ゲーム原作のおすすめ映画5選 「アンチャーテッド」公開記念【映画.comシネマStyle】
2022年2月20日 13:30
毎週テーマにそったおすすめ映画をご紹介する【映画.comシネマStyle】。
「スパイダーマン」シリーズのトム・ホランド主演で、トレジャーハンターのネイサン・ドレイクが伝説の秘宝や古代都市の謎に挑む人気アクションアドベンチャーゲームを映画化する「アンチャーテッド」が、2月18日から公開中です。そこで今週は、人気ゲームが原作となった、編集部のおすすめ映画5本をご紹介します。
▽「バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」(2021年/107分/ヨハネス・ロバーツ監督)
ミラ・ジョボビッチ主演の実写映画シリーズも大ヒットを記録したカプコンの人気ゲーム「バイオハザード」を、新たなキャスト&スタッフで映画化。
製薬大手アンブレラ社の拠点がある街「ラクーンシティ」の孤児院で生まれ育ったクレア・レッドフィールド(カヤ・スコデラーリオ)は、アンブレラ社がある事故を起こしたことで、街に異変が起きていると警告する不可解なメッセージを受け取り、ラクーンシティへ戻ってきた。ラクーン市警(R.P.D)の兄クリス(ロビー・アメル)とともに、住民たちの変わり果てた姿を目の当たりにしたクレアは、アンブレラ社が秘密裏に人体実験を行ってきたことを知る――。
ジョボビッチ主演の過去シリーズが、なんとなくゲームシリーズを下敷きにしていたのに対し、本作「バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」は、“がっつりゲームに寄せている”ため、ファンは大変嬉しいところでしょう。
物語や設定は、ゲームの「1」「2」を再現。時代は1998年、舞台はラクーンシティ、洋館と市街地でのパニックを並行して描き出しています。
見どころは何と言っても、ゲームファンならば「そんなところまで!」と驚くようなシーンが多数登場する点。例えば洋館では、ある人物がバーのグランドピアノでベートーベンの「月光」を弾く場面があるほか、ラクーン警察ではタンクローリーの横転もあります。
そしてリサ・トレヴァーにまつわるエピソードは……これ以上説明するのは野暮なので、あとは自分で目撃してください。正直に言うと、けっこう賛否が分かれる作品であることは確か。でも僕はかなり楽しめたし、ストレスが吹き飛ぶ爽快感も味わえました。なかなかいいですよ、ぜひ見てみてください。
▽「名探偵ピカチュウ」(2019年/97分/ロブ・レターマン監督)
世界的人気を誇る日本発のゲーム「ポケットモンスター」シリーズの「名探偵ピカチュウ」を、ハリウッドで実写映画化。「デッドプール」シリーズのライアン・レイノルズが、名探偵ピカチュウの声を担当しています。
かつてはポケモンが大好きだった青年ティム(ジャスティス・スミス)は、ポケモンにまつわる事件の捜査へ向かった父ハリーが家に戻らなかったことをきっかけに、ポケモンを遠ざけるように。ある日、ハリーの同僚・ヨシダ警部(渡辺謙)から、ハリーが事故で亡くなったと知らされる。父の荷物を整理するため、人間とポケモンが共存する街ライムシティへ向かったティムは、自分にしか聞こえない人間の言葉を話す“名探偵ピカチュウ”と出会う。かつてハリーの相棒だったという名探偵ピカチュウは、記憶を失っていたが、ハリーはまだ生きていると確信していた。
本作が大ヒットした理由のひとつは、やはりポケモンたちの愛らしさ! ライムシティの風景と自然になじむ佇まいが、「本当に現実にいるのでは……?」と思わせてくれます。なかでも、ともに事件を追うティムとルーシー(キャスリン・ニュートン)のパートナー、ピカチュウとコダックが、抱きしめたくなるほどのかわいさなのです。
公開時には、渋い表情を浮かべるピカチュウ、通称“しわしわピカチュウ”も話題に。しわしわ顔、森のなかを駆けずり回った後のちょっと汚れた感じ、コーヒー中毒でおっさんのような性格。もともと限界突破レベルでかわいいピカチュウに、誰もが胸キュンしてしまう要素が「これでもか!」とばかりに詰め込まれているため、もう最強なんです。
そして冒頭から、人間とポケモンが手を取り合って暮らす街・ライムシティの世界観に引き込まれてしまいます。人間の隣には当たり前のようにポケモンがいて(強面のヨシダ警部の隣にも!)、ポケモンがそれぞれの特性を生かして働いていたりもする(ゼニガメが消火活動に駆り出されている……)。ポケモンど真ん中世代の筆者にとっては、何度も夢想した世界が鮮やかに広がっていました。公開時に劇場を出たあと、ポケモンのいない現実に虚無感がこみ上げてきたので、先にぬいぐるみを準備しておくのも手だと思います。
キャラクターと世界観の素晴らしさはもちろん、冒険や謎解きも最後まで楽しめますし、人間とポケモン、父と子のエピソードに、気付けば涙してしまうはず。ポケモンが大好きな子どもたちだけではなく、大人たちも楽しめる、強度のある物語に仕上がっています。エンドロールもゲーム愛に溢れているので、お見逃しなく!
