東京国際映画祭「キツツキと雨」が審査員特別賞 仏映画がグランプリ含む2冠
2011年10月30日 16:23

[映画.com ニュース] 第24回東京国際映画祭の授賞式が10月30日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、フランス映画「最強のふたり」が最高賞となる東京サクラグランプリを受賞。役所広司と小栗旬が初共演を果たした日本映画「キツツキと雨」が審査員特別賞を受賞した。
「キツツキと雨」は、ゾンビ映画の撮影隊をまとめきれずパニック寸前の新人監督(小栗)と、無理やり手伝わされるハメになったものの徐々に映画製作の面白さにはまっていく木こりの(役所)コラボレーションを描いた。
沖田修一監督は「ちょっとびっくりしているのでうまくしゃべれるか自信がありません」と緊張の面持ちで登壇。「コンペティションの中で日本映画は1本ということで大きなプレッシャーでした。頑張れって言われましたが、映画はもうできちゃっているんで……、頑張りようがないよなと思いました(笑)。上映での反応が良かったと聞いて、それだけで満足でしたが、こういう場に上げられますと無心ではいられません。地方ロケでたくさんの方の力を借りて作った映画です。またここに帰ってこられるように頑張りたいと思います」と喜びを語った。
東京サクラグランプリを受賞した「最強のふたり」は、パラグライダーでの事故で、首から下が完全に麻痺してしまった富豪のフィリップは、刑務所を釈放されたばかりの黒人青年ドリスを介護役に抜てきする。実話に基づき、ふたりの交流を映画化したヒューマンコメディ。
共同で監督と脚本を手掛けたエリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ両監督は今回来日が果たせず、「公開に合わせて東京にうかがいます。とってもうれしいです、ありがとう東京!」とビデオメッセージを寄せた。
審査委員長を務めたエドワード・R・プレスマンは、「映画は寺院であり、教会であり、その時代を象徴します。今回顕著だったのは、移民と移民による文化のぶつかり合いを描いていました。『最強のふたり』でもぶつかり合いと調和を描いていました」と優秀作品の傾向を振り返った。
最優秀監督賞はスウェーデン=デンマーク=フランス合作「プレイ」のリューベン・オストルンド監督が受賞。最優秀女優賞は、アイルランド映画「アルバート・ノッブス」で、男性執事に扮する女性を演じたグレン・クローズに、最優秀男優賞はグランプリのフランス映画「最強のふたり」で、事故により首から下が麻痺した主人公を演じたフランソワ・クリュゼと介護役の青年を務めた、オマール・シーの2人に贈られた。
日本のインディペンデント映画に贈られる「日本映画・ある視点部門作品賞」を受賞した「ももいろそらを」の小林啓一監督は、「自分がいるのが信じられなくて緊張しています。夢じゃないでしょうね。タイトルを書いてくれた亡くなった祖父に感謝しています。重いバトンを受け取った心境でいます。次にもらう人のプレッシャーにしたいと思います」と語った。
▼東京サクラグランプリ:「最強のふたり」
▼審査員特別賞:「キツツキと雨」
▼最優秀監督賞:「プレイ」リューベン・オストルンド監督
▼最優秀女優賞:グレン・クローズ「アルバート・ノッブス」
▼最優秀男優賞:フランソワ・クリュゼ、オマール・シー「最強のふたり」
▼最優秀芸術貢献賞:「転山」「デタッチメント」
▼観客賞:「ガザを飛ぶブタ」
▼最優秀アジア映画賞:「クリスマス・イブ」
▼アジア映画賞スペシャル・メンション:「TATSUMI」「鏡は嘘をつかない」「ラジニカーントのロボット(仮)」
▼日本映画・ある視点部門作品賞:「ももいろそらを」
▼TOYOTA Earth Grand Prix:「鏡は嘘をつかない」
▼TOYOTA Earth Grand Prix審査員特別賞:「ハッピー・ピープル タイガで暮らす一年」
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