夏のホラー秘宝まつり2022、4都市・7劇場開催 ルチオ・フルチ「野獣死すべし」、マリオ・バーバ、フランク・ヘネンロッターら厳選20作品
2022年6月14日 18:00
2014年からキネカ大森でスタートした映画祭「ホラー秘宝まつり」。9回目となる「夏のホラー秘宝まつり 2022」の開催が8月に決定した。日本初上映となるルチオ・フルチ監督の手に汗握るスプラッター・マフィア映画「野獣死すべし」、過去の上映で反響が大きかったマリオ・バーバ監督の6本など、旧作全20本が上映される。
また、今年は、キネカ大森、シネマスコーレ(名古屋)、シアターセブン(大阪)のほか、アップリンク吉祥寺、アップリンク京都、第七藝術劇場(大阪)でも開催。さらに、東京では目玉作品となる「野獣死すべし」をヒューマントラストシネマ渋谷で単独上映する。渋谷での上映は本映画祭初の試みで、映画祭史上最大規模となる4都市・7劇場で同時開催となる。
イタリアン・ホラーの大巨匠、さらには残虐ホラー界のエポックメイカーとして超一級の作品を生み出し続けたルチオ・フルチ。スクリーン初お披露目となる「野獣死すべし」と並び、全盛期に手掛けた「ビヨンド」「地獄の門」「墓地裏の家」を4Kレストア版で再び上映。アンコール上映7作を合わせたルチオ・フルチ監督全8作品を鑑賞した観客への来場者特典の特製ポストカードも準備中だ。
そのほか、マリオ・バーバ監督の特集上映では、過去2年の上映で反響が大きかった6本をラインナップ。さらにグラインドハウスの申し子・鬼才フランク・ヘネンロッターの伝説的カルトホラー「バスケットケース」や、ゾンビ映画黎明期の傑作「悪魔の墓場」、ジョージ・A・ロメロの初期監督作「ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖」、カンヌ映画祭でグランプリを獲得したが挑発的な内容から物議を醸したミヒャエル・ハネケの衝撃作「ファニーゲーム」、ジャッロ映画の名手ダリオ・アルジェントの初期監督作「四匹の蠅」、そして「宇宙からのツタンカーメン」と、ホラーファンのみならず名作映画を追い求める映画ファンの好奇心をもくすぐる、エッジの効いたタイトルがスクリーンに押し寄せる。
シネマスコーレ:8月
第七藝術劇場:8月13日(土)~
シアターセブ:8月13日(土)~
アップリンク京都:8月12日(金)~9月1日(木)
「サンゲリア」で大成功を収めたルチオ・フルチが手掛けたギャング映画。密輸組織が暗躍するナポリの港町で、麻薬組織に因縁を持つ密輸業者の男が復讐のため立ち向かう姿を描く。新旧犯罪組織の対抗という図式ながら、ルチオ・フルチ特有の人体破壊描写も光る快作。フルチ自身もカメオ出演している。
密輸組織の拠点である港町。縄張りの拡大を目論む麻薬組織に兄を殺された密輸業者の男が復讐のため、彼らに接近。密輸組織内部に潜む裏切り者が幹部暗殺の手引きをしていたことが発覚し、やがて事態は組織全体を巻き込んだ大がかりな抗争へと発展していく…。
古びたホテルの地下に隠されていた冥界と現世を繋ぐ扉をめぐり、無気味で凄惨な事件が巻き起こるスプラッターホラー。ルチオ・フルチが得意とする“地獄門の決壊”テーマの一本。ルイジアナにある屋敷を相続したライザは建物の修繕に取りかかるが、現場では凄惨な事故や奇妙な出来事が続発。怯えるライザに対して盲目の美女エミリーは屋敷を手放すよう警告する。かつてこの屋敷で地獄の門を開けようとした画家が住民たちのリンチを受けており、その画家が怨念となり再び現れ…。
神父の自殺という背徳行為により、地獄の門が開いた町で繰り広げられる凄惨な光景を描くゾンビホラー。ニューヨークで降霊会に参加していた霊能者のメアリーは、ダンウィッチの墓地で自殺する神父・トーマスの姿を霊視する。その神父の目的とは、冒涜行為により地獄の門を開くことだった。ショック死し葬られたメアリーは棺の中で蘇生する。新聞記者のピーターに救出されたメアリーは地獄の門を閉じるべくダンウィッチへ赴くが、そこは既に死霊の町と化していた…。
「サンゲリア」など血まみれ3部作に並ぶルチオ・フルチの残酷ホラーの代表作。ニューイングランドの古い一軒家に引っ越してきた歴史学者ノーマンとその家族。周囲を荒れ果てた墓地に囲まれ異様な邪気を放つその屋敷は、かつてフロストステイン博士が屋敷を訪れたものを次々と手にかけ人体実験を行っていた場所だった。屋敷に秘められたおぞましい真実が明らかとなり、惨殺事件が連続して巻き起こる。残酷シーンのオンパレードの名作ホラー。
