サンゲリア

劇場公開日:

解説

疫病にかかって死んだ人間が、再び生き返って恐しい形相の怪人となり、生きた人間を喰い求めるという恐怖を描く。製作はユーゴ・トゥッチとファブリツィオ・デ・アンジェリス、監督はルチオ・フルチ、脚本はエリザ・ブリガンティ、撮影はセルジオ・サルヴァーティ、音楽はファビオ・フリッツィとジョルジョ・トゥッチ、特殊効果及びメーク・アップはジャネット・デ・ロッシが各々担当。出演はイアン・マッカロック、ティサ・ファロー、リチャード・ジョンソン、オルガ・カルラトスなど。

1979年製作/91分/アメリカ・イタリア合作
原題:Sanguelia
配給:東宝東和
劇場公開日:1980年5月24日

ストーリー

ニューヨークの港内にある日、怪しげな帆船が漂着し、接近した巡視船のパトローラー2人が船内捜索のため乗り移った。が、突然、中から大男が現われ、1人が噛み切られ、他の1人は必死で拳銃を乱射し大男を射殺した。この事件はすぐに伝えられ、やがて、その船のオーナーである船長の娘アン(ティサ・ファロー)がかけつけ、父親が3ヵ月前にアンチル列島に出かけたまま消息を断っていたことを明かした。事件の真相を探るために夜間に帆船に忍び込んだ新聞記者のピーター(イアン・マッカロック)は、そこでアンと出会った。アンも叉、真相を探ろうとしていたのだ。実は少し前にアンのもとに、父親から奇妙な手紙が届いていたのだ。その手紙は自分は奇病にかかり、モルモットにされ、生きてこの島を出られないだろう、という内容のものだった。発信地はマツール島。ピーターは早速、アンと共にアンチル列島のマツール島に向い、途中でバカンスを楽しんでいた若いカップルの2人に案内を頼んだ。一方、問題のマツール島には、島の疫病と闘うメナード医師(リチャード・ジョンソン)と夫人(オルガ・カルラトス)が激しい口論を展開していた。恐しい疫病から逃れるために一刻も早く島を出たいと主張する夫人の希望を、医師は断固として受け入れなかったためだ。彼は疫病にかかって死んだ人間が、2日後に必ず生き返って奇怪な姿となり、生きた人間を襲うという、世にも不思議な事実の原因を突きとめようと、必死に研究を続けていたのであった。マツール島に上陸した4人は、メナードの実験材料として疫病にかかったアンの父親が自らの肉体を提供したことを知って驚く。島の原住民たちは、一斉に大移動を開始し、さらに異変はその勢力を増していった。生き返った死人たちは、メナード夫人の肉をむさぼり、続いて若いカップルの女性を襲い、大群となって次々に人間の肉を求め歩き出したのだ。恐怖の戦いを脱して船に乗り込んだピーターとアンは、一路、ニューヨークをめざした。しかし、その頃、ニューヨークでも、これまで誰も遭遇したことのないような恐しい事態が発生していたのだった。

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映画レビュー

3.0ルチオ・フルチによる亜流ゾンビの傑作!

2023年9月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

ひたすら残酷グロ映像に命を描け、内容が薄い映画をとり続けたフルチおやじ。でも、なぜ日本のホラーマニアファンからこんなに愛されているのでしょうか?

それは、憎めないほどのツッコミどころ満載な映画を作ってくれるんです。確実に他の監督が作ったら批判の嵐なところを、フルチおやじだから許せてしまう!といった感覚。

サンゲリアは特にツッコミどころ満載で、もう観ていてその飛びぬけっぷりには、怖いではなく面白いという言葉しか思いつきません。でも、しっかりグロいんで気軽に観れる映画ではないことは確かです。ということで、フルチおやじの作品は、内容は二の次。ハチャメチャ展開と、グロ映像を楽しむべしです!

と、そのハチャメチャぷりに呆れるくらいですが、ゾンビがノロマ、愛する人がゾンビにそして噛まれる、家の中で囲まれる、内臓ムシャムシャ、そして絶望のラスト。ちゃんとゾンビ映画の基本は抑えているのは感心します。

ラストシーンも秀逸でした。ニューヨークのブルックリン橋をゾンビが歩いていく姿はこの街がこれからの地獄へ向かっている様子が印象深く残ります。撮影は本当の場所でゲリラ撮影したようでにブルックリン橋の下は一般車両が沢山走っています。が、それがまた日常に対比するゾンビという絵が良かったです。

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だいふく

4.0低予算の映画職人が集まった名作

2022年7月15日
Androidアプリから投稿

78年の「ゾンビ」のスマッシュヒットを受けて急遽製作された悪名高き亜流続編。ズバリ原題は「ZOMBIE 2」。邦題は「ゾンビ」の配給元との兼ね合いもあり、赤い鮮血をイメージした洋酒、サングリアをもじった「サンゲリア」となった。当時は死霊の〜とか、〜リアっぽいタイトルの王道作品から亜流作品まで多くの作品が登場していた。

ルチオ・フルチは意外にも本作がホラー初挑戦となるわけだが、それまでの芽の出ない時期を払拭するかのようにグロに底力を見せる。結果的に興行的には成功し、マカロニ・ホラーの帝王としてその名を轟かせる事になる。残虐シーンに置いては、ゾンビが死肉を食らうシーンは本家を越えるえげつなさがある。その他にも美女の眼球串刺しシーンや、ホラーファンでは「名シーン」の呼び声の高いサメとゾンビの格闘シーンまで描かれている。このシーンは製作のウーゴ・トゥッチがフルチに許可なく勝手に追加撮影したというのも有名な逸話だ。腐乱したゾンビのインパクトも大で、必要に応じてゾンビの顔にフルチがポケットに忍ばせたミミズをトッピングするという猟奇趣味を炸裂させる。そして本家と並ぶ70〜80年代を代表するゾンビ・ムービーとなったのである。

物語的には至ってシンプルであり、例えこれが現在製作された作品だったら、幾多ある作品に埋もれてしまうだろうが、ルチオ・フルチというネームバリューと、当時の逸話を知っていると、どこかゾンビにも愛嬌を感じ、思い入れの深い作品になるわけである。この年代のホラーには何か不思議な力があるのかも知れない。

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Mina

2.0サメvsゾンビで最後までやってほしかった

2022年5月13日
iPhoneアプリから投稿

イタリア製ホラーということで露悪と皮肉たっぷりのモンド性を期待してたんだけど、実際はゾンビ映画の常道を愚直になぞるだけの退屈な作品だった。ゾンビの造形が凝りに凝っているだけに脚本の粗が悪目立ちしていた。強いて言えば海中でサメ(たぶん本物)とゾンビが一騎討ちするシーンと、かつて目玉だった部分に気味の悪い虫が湧いたゾンビが土から這い出てくるシーンあたりが数少ない山場だった。なんかもう徹頭徹尾サメvsゾンビ路線を完徹したほうがまだマシだったんじゃないかと思う。これならロメロの『ゾンビ』の方が5億倍面白い。というか比べるのもおこがましい。ちなみに本作の原題は「ZOMBI 2」なんだけど、これは「ZOMBI 1」が存在するということなんだろうか。

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因果

1.0ルチオ・フルチの初ゾンビ作品

2022年3月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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kossy
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