▽「モータルコンバット」(2021年/110分/R15+/サイモン・マッコイド監督)
世界的人気を誇る対戦型格闘ゲームで、1995年にも一度映画化されている「モータルコンバット」を、新たに実写映画化。
胸にドラゴンの形をしたアザを持つ総合格闘技選手コール・ヤング(ルイス・タン)は、自身の生い立ちを知らないまま、金を稼ぐために戦う日々を送っていた。そんなある日、魔界の皇帝シャン・ツン(チン・ハン)がコールを倒すため、最強の刺客サブ・ゼロ(ジョー・タスリム)を送り込む。コールは特殊部隊少佐ジャックス(メッカド・ブルックス)に言われるがまま女戦士ソニア・ブレイド(ジェシカ・マクナミー)と合流し、地球の守護者ライデン(浅野忠信)の寺院へ向かう。そこでコールは、太古より繰り広げられてきた格闘トーナメント「モータルコンバット」の存在と、自分が魔界の敵と戦うために選ばれた戦士であることを知る。
海外版ゲームを一度だけプレイしたことがあります。いまとなってはアナログ感あふれるシンプルな格闘ゲームなのですが、この最新の映画版は、よくぞここまで見ごたえあるエンタメに昇華させることができたなと舌を巻くほどの出来栄え。最新のVFX技術、世界各国から集結した肉体派俳優たちの熱演、格闘大会と家族の物語を軸とした、シンプルながらも胸を熱くするバランスの良い物語展開で、110分があっという間。続編製作が決定したのも納得です。
日本からは国際的に活躍する俳優ふたりが参戦。昨年惜しくも亡くなられた、ハリウッドスターでもあった千葉真一さんから受け継がれたキレッキレのアクションをスコーピオン役の真田広之さんが世界に魅せつけます。ライデンを演じた浅野さんの、手から雷を発し、笠の下から覗く光るレーザー眼というキャラ造形もミステリアスでたまりません。
日本のふたりのみならず、アジア系の人々にはなじみのある描写が数多くあるのも、この映画の面白さのひとつ。そして特筆すべきは、格闘シーンの血しぶき飛び散るゴア描写。うおっ!と声をあげたくなる残酷なシーンも多いので、苦手な方はお気をつけて、お好きな方は存分に楽しんでください。2月25日からNetflixでの配信もスタートします。
▽「ソニック・ザ・ムービー」(2020年/100分/ジェフ・ファウラー監督)
セガの人気ゲーム「ソニック」シリーズをハリウッドで実写化した作品。主人公ソニックの声を「スター・ウォーズ フォースの覚醒」でBB-8の声を担当したベン・シュワルツさんが務め、日本語吹き替え版では中川大志さんが担当しています。
宇宙最速で走るパワーを持つ青いハリネズミのソニック(声:シュワルツ)が、ひょんなことから出会った保安官トム(ジェームズ・マースデン)の相棒となり、ソニックのスーパーパワーを狙うドクター・ロボトニック(ジム・キャリー)の野望を阻止するために大冒険を繰り広げる。
ソニックが走るシーンの疾走感&爽快感が最高なだけでなく、魅力あふれるキャラクターにも心を奪われました。ゲームではクールなイメージのソニックでしたが、本作では“孤独だった”という要素がプラスされ、思わず心のなかでソニックを抱きしめたくなるようなシーンも。鑑賞後には「ソニック、これからも幸せでいてね」と願わずにいられない多幸感に包まれます。
敵となるロボトニックを演じたキャリーさんは、まさに“怪演”という言葉がぴったり。「マスク」の頃を彷彿とさせる顔芸のほか、生き生きと謎のダンスも披露しています。やっぱりジム・キャリーはこうでなくっちゃ。今年の夏には続編「ソニック・ザ・ムービー ソニック vs ナックルズ」の公開も控えているので、お楽しみに。
▽「サイレントヒル」(2006年/126分/クリストフ・ガンズ監督)
