ボブ(・ゲイル)と僕が死ぬまで(リメイク)はないね。そのあとは、僕らの遺産管理団体が阻止する方法を見つけなければ、きっと作られてしまうだろうけど」「たとえば、『市民ケーン』をリメイクしよう、なんて言うかい? そんな狂った話はない」と、コメントしています。
また18年に米ボストンで行われ、メインキャストが集結したポップカルチャーイベント「FAN EXPO」ではフォックスが、続編やリブートの可能性を改めて否定しています。