古い屋敷での奇妙な光景を幻視した富豪の妻に忍び寄る恐怖を描くサスペンスホラー。幼い頃に断崖から投身自殺を図った母の惨たらしい最期を幻視したバージニア。裕福な夫フランチェスコと結婚し幸せな生活を送る彼女は、車を走らせている最中、めまいとともに再び奇妙な光景を幻視する。古い屋敷、割れた鏡、血だらけの老婆、積み上げられる煉瓦、闇に閉ざされる視界。改装すべく訪れたフランチェスコの屋敷が幻視と酷似していることに彼女は言い知れぬ不安を覚える。
考古学者の父親とともにエジプトを訪れたスージー。帰国後、スージーの周辺で奇妙な死が連発する。スージーに乗り移った古代エジプトの呪いが周囲の人々を襲う。ルチオ・フルチがそれまでの残酷ゾンビ・ホラーから一転、ミステリー、オカルト色の強いホラー作品。
「フラッシュダンス」の世界的大ヒットに便乗して作られたダンスを絡めたジャッロ映画。ニューヨークの名門ダンススクールに通う女子生徒を襲う連続殺人事件が起こり、スクールの女子講師が犯人とみられる男の身辺を探り始める。音楽にはキース・エマーソンを起用。異色のジャッロ作品。
テロリスト団が東南アジアの研究所を襲い細菌兵器デス・ワンを奪うが、一人の男が誤って感染し死亡する。死体が焼却処分されるが、デス・ワンは煙と共に散乱、やがて人間に感染していく。感染した人間がゾンビとなり生者を次々に襲撃。休暇中の兵士たちが応戦するが、軍が投入した特別部隊と三つ巴の死闘が始まる。
ホラー映画界の名作中の名作。魔女裁判によって処刑されたアーサ姫が200年後甦る。モノクロ作品ながら陰影を強調した美しい撮影ながらグロテスクな描写の特殊効果が有名。主演のバーバラ・スティールはこの作品の出演がきっかけになり、スクリーム・クイーンとして数多くのホラー映画に出演する事になる。
イタリア映画の大きなジャンルであるジャッロ映画の代表作。幻想的な映像美、謎の殺人者による残酷な殺人とジャッロ映画の原型を完成させた本作はダリオ・アルジェントをはじめ、多くの後続監督たちに大きな影響を与えた。ファッション・モデルの美女が謎の覆面をした殺人者に殺された。捜査が進むなか、殺害されたモデルの日記が発見される。モデルたちの内部事情まで詳細に記されたその日記は仲間のモデルの手に渡るが、日記を手にしたモデルたちは次々と殺されてしまう。
マーティン・スコセッシがバーバの最高傑作と評価しているゴシック・ホラーの傑作。屋敷に現れる少女の幽霊を描いたホラーでJホラーにも多大な影響を与えている。デビッド・リンチ、ギレルモ・デル・トロ、フェデリコ・フェリーニなど数々の監督に影響を与えた作品としても有名。
名優クリストファー・リーを主演に迎えたマリオ・バーバの代表作。殺されたはずの夫の兄・クルトが毎晩現れ、若く美しい妻ネベンカの肌に鞭を振るう。ネベンカは酷い悪夢だと周囲に悩みを打ち明けるが、彼女の肌には不思議と打たれた跡が残っていた。クルトはまだ生きているのだろうか。一族はさらなる悲劇に見舞われる――。美しい映像の中でサドマゾの猟奇を描いた傑作ホラー。本作でマリオ・バーバはカラー作品のホラー映画でも大きな評価を得る。
マリオ・バーバ本人が唯一お気に入りと公言する大傑作ホラー。全編血みどろで本格的スプラッターの元祖。この映画にインスパイアされて作られた作品が、後にホラー映画を代表する人気シリーズになる「13日の金曜日」である事は有名。ある資産家の入江で次々と人々が惨殺されていく壮絶スプラッター作品。
トルストイ、チェーホフ、モーパッサンの短編3作品を原作にしたホラー・オムニバス。絶交した女友達からかかり続ける脅迫電話におののく女性の姿を描いた第1話「電話」、映画全体の案内役も務めるB・カーロフが主演する第2話「吸血ブルダラック」、悪霊の宿った指輪の恐怖を描いた第3話「一滴の水」の3話構成。
VHS、DVDリリースで大ヒットを記録、ホラー秘宝まつりでも大好評だった名作がスクリーンに再登場!人気ホラー・キャラクター“ベリアル”が大暴れ!その出自には悲しきドラマも…。狂暴でありながらやたらと人間臭く、どことなくチャーミングな姿は必見!