1999年にコナミが発売したホラーアドベンチャー「SILENT HILL(サイレントヒル)」。リメイクを含め9タイトルが製作され、全世界で累計860万本以上を記録し大ヒット、いまなお世界中にファンがいるゲームです。本作は、ゲームの1作目をベースにオリジナルストーリーで実写映画化。ゲームシリーズの音楽を担当している山岡晃が製作総指揮として携わっています。
シルバ夫妻は、娘のシャロン(ジョデル・フェルランド)の夢遊病と「サイレントヒル……」という呻き声に悩まされていた。母のローズ(ラダ・ミッチェル)は、アメリカ・ウエストバージニアにサイレントヒルという街があることを探り当て、シャロンを連れてその街に向かうが、サイレントヒルは地下火災がいまなお続く廃墟となっていた。閉鎖された街に無理やり向かったローズだったが、少女が車の前に現れ事故を起こしてしまう。頭を打ったローズは気を失うが、目を覚ますと隣に乗っていたはずのシャロンがいなくなっており、灰が降り注ぐサイレントヒルの街で探し回るのだが……。
車の事故の後、灰が降り注ぐ真っ白な街のなかで突然聞こえるサイレン、そして下りる帳。もうこの時点で、この後に待つ恐怖に体が強張ってしまいます。真っ暗のなか、懐中電灯ひとつで建物内を進むローズと一緒に、動く“なにか”におびえながら進んでいくと、現れる異形の者ども。もうローズとともに叫びだしそうになります。
ゲームでも“なにか”が近づくと起こるラジオのノイズ音は、映画でも恐怖への入り口として不気味さを強調しています。しかし、ゲームとは違いコントロールすることができないローズは、こちらの覚悟を待たずしてどんどん進んでいってしまう……。「ちょっと待ってくれー」と思いつつも、サイレントヒルの秘密が徐々に見えてくると、どんどん前のめりに見入ってしまいます。ただ怖いだけではない、その先のストーリーの深さに、見終わった後は思わずゲームの購入画面を開いていました。
ゲーム「サイレントヒル3」をもとにした続編映画「サイレントヒル リベレーション3D」も製作されているので、いま一度サイレントヒルに足を踏み入れたい方は是非。
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
マフィア、地方に左遷される NEW
【しかし…】一般市民と犯罪組織設立し大逆転!一転攻勢!王になる! イッキミ推奨の大絶品!
提供:Paramount+
外道の歌 NEW
【鑑賞は自己責任で】強姦、児童虐待殺人、一家洗脳殺人…地上波では絶対に流せない“狂刺激作”
提供:DMM TV
ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い NEW
【全「ロード・オブ・ザ・リング」ファン必見の超重要作】あれもこれも登場…大満足の伝説的一作!
提供:ワーナー・ブラザース映画
ライオン・キング ムファサ
【全世界史上最高ヒット“エンタメの王”】この“超実写”は何がすごい? 魂揺さぶる究極映画体験!
提供:ディズニー
中毒性200%の特殊な“刺激”作
【人生の楽しみが一個、増えた】ほかでは絶対に味わえない“尖った映画”…期間限定で公開中
提供:ローソンエンタテインメント
【推しの子】 The Final Act
「ファンを失望させない?」製作者にガチ質問してきたら、想像以上の原作愛に圧倒された…
提供:東映
映画を500円で観る“裏ワザ”
【知って得する】「2000円は高い」というあなただけに…“超安くなる裏ワザ”こっそり教えます
提供:KDDI
モアナと伝説の海2
【モアナが歴代No.1の人が観てきた】神曲揃いで超刺さった!!超オススメだからぜひ、ぜひ観て!!
提供:ディズニー
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。