安藤サクラ、柄本佑との夫婦W受賞に歓喜「こんなお祭り騒ぎもうない」
2019年2月11日 00:15
[映画.com ニュース] 日本で最も歴史のある映画賞「第92回キネマ旬報ベスト・テン」の表彰式が2月10日、東京・文京シビックホールで行われた。
作品賞に当たる日本映画ベスト・テン第1位、読者選出日本映画監督賞、安藤サクラの主演女優賞と、故樹木希林さんの特別賞も合わせ“4冠”を達成した「万引き家族」。是枝裕和監督は英アカデミー賞に参加のため欠席したが、2004年「誰も知らない」以来の1位獲得に「こうなったら欲張って3度目を目指したい」と意欲のコメントを寄せた。
最も会場を沸かせたのが安藤と、「きみの鳥はうたえる」など3作品で主演男優賞に輝いた柄本佑との夫婦ダブル受賞。公の場でのツーショットは約5年半ぶりで、先に受賞した安藤は「先にしゃべると思わなかったからどうしよう、緊張しちゃって。でも、こんなお祭り騒ぎはもうないから」と感激の涙を流した。
対する柄本は、昨年10月に母の角替和枝さんを亡くし「直接報告することはできなかったが、今日も出てくる時に会場を伝えたのでどこかにいると思う」としみじみ。そして、「母親の口癖は『何もない日万歳』だったけれど、今日は『何もなくない日万歳』と言ってくれると思う」と喜びをかみしめた。
司会者が柄本に同時受賞のコメントを求めると、安藤が「そういうのはいいんです。男はドンと構えていればいい」と制し、夫を立てる一幕も。さらに、父の奥田瑛二から祝福の手紙が読み上げられるサプライズもあり、「安藤家も柄本家も、ワイロは渡していません」とおどけ、仕事のため途中退席した柄本を手を振って見送った。
「孤狼の血」で助演男優賞の松坂桃李は、新人賞以来7年ぶりの受賞に「マネジャーが(出演の判断を)ゆだねてくれたのがうれしいと同時に、誰にも渡したくない、絶対にやり遂げてやると思った。7年分の重みをしっかりと受け止め、ひとつひとつ着実に、粛々とやっていきたい」とさらなる意欲。安藤と柄本に対しては、「2人とも心を許せる友だと思っている。夫婦っていいなあと思った」と称えた。
日本映画監督賞と日本映画脚本賞も受賞した「菊とギロチン」と、「鈴木家の嘘」で新人女優賞を射止めた木竜麻生は、「自分にも作品にも誠実に向き合っていきたい」と感涙。同じく「菊とギロチン」が初めての撮影だった寛一郎は、父の佐藤浩市から「おめでとう」とLINEが来たことを明かし、「新人賞はある種の期待値。これからも映画の中でまい進していけたら」と決意を新たにした。
第92回キネマ旬報ベスト・テンは以下の通り。
・日本映画ベスト・テン1位:「万引き家族」
・外国映画ベスト・テン1位:「スリー・ビルボード」
・文化映画ベスト・テン1位:「沖縄スパイ戦史」
・日本映画監督賞:瀬々敬久「菊とギロチン」「友罪」
・外国映画監督賞:マーティン・マクドナー「スリー・ビルボード」
・主演女優賞:安藤サクラ「万引き家族」
・主演男優賞:柄本佑「きみの鳥はうたえる」「素敵なダイナマイトスキャンダル」「ポルトの恋人たち 時の記憶」
・助演女優賞:木野花「愛しのアイリーン」
・助演男優賞:松坂桃李「孤狼の血」
・新人女優賞:木竜麻生「菊とギロチン」「鈴木家の嘘」
・新人男優賞:寛一郎「菊とギロチン」
・読者選出日本映画監督賞:是枝裕和「万引き家族」
・読者選出外国映画監督賞:マーティン・マクドナー「スリー・ビルボード」
・キネマ旬報読者賞:立川志らく
・特別賞:樹木希林
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
【推しの子】 The Final Act NEW
【忖度なし本音レビュー】原作ガチファン&原作未見が観たら…想像以上の“観るべき良作”だった――!
提供:東映
物語が超・面白い! NEW
大物マフィアが左遷され、独自に犯罪組織を設立…どうなる!? 年末年始にオススメ“大絶品”
提供:Paramount+
外道の歌 NEW
強姦、児童虐待殺人、一家洗脳殺人…地上波では絶対に流せない“狂刺激作”【鑑賞は自己責任で】
提供:DMM TV
全「ロード・オブ・ザ・リング」ファン必見の超重要作 NEW
【伝説的一作】ファン大歓喜、大興奮、大満足――あれもこれも登場し、感動すら覚える極上体験
提供:ワーナー・ブラザース映画
ライオン・キング ムファサ
【全世界史上最高ヒット“エンタメの王”】この“超実写”は何がすごい? 魂揺さぶる究極映画体験!
提供:ディズニー
ハンパない中毒性の刺激作
【人生の楽しみが一個、増えた】ほかでは絶対に味わえない“尖った映画”…期間限定で公開中
提供:ローソンエンタテインメント
【衝撃】映画を500円で観る“裏ワザ”
【知って得する】「2000円は高い」というあなただけに…“超安くなる裏ワザ”こっそり教えます
提供:KDDI
モアナと伝説の海2
【モアナが歴代No.1の人が観てきた】神曲揃いで超刺さった!!超オススメだからぜひ、ぜひ観て!!
提供:ディズニー
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。