EDに悩むケンカ野郎&伝統武術の達人の電撃的な恋! インドネシア発のロカルノ受賞作、8月20日公開
2022年5月13日 13:00
第74回ロカルノ国際映画祭の金豹賞(最高賞)を受賞した「Seperti Dendam, Rindu Harus Dibayar Tuntas(原題)」(英題:Vengeance Is Mine, All Others Pay Cash)が、「復讐は私にまかせて」の邦題で、8月20日から公開されることが決定した。
本作は、インドネシア発の独創的な愛と復讐のドラマ。第34回東京国際映画祭では、ワールド・フォーカス部門にて「復讐は神にまかせて」の邦題で上映されている。
主人公は向かうところ敵なしの若きケンカ野郎のアジョ・カウィルと、伝統武術のシラットを駆使する女ボディガードのイトゥン。そんなふたりの電撃的な恋の行方を描くラブ・ストーリーを軸にしながら、アクション、バイオレンス、コメディ、エロス、ホラーのエッセンスを贅沢にちりばめ、怒濤の復讐ドラマへと転じていく。インドネシアの著名な作家エカ・クルニアワンがベストセラー小説を原作として提供し、共同脚本にも携わっている。
物語の序盤、起伏に富んだ採石場を舞台に猛烈な肉弾アクション・シーンが繰り広げられる。名うての強者同士であるアジョとイトゥンは、互角のファイトの果てに激しい恋に落ちる。しかし、過去のトラウマを引きずるアジョはED(勃起不全)に悩んでいるのだ。その意表を突いた設定は、インドネシア社会に根強く残っているというマチズモ(男性優位主義、女性蔑視)への批判がこめられ「肉体や暴力を超えた愛」というテーマが追求されている。
監督を務めたのは、インドネシア映画界の俊英エドウィン(「空を飛びたい盲目のブタ」「空を飛びたい盲目のブタ」「舟の上、だれかの妻、だれかの夫」)。往年の香港カンフー映画、クエンティン・タランティーノ作品やJホラーへのオマージュをうかがわせる遊び心たっぷりの仕掛けに加え、好奇心と想像力をかき立てるミステリアスな描写も見逃せない。とりわけアジョとイトゥンが過酷な運命をたどる後半、離ればなれになったふたりの行く手に忽然と現れる“復讐の女神”ジェリタは、何もかもが謎のベールに覆われた幽霊のようなキャラクターとして描かれ、インドネシアという国の複雑な歴史や神秘的な風土をも感じさせる。
また、デジタルカメラが主流である今の時代に、あえてアナログなフィルムでの撮影を切望したエドウィン監督。その情熱は、日本の映画人の心をも動かした。「トウキョウソナタ」「岸辺の旅」「散歩する侵略者」といった黒沢清監督作品、「南極料理人」「わが母の記」「海を駆ける」などで知られる名手・芦澤明子が撮影を担当。コダックの16ミリフィルムを採用した映像の鮮烈な色彩、豊かな陰影、ざらついた質感が、本作の魔法めいたロマンティシズムの美しさ、暴力のまがまがしさを際立たせている。
「復讐は私にまかせて」は、8月20日からシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。
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若松孝二監督が代表を務めた若松プロダクションの黎明期を描いた映画「止められるか、俺たちを」の続編で、若松監督が名古屋に作ったミニシアター「シネマスコーレ」を舞台に描いた青春群像劇。 熱くなることがカッコ悪いと思われるようになった1980年代。ビデオの普及によって人々の映画館離れが進む中、若松孝二はそんな時代に逆行するように名古屋にミニシアター「シネマスコーレ」を立ち上げる。支配人に抜てきされたのは、結婚を機に東京の文芸坐を辞めて地元名古屋でビデオカメラのセールスマンをしていた木全純治で、木全は若松に振り回されながらも持ち前の明るさで経済的危機を乗り越えていく。そんなシネマスコーレには、金本法子、井上淳一ら映画に人生をジャックされた若者たちが吸い寄せられてくる。 前作に続いて井浦新が若松孝二を演じ、木全役を東出昌大、金本役を芋生悠、井上役を杉田雷麟が務める。前作で脚本を担当した井上淳一が監督・脚本を手がけ、自身の経験をもとに撮りあげた。
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