ホラーファンに愛され続けるゾンビ映画黎明期の傑作がスクリーンにカムバック! ジョージ・A・ロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」(68)に触発されて製作されたイタリア=スペイン合作のゾンビホラー。舞台はイギリスの田舎町。害虫駆除のために設置された超音波発生機が、あろうことか死者を蘇らせてしまう! ゾンビの仕業なのに殺人犯だと疑われた男女はゾンビの存在を証明することができるのか?
「ナイト・オブ~」が劇場未公開だった日本では、ロメロの「ゾンビ」(78)より早かったこともあって“劇場のスクリーンを賑わせた最初のゾンビ映画”となった。不気味でゴア風味漂う特殊メイクは後に「サンゲリア」(80)などで活躍するジャネット・デ・ロッシ。日本では「悪魔のはらわた」「悪魔のいけにえ」に続く悪魔シリーズ第三弾として宣伝された。
「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」(68)や「ゾンビ」(78)など、ゾンビ映画の第一人者として知られるジョージ・A・ロメロ監督の劇場長編映画4作目であるパニック・ホラー。人間を発狂させる細菌兵器の事故による人々の混乱をセミ・ドキュメントタッチな設定と残酷描写を交えながらの狂人、軍人、生存者の手に汗握る三つ巴で描いた傑作。
舞台はアメリカの田舎。ある日、住人の男性が突然発狂して妻を殺し、家に放火する事件が発生。やがて町に防護服に身を包んだ兵士たちが現れ、伝染病の発生を理由に住人たちを強制的に連行し始めた。数人の住人たちと共に軍の封鎖線からの脱出を試みる主人公たちだが…。
2001年のカンヌ映画祭でグランプリを獲得したミヒャエル・ハネケ監督の97年の作品。そのあまりにも挑発的で暴力的な内容に世界各地で物議を醸した衝撃の問題作。穏やかな夏の午後、バカンスのため別荘へやってきたショーバー一家。そこにペーターと名乗る見知らぬ若者がやって来る。はじめは礼儀正しいペーターだったが、仲間のパウルが現れる頃には態度が豹変。やがて2人は皆殺しを宣言し、一家は彼らによる“ファニーゲーム”の参加者にされてしまう。
鮮血の魔術師とも称されたダリオ・アルジェントの監督3作目となるサスペンススリラー。ロックバンドのドラマー、ロベルトは、黒いハットの男に付きまとわれていた。ある夜、執拗な嫌がらせに腹を立て男に詰め寄ると、はずみで彼を殺してしまう。その現場が覆面を被った人物に撮影され、脅迫電話や不可解な殺人事件が次々と周りで起こり始める。
ある日、ツタンカーメンの墓から棺が発見され、アメリカの大学に移送される。研究チームが放射線を使った調査を始めると、その影響でミイラが甦ってしまう。復活したミイラは次々と殺人を犯していき…。ミイラ、宇宙人、UFOなどを詰め込んだSFホラー。日曜洋画劇場で放送され話題をさらった快作。驚愕のラストシーンは必見!
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