【全米映画ランキング】シャマランの新作スリラーがV 「トリプルX」続編は2位デビュー
2017年1月25日 17:00
[映画.com ニュース]第45代アメリカ大統領就任式が行われ、全米各地でデモが起こった先週末。全米ボックスオフィスは、ジェームズ・マカボイ主演のサイコスリラー「スプリット」が約4000万ドルのオープニング興収で見事首位デビューを果たした。
同作は「シックス・センス」「アンブレイカブル」「サイン」などのヒット作で知られるM・ナイト・シャマラン監督の最新作。23の人格を持つスキンヘッドの男(マカボイ)に拉致・監禁された3人の少女たちは、男の人格の一人が「獣」と呼び恐れる24番目の人格が目覚める前に脱出を試みるが……。批評家の評価が分かれることが多いシャマラン監督作だが、今作のレビューは概ね良好で、興行にも反映されたか、シャマラン監督としては「ヴィレッジ」(04年)以来、実に13年ぶりの首位デビュー作となった。共演にアニャ・テイラー=ジョイ、ヘイリー・ル・リチャードソン、ベティー・バックリー。プロデューサーは「パラノーマル・アクティビティ」「インシディアス」などで知られるホラー専科のジェイソン・ブラム。
首位「スプリット」の半分となる約2000万ドルのOP興収で2位デビューとなったのは、ビン・ディーゼルが主役にカムバックしたスパイアクション「トリプルX 再起動」。第1作「トリプルX」(02年)のあと、05年にアイス・キューブを主演に第2作「トリプルX ネクスト・レベル」が製作されたがヒットには至らず、シリーズが中断。今回、主演復帰で「ワイルド・スピード」シリーズを復活させた実績のあるディーゼルを再び主役に据え、12年ぶりにシリーズを再起動させたが、華々しい再スタートにはならなかった。メガホンをとったのは「テイキング・ライブス」「イーグルアイ」などのD・J・カルーソ。共演はシリーズ全てに出演しているサミュエル・L・ジャクソンのほか、ドニー・イェンやトニー・ジャーといったアクションスターに、演技派トニ・コレット、サッカー選手ネイマールなど。
3位は2週連続の首位から陥落の「Hidden Figures」で、累計興収は約8300万ドルに。4位「SING シング」は累計2億5000万ドルが目前となっている。1月24日の夜(日本時間)に発表される第89回アカデミー賞で最多ノミネートが期待されるミュージカル「ラ・ラ・ランド」は5位に。累計を約8900万ドルとし、今月中に1億ドルの大台を超える見込みだ。
その他、マイケル・キートン主演でマクドナルド創業者の半生を描いた実録ドラマ「The Founder」は1100サイト規模の公開ながらOP興収約340万ドルにとどまり、圏外11位デビューとなってしまった。
今週末は、日本では昨年末から公開されているミラ・ジョボビッチ主演の大ヒットシリーズ最終章「バイオハザード ザ・ファイナル」に、マシュー・マコノヒー主演の冒険ドラマ「Gold」などが公開となる。
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
第86回アカデミー作品賞受賞作。南部の農園に売られた黒人ソロモン・ノーサップが12年間の壮絶な奴隷生活をつづった伝記を、「SHAME シェイム」で注目を集めたスティーブ・マックイーン監督が映画化した人間ドラマ。1841年、奴隷制度が廃止される前のニューヨーク州サラトガ。自由証明書で認められた自由黒人で、白人の友人も多くいた黒人バイオリニストのソロモンは、愛する家族とともに幸せな生活を送っていたが、ある白人の裏切りによって拉致され、奴隷としてニューオーリンズの地へ売られてしまう。狂信的な選民主義者のエップスら白人たちの容赦ない差別と暴力に苦しめられながらも、ソロモンは決して尊厳を失うことはなかった。やがて12年の歳月が流れたある日、ソロモンは奴隷制度撤廃を唱えるカナダ人労働者バスと出会う。アカデミー賞では作品、監督ほか計9部門にノミネート。作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門を受賞した。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。