海を駆ける
劇場公開日:2018年5月26日
解説
第69回カンヌ国際映画祭ある視点部門で審査員賞を受賞した「淵に立つ」の深田晃司監督が、ディーン・フジオカを主演にインドネシア、スマトラ島のバンダ・アチェでオールロケを敢行したオリジナル脚本によるファンタジー作品。インドネシア、バンダ・アチェの海岸で倒れている謎の男が発見される。片言の日本語やインドネシア語を話すその男は、海で発見されたことからインドネシア語で「海」を意味する「ラウ」と名づけられた。NPO法人で災害復興の仕事をしている貴子と息子のタカシ、親戚のサチコは、記憶喪失ではないかと診断されたラウをしばらく預かり、身元捜しを手伝うこととなる。ラウはいつもただ静かにほほ笑んでいるだけだったが、そんなラウの周辺ではさまざまな不可思議な現象が起こりはじめていた。フジオカが謎の男・ラウを演じ、貴子役を鶴田真由、タカシ役を太賀、サチコ役を阿部純子がそれぞれ演じる。
2018年製作/107分/G/日本・フランス・インドネシア合作
配給:東京テアトル
スタッフ・キャスト
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2022年3月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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こういう事かな、と自分の中で納得している部分のメモ。正解かどうかわからないけど、「わからない!」と騒ぐ方は、むやみに☆1を付ける前に、こういう見方もあるのかくらいの参考として読んでいただきたい。
ラウはかかわった人の望みをシンプルに叶えるだけの存在。死を望んだら死をもたらす。ラウを息子と勘違いしたおじいさんの命を奪っているのは、それを望んでいたからだと理解できる。
ならば鶴田真由を倒した(気絶?死んだ?)のは何故なのか?あの時点で鶴田真由が何をしてて何を望んでいたかわからないけど、追っていたのは蝶、蝶は柑橘類等に卵を産む。鶴田真由が実を取っていた木に蝶が卵を産んで、それに近寄る存在(鶴田真由)を消したいと思ったら、ラウはその願いを聞き入れるのでは?
少年たち4人が死んだと聞かされるシーン。死んですぐ葬式というのはあまりにもせっかちすぎると思うがそれは演出上の問題だとして。歌を歌っていた少年の後ろで滝がさかのぼる。ラウが海なら、その元となる川を象徴するものは少年の形を取る……ということ?しかしこの少年もラウも水の化身のようなものだから、見る人にとっては同じ存在に映るのかもしれない。(観客ははっきり違う存在としてみている)
少年4人の命を欲したのは誰なのか?描かれていないが、例えば川魚とか?
最後の海の上を走るシーンは、キリストの奇蹟をほうふつとさせる。そういえば「淵に立つ」でもキリスト教的モチーフが垣間見えた。
害する事も「他の存在が望んだからそれを叶えただけ」と見るならば、そして海=ラウをそのような存在として見るならば、スマトラの津波や東日本大震災の津波も、「だれかが望んだことを海が叶えただけ」なのだろうか?
映画にはダイレクトにはそれが誰かは描かれていないが、実社会を眺めると、そういう存在がいるという考え方もあるかもしれない。陰謀論ではなく、キリスト教での原罪に近い考え方。あるいはガイア理論か。
こじつけようとすればここまで出来るような作りをしているが、監督が詳細を明言していないのはあえて明言を避けているように思える。それを明言する責任を、「見た人がそれぞれ感じれば」という言葉で逃げているようにも思える。
そういう描き方は好きではないのだけど、そういうスタイルでも良いと思うならそういう人が見れば良い。
見たいのは答えのない謎かけではなく、これを作りたかった、これを訴えたかったという監督の「覚悟」なんだよな~それがイマイチ感じ取れなかったので☆3。
2020年5月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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ディーンと鬼才深田晃司監督の初タッグだから超期待しました。しかも旅先で時間みつけて観賞したのに...
睡魔に襲われました。ディーンがいきなり鶴田真由を殺してしまったり、最後海を本当に駆けたり、わけのわからない迷作になってしまいました。
2020年4月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
ちょっと良く分からない超能力のような力を持つ男。魚、植物、人の生死を操れるようだけど、何が目的で、どういう優先順位で命を扱っているのか良く分からない。
2019年7月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ディーンフジオカ演じる、忽然と海から現れた不思議な男ラウ(インドネシア語で「海」を意味するそうです) の佇まいに引き込まれる。
スマトラ地震の被災地であるパンダ・アチェを舞台に、物語はラウが行う不思議な行為を見せつつ緩やかに進む。
ラウを取り巻く鶴田真由、太賀、阿部純子が良い。特に太賀の役作り(現地語を滑らかに喋る風貌と相まって)に驚く。良い役者さんである。
生き物の生と死の有り様は人知の及ばない何かに委ねられている というメッセージを私は感じた。
ラストシーンも含めて、心に残る作品である。
<2018年7月2日 劇場にて鑑賞 セカンド上映>