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はかなくも情熱的な美しき男たちの純愛映画10選

2018年4月29日 19:00

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「君の名前で僕を呼んで」など名作を厳選
「君の名前で僕を呼んで」など名作を厳選
(C)Frenesy, La Cinefacture

[映画.com ニュース] 美青年たちの恋愛模様を描き、今年の賞レースをにぎわせた「君の名前で僕を呼んで」が日本でも公開を迎えた。社会全体としてLGBTQへの関心が高まりつつあるなか、映画でも同性愛を題材にした作品が存在感を増している。そこで今回は「美しき男たちの純愛映画」を紹介する。

▽「君の名前で僕を呼んで」(2017)
 1980年代の北イタリア、17歳の少年エリオが、24歳の大学院生オリヴァーと出会い、初恋にして、ひと夏の恋を経験する。才能がほとばしるエリオ役のティモシー・シャラメと、気品たっぷりに心の機微を表現したオリヴァー役のアーミー・ハマーのケミストリーは、見事のひと言に尽きる。第90回アカデミー賞で脚色賞を受賞した、89歳の巨匠ジェームズ・アイボリーのみずみずしい感性が冴えわたる。
▽「モーリス」(1987)
 前述のジェームズ・アイボリーが、約30年前に脚本・監督を手がけた文芸ロマン。20世紀初頭のケンブリッジ大学、中産階級出身の学生モーリスジェームズ・ウィルビー)は、上流階級のクライヴとプラトニックな恋愛関係になるが……。クライヴ役は、90年代の“ロマコメの帝王”ヒュー・グラント。製作30周年を記念した4Kデジタル修復版「モーリス 4K」が4月28日からリバイバル公開。
▽「アナザー・カントリー」(1984)
 ルパート・エベレットコリン・ファースが共演した、日本における第1次英国俳優ブームの火付け役といわれる青春ドラマ。1930年代、上流階級の子息しか入学できない全寮制のエリート学校を舞台に、同性愛ゆえに出世コースから脱落してしまうベネット(エベレット)と、共産主義に傾倒する親友のジャド(ファース)の友情を、のちにソ連のスパイとなったベネットの回想形式で描いた。
▽「マイ・プライベート・アイダホ」(1991)
 故リバー・フェニックスさんとキアヌ・リーブスが男娼を演じた、ガス・バン・サント監督の青春ロードームービー。突発的に眠りに襲われる奇病を抱え、自分を捨てた母親を探す旅に出るマイク(フェニックス)と、同性愛に否定的ながら、市長である父親に反発して男娼として生きるスコット(リーブス)。心のよりどころを求める破滅的な魂のふれあいが胸を打つ。
▽「ブロークバック・マウンテン」(2005)
 1960年代初頭のアメリカ・ワイオミングで、厳しいキャンプ生活の中で結ばれたカウボーイたちの秘めた愛を描いた。当時ハリウッド期待のホープだった故ヒース・レジャーさんとジェイク・ギレンホールが共演。大自然を背景に普遍的な愛の物語を描き出したアン・リー監督は、アカデミー賞監督賞をアジア人ではじめて受賞した。
▽「ムーンライト」(2016)
 同性愛を描いた作品ではじめてアカデミー賞作品賞に輝いた記念碑的な作品。米マイアミの貧困地域で暮らす内気な少年シャロンは、やがて唯一の友だちケヴィンに友情以上の思いを抱くが打ち明けられないまま月日が過ぎ……。月明かりの下で青く輝く肌と、プラトニックな結末は息をのむ美しさだ。
▽「バッド・エデュケーション」(2004)
 スペインの鬼才ペドロ・アルモドバル監督の半自伝的作品。映画監督のエンリケ(フェレ・マルティネス)のもとに、神学校時代の初恋の相手イグナシオ(ガエル・ガルシア・ベルナル)が私小説を映画化してほしいとやってくるが、その裏には悲しい秘密が隠されていた。ミステリーのような展開と、ラテン系の情熱的で赤裸々な描写が圧倒的。
▽「ブエノスアイレス」(1997)
 香港を代表するフィルムメーカー、ウォン・カーウァイ監督の代表作でも、ラテンの刹那的な恋愛模様が織り成される。香港から地球の裏側アルゼンチンのブエノスアイレスにやってきた恋人たちを、レスリー・チャントニー・レオンが演じた。モノクロと極彩色のコントラストが、対極的だからこそ引かれ合い反発しあう2人の激しい思いを際立たせる。
▽「フィリップ、きみを愛してる!」(2009)
 ジム・キャリーユアン・マクレガーが実在のゲイのカップルを演じた本作は、奇想天外なコメディドラマに仕上がっている。元警官の詐欺師スティーブ(キャリー)が、収監された刑務所で出会った青年フィリップにあの手この手で求愛。その思いを必死に受け止めようとするマクレガーの子犬のようなまなざしに、引き込まれてしまうだろう。
▽「ベニスに死す」(1971)
 若さへの憧憬がクラシカルかつ耽美的に描かれた名作。療養のためにベネチアにやってきた老作曲家アシェンバッハは、ホテルで見かけた美少年タジオにひと目で心を奪われ、死を目の前にしてなおときめきを覚える。ルキノ・ビスコンティ監督が発掘した“奇跡”の逸材、タジオ役のビョルン・アンドレセンの神々しいまでの美ぼうは、映画ファンならずとも必見だ。

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