田中泯×犬童一心×山村浩二「名付けようのない踊り」釜山国際映画祭出品決定! コメントも到着
2021年9月15日 10:00
「ジョゼと虎と魚たち」「メゾン・ド・ヒミコ」「のぼうの城」で知られる犬童一心監督が、世界的なダンサーとして活躍する田中泯の踊りと生き様を追った映画「名付けようのない踊り」が、第26回釜山国際映画祭ワイドアングル:ドキュメンタリー・コンペ部門に正式出品されることがわかった。あわせて、田中、犬童監督のコメントも到着した。
1978年にパリデビューを果たし、世界中のアーティストと数々のコラボレーションを実現させている田中。そのダンス歴は現在までに3000回を超え、「たそがれ清兵衛」から始まった映像作品への出演も、ハリウッドからアジアまで広がっている。そんな独自の存在であり続ける田中を、「メゾン・ド・ヒミコ」への出演オファーをきっかけに親交を重ねてきた犬童監督が、17年8月から19年11月まで、ポルトガル、パリ、東京、福島、広島、愛媛などを巡りながら撮影。この間に田中は72歳から74歳になり、5カ国、48カ所で90の踊りを披露。その一部を切り取り、1本の稀有な映画が誕生した。
同じ踊りはなく、ジャンルにも属さない唯一無二の“場踊り”を、息がかかるほど間近にいるかのように体感できる「名付けようのない踊り」。犬童監督は「頭山」で海外の名高い賞に輝いた山村浩二によるアニメーションを交えながら、情感豊かに“田中泯の人物像”をひも解いていく。
犬童監督の作品が釜山国際映画祭にて上映されるのは「メゾン・ド・ヒミコ」「グーグーだって猫である」に続き3度目のこと。ワイドアングル:ドキュメンタリー・コンペ部門には、世界中から寄せられた応募作の中から10作品のみが出品。本作が唯一の日本映画となっている。
「名付けようのない踊り」には、石原淋、中村達也、大友良英、ライコー・フェリックス、松岡正剛も参加。22年に全国公開。田中、犬童監督のコメントは以下の通り。
初めての映画出演が57歳。「たそがれ清兵衛」という侍映画で、時代に翻弄された剣豪の侍を演じました。その後に「メゾン・ド・ヒミコ」という映画でトランスジェンダーのヒミコ役を僕に要求してきたのが犬童一心監督でした。以来、犬童監督は僕の踊りをとにかくたくさん見続けてくれた観客の一人でありました。さて…僕は一人のダンサーです。僕を知る人は映画の中の俳優の田中泯を知っている人が大多数かと思います。でも僕は踊りに心の底から惚れたダンサーです。戦後の日本が、いや世界中が変わろうとしていた60年代から僕なりに続けてきたわがままな表現が、カラダだけで存在を表わすダンスでした。こんな形で僕の人生の大事な一部分が映画になっていることを、今の僕にはどこか恥ずかしく嬉しい気持ちがしています。犬童監督の作品として多くの人にダンサーの生きる一例を見てもらえると嬉しいかな…と思います!
「名付けようのない踊り」が釜山国際映画祭で上映される日をずっと心に描いていたので、本当に嬉しいです。
私の作品「ジョゼと虎と魚たち」を発見してくれて、それ以来ずっと支えてくれた韓国の皆さんが、この映画の最初の観客であることもとても自然に感じました。田中泯さんの胸騒ぎに満ちた日々、圧巻のダンスをスクリーンで是非堪能してください。
この作品のじっくりゆっくり静かな時間の流れを思う存分味わってください。