羊と鋼の森

劇場公開日:

羊と鋼の森

解説

ピアノ調律師の青年の成長を描き、2016年・第13回本屋大賞を受賞した宮下奈都の小説を、山崎賢人の主演で映画化。将来の夢もなく生きていた外村は、高校でピアノ調律師の板鳥と出会い、板鳥の調律したピアノの音色に魅せられ、その日から自身も調律の世界を目指すことを決意。専門学校を出て新米調律師として働くようになった外村は、調律師の先輩・柳やピアニストの高校生姉妹・和音と由仁ら、調律を通して知り合う人々とのかかわりによって、調律師として、そしてひとりの人間として成長していく。山崎が主人公・外村に扮し、外村が調律の世界に足を踏み入れるきっかけとなった板鳥を名優・三浦友和が演じる。また、実の姉妹である上白石萌音と上白石萌歌が姉妹の和音と由仁をそれぞれ演じ、初共演した。監督は「orange オレンジ」でも山崎とタッグを組んだ橋本光二郎。

2018年製作/134分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2018年6月8日

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(C)2018「羊と鋼の森」製作委員会

映画レビュー

4.0映像が共感覚の要素を強化した

2020年4月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

幸せ

当たり前だが、文章は音を鳴らせない。必然的に、文章で音や音楽を扱うとき、擬音や比喩を用いて読み手の脳内に音を再構築しようと試みる。どんな言葉や表現を用いるかは作家の腕の見せ所。印象的な題名の、羊は弦をたたくハンマーの素材を、鋼は弦の素材を表すが、それらが多数みっちりとピアノの本体に収まる様子を「森」とまとめた宮下奈都のセンスが秀逸だ。森は、外村が板鳥の調律したピアノの音を聴いた時にイメージする情景でもある。

一方映画は、映像に合わせて音を流せる。原作で音をイメージさせる視覚情報が指定されている場合、一義的には小説の世界を忠実に観客へ伝える意味があるが、もう一つ見逃せない効果がある。それは、聴覚情報が視覚情報を喚起するというある種の“共感覚”を、観客に疑似体験させる効果だ。

橋本光二郎監督作に関して、「orange」「小さな恋のうた」は自分に合わなかったが、本作は面白かった。

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高森 郁哉

3.5無口な映画

2024年1月7日
iPhoneアプリから投稿

無口だけど、もの足りない分をピアノの音が補ってくれている。音楽は喋るっていうけどそれを少し感じたような。

“ピアノで食べていこうと思ってない。食べに行くんだよ。”って痺れた。生きていくためにピアノを弾くんじゃない、ピアノを弾くために生きているんだ。
才能とは、何があっても手放せない、心の奥底から執着した産物の結果ともいえるのかなと考えることが出来た。

生きる理由を超越した、才能の様なものを自分も見つけたいと思った。

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みそのぐ

3.0成長物語

2023年12月15日
スマートフォンから投稿

ピアノ姉妹と主人公の成長物語。
若い人が頑張る姿というのは、応援したくなる。
眠たくなったけど、音楽は良かった。

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なこ

4.5外村の成長に合わせた映像表現

2023年11月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

原作小説がある映画の場合、小説だとこんな感じで面白いんだろうなとか想像したりするけど、本作の場合は逆に、音も映像もない小説という媒体でこのシンプルなストーリーをどうやって面白くしているのか不思議でならない。それはつまり映画「羊と鋼の森」が映像と音楽を最大限に活かした良作だったからそう思うのだろう。

冒頭から果敢な映像表現で、ピアノ調律師を主人公にした音楽の映画を表現していく。音楽よりも映像を前に出していくんだなと初めは思った。
それが中盤くらいになると映像表現は控えめで、音楽の方が前に出てくる。
観賞後に気付いたのだが、映像は外村の音楽に対するイメージで、音楽はそのまま音楽。外村が音楽に対して未熟だったときは音楽そのものよりもイメージの方が先行する。彼が成長して調律を理解していくと本来の音楽が映像を飛び越えていく。そして終盤ではもちろん、音楽と映像が調和した心地よい感動を届けてくれる。それはそのまま主人公外村の成長の証。

光、森、水、などの映像はすでに書いた通り美しく素晴らしいが、キャラクターの心情変化を表現するのに演者たちがみんなイイ表情をしていたのがすごく印象的。本当にちょっとしたシーンだけど好感と気持ちよさを届けてくれる好演だった。

ストーリーは刺激が少なくて、すごく泣けたりすごく感動したりすることもなく、文字にするとこんなにつまらなそうだけど、ピアノと調律を映像を使って美しく表現した映画の真骨頂のような良作。
やっぱり、小説はどうなっているんだ?

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つとみ
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