劇場公開日:

首

解説

北野武が構想に30年を費やして監督・脚本を手がけ、「本能寺の変」を題材に壮大なスケールで活写した戦国スペクタクル映画。武将や忍、芸人、農民らさまざまな人物の野望と策略が入り乱れる様を、バイオレンスと笑いを散りばめながら描き出す。

天下統一を目指す織田信長は、毛利軍、武田軍、上杉軍、京都の寺社勢力と激しい攻防を繰り広げていた。そんな中、信長の家臣・荒木村重が謀反を起こして姿を消す。信長は明智光秀や羽柴秀吉ら家臣たちを集め、自身の跡目相続を餌に村重の捜索命令を下す。秀吉は弟・秀長や軍師・黒田官兵衛らとともに策を練り、元忍の芸人・曽呂利新左衛門に村重を探すよう指示。実は秀吉はこの騒動に乗じて信長と光秀を陥れ、自ら天下を獲ろうと狙っていた。

北野監督がビートたけし名義で羽柴秀吉役を自ら務め、明智光秀を西島秀俊、織田信長を加瀬亮、黒田官兵衛を浅野忠信、羽柴秀長を大森南朋、秀吉に憧れる農民・難波茂助を中村獅童が演じる。

2023年製作/131分/R15+/日本
配給:東宝、KADOKAWA
劇場公開日:2023年11月23日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第47回 日本アカデミー賞(2024年)

ノミネート

最優秀助演男優賞 加瀬亮
最優秀撮影賞 浜田毅
最優秀照明賞 高屋齋
最優秀美術賞 瀬下幸治
最優秀録音賞 高野泰雄
最優秀編集賞 北野武 太田義則
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映画レビュー

5.0本当に見たかった戦国絵巻

2023年11月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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猿田猿太郎

4.0狂気を引き出すコメディの妙。そのバランス感覚がすごい。

2023年11月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

◯作品全体
本作のポスターにも書いてある「狂ってやがる」な人物たちとは対照的に、バランス感覚のある作劇だった。織田家の中でも重臣同士で探りあいがあり、あわよくば上手く出し抜いて突き落そうとする関係性は、言ってしまえば北野監督の『アウトレイジ』と同じ文脈だと思う。しかし、そこにコメディチックな演出や同性愛の要素を入れることで人間味を醸し出し、シリアスとコメディの雰囲気、どちらにも偏りすぎずに物語が展開されていく。

これをシリアスな要素だけに傾けるならば、やはり『アウトレイジ』になるし、シリアスとコメディを切り分けると『ソナチネ』になってしまう。さらに言えば過去2作品はどちらも現代を舞台としていて、「日常の中にある狂気」が一番の特色になっていた。本作では戦国時代である以上、時代劇という背景が付いて回る。その時代の日常ももちろんあっただろうが、今とは異なる生活を見せたところで狂気が引き立つとは思えない。

だからこその、コメディなのだと思う。コメディの写し方は徹底して秀吉、秀長、官兵衛をトリオユニットのように写す。3人が映るカットはほとんどがフルショットで、現代に放送されているバラエティ番組のカメラのようだ。しかし話す内容は光秀への策謀であり、曽呂利の使い捨て方だ。コメディチックな雰囲気をまとうのは各シーンのわずかな時間だが、策謀で生み出される因果の生生しい描写によって「人間味ある狂気」という不気味極まる絵面が作られていた。

物語の流れだけ追ってしまうと、本能寺の変を取り巻く策謀を秀吉と光秀を中心に描いた歴史ドラマ、という大河ドラマや正月特番で見たような作品だ。しかし、戦国時代の人物たちの考えや行動によってもたらされた結果がどれだけ惨たらしいものだったか、というのはドラマでは綺麗に撮られすぎているし、教科書では「倒した」で終わってしまう。グロテスクなだけでは「それがあたりまえ」の映画になってしまうという凄惨さをコメディによって絶妙なバランスで映しているのが、この映画の凄いところだと思う。

コメディと狂気を内包するラストの首実検のシーンは、まさしく集大成だった。数多く転がった首を整えさせ、三人でそれを吟味する。やっていることはグロテスクそのものだが、あの時代での大将の判別はそうするしかないし、当然の行為なのかもしれない。それでも茂助を思い出し軽口を叩きながら首を眺める3人は、コメディであり狂気だ。その2つの要素が絶妙に同じ画面でひしめいているのが、とにかく不気味で、面白い。

◯その他
・序盤で茂助が一番狂ってると思ったけど、最後まで見ていると一番の常識人だとわかる。庶民が狂気の世界に踏み出したことでわかりやすく狂ってしまったけど、一番狂ってるのは狂っているのかわからないぐらい狂気の世界に浸かったやつらなんだな、と。最後まで友人の幻影を見ているところで、狂いきれなかった茂助が透けて見えた気がした。

・なんか『真田丸』っぽいキャラが多かった。徳川家康のちょっと抜けた感じとか、般若の佐兵衛がまんま出浦昌相だったりとか。でも北野監督の気持ちはわかる。出浦昌相やってる寺島進かっこよかったもん。本作もやっぱりかっこよかった。

・信長がバリバリの名古屋弁っていうのがツボだった。「やっとかめ」って歌以外で初めて聞いた。

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すっかん

3.5北野監督のドライな死生観が時代背景にマッチする戦国アウトレイジ

2023年11月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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ニコ

4.0Origins of the colloquial term

2024年7月23日
iPhoneアプリから投稿

Kubi is the perfect pairing to Shogun, featuring part of the story of the TV series and some of the same characters with their original names. It’s among the most ambitious Japanese historical productions in recent memory, perhaps since Sekigahara. Based on Kitano’s novel, he balances Japan’s feudal history with his own career achievements. A bloody and stylish look at Japan’s fascinating past.

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Dan Knighton