愛しのアイリーン
劇場公開日:2018年9月14日
解説
「ワールド・イズ・マイン」「宮本から君へ」など社会の不条理をえぐる作品で知られる新井英樹が、国際結婚した主人公を通して地方の農村が内包する問題を描いた同名漫画を実写映画化。新井の漫画が映画化されるのはこれが初めてで、安田顕が主演、「ヒメアノ~ル」の吉田恵輔監督がメガホンを取った。42歳まで恋愛を知らず独身でいた岩男が、久しぶりに寒村にある実家に帰省する。しかし、実家では死んだことすら知らなかった父親の葬式の真っ最中だった。そんなタイミングで帰ってきた岩男がフィリピン人の嫁アイリーンを連れていったため、参列者がざわつき出し、その背後からライフルを構えた喪服姿の母親ツルが現れる。安田が主人公の岩男を演じ、アイリーン役にはフィリピン人女優のナッツ・シトイを起用。そのほか木野花、伊勢谷友介らが出演。
2018年製作/137分/R15+/日本
配給:スターサンズ
スタッフ・キャスト
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2020年10月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
何の気なしに配信で観て、寒々とした情景と途方もない熱量に衝撃を受けた。吉田恵輔監督の作品については、「純喫茶磯辺」「ばしゃ馬さんとビッグマウス」あたりを好ましく思った一方、「麦子さんと」から「ヒメアノール」まではあまり自分に合わない気がしていた。本作は新井英樹による原作漫画と吉田監督の作風との相性が格別で、相乗効果が生まれたのだろう。衝撃の余韻は尾を引き、吉田監督作の「さんかく」「犬猿」、そして新井原作の「宮本から君へ」のドラマ版~映画版へと立て続けの鑑賞に繋がった。配信は便利だが、時間を奪われる…。
安田顕は前半のさえない中年ぶりから、ある事件以降の眼光をギラつかせた凄味へ、変貌の振れ幅が圧巻。木野花による地方の保守性と閉鎖性を体現する老母の怪演も、河井青葉が醸し出す投げやりに生きる女の色気もたまらない。吉田監督の2021年公開予定作「空白」が待ち遠しくなった。
𠮷田恵輔作品で役者が良くないなんてことはほとんどあり得ないが、本作の役者陣のみごとさも想像を超えてきた。
アイリーン役のナッツ・シトイの好演は、ビジュアルがピッタリなこともあって「原作から飛び出してきたような」と表現しやすい。しかし安田顕と木野花の「原作から飛び出してきたような」は種類が違う。二人ともビジュアルは原作とまったく似ていないのに、キャラの魂が取り憑いたかのようにごつごつと荒々しく画面の中に息づいている。演技であることは承知しているのに、その生々しさに圧倒される。木野花なんてドラマ「この世界の片隅に」で似た風体で出ているせいで、こっちでもいつ暴れ出すかと無駄にハラハラしてしまった。
𠮷田監督はこの原作に惚れ込んで、長年映画化を待ち望んでいたというが、原作がこの監督を得たことも幸せだっただろうと思う。その分、𠮷田監督らしさより原作の映像化を優先したようにも感じたが、高校時代は学年一の美少女だったろうと思わせるくたびれた中年女性役に河井青葉をキャスティングする的確な意地悪さには、さすが𠮷田監督とうならされた。
2022年12月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
が、私にはちょっと生理的に受け付けない作品でした。
会社の人に勧められて観てみましたが無理です。
2022年8月5日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
首都圏郊外の地方都市で血の繋がりの濃いお話。そこに外国人妻が絡んできて「愛」とは「情」とはを深く染み渡らせる映画。衝撃だった・・傑作です。