劇場公開日 2017年6月3日

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花戦さのレビュー・感想・評価

全91件中、1~20件目を表示

3.5独裁者の暴走を止めるのは庶民の教養だ!!

2017年6月11日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

怖い

己の野望のために人命を軽んじる戦国の武将、信長に、命あるものの尊さを以て対峙しようとした華道界のレジェンド、池坊専好の、文字通り命がけの戦いは、改めて華道の奥義というものを我々に教えてくれる。生け花独特の時に大仰にも感じる表現が、実は限りある植物のはかなさと、だからこそ生まれる力強さの証明だと気づかされるからだ。野村萬斎の個性が専好の飄々としてユーモラスな佇まいとマッチしている。狂言と華道の融合とでも言おうか。それにしても「花戦さ」とは美しくも生々しいタイトルだ。"独裁者の暴走を阻止できるのは、庶民の教養とユーモア以外の何ものでもない"という映画のメッセージは、恐らく作り手の思惑を大きく超えて、今を生きる日本人の心に深く突き刺さるだろうから。

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清藤秀人

4.0喜劇の体をとりつつも、日本の美意識をしっかり映像化

2017年6月10日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

楽しい

狂言師の野村萬斎が主役というだけあって、上品なドタバタ喜劇の体裁でストーリーが進む。その一方で、花を生けるというソフトな表現手段で権力の横暴に対抗する、そんな「和の心」が後半の展開を牽引する。喜劇だからといってけっして終始騒々しいわけではなく、花を生けたり茶をたてたりするシーンではきちんと静謐な時間が流れる。

もちろん、華道家元の池坊が協力した生け花の数々を作中で楽しめるほか、利休庵で深い光沢を放つ漆の黒、素朴な味の陶器など、日本の美意識がわかりやすく映像化された印象だ。

往年のチャンバラ時代劇に馴染んだ世代には、花をもって天下人を制すというコンセプトは物足りないかもしれない。それでも、いわば「草食系ヒーロー」のコメディーとして、今の時代感覚に合う快作だと思う。

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高森 郁哉

4.0京・頂法寺の花僧・池坊専好の話

2024年11月4日
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鑑賞方法:VOD

感想

私は華道や茶道を詳しくは知らない。しかしその道は其々に深淵で極致としての終わりは無い。だからこそその道の世界は素晴らしいのだという。侘びと寂び。この感性を受け入れて自身で解釈しないとこの作品の感想は語れないと感じる。

茶人千利休との交流を通じるうちに専好は悟る。
茶の道は束の間。茶は飲み干したら後には何も残らない。飲み干すまでの束の間である。しかしその束の間こそが活(生)きるという事。活きると生きるを掛け合わせる事で人の生き方、人生の活かし方を知るー。

華道はまさしく花の道。自然の野に咲く木花を活けるとは束の間の花や人の活き(生き)方を考え感じる事。束の間とは人の道、言うなれば人生の生き(活き)方と通じるものがあるー。茶も花も人も道の考え方は同じである。人の生き方により、茶も花もその活かし方は変わるはず。

自分の生き方を生け(活け)るものにしようとした人とその人に関わり、心を活かそうとした人々の話。専好の利休と悩みを分かち合った貴重な時間。利休亡き後その四十九日に六角堂に専好をはじめ多くの市井の人々が供養の為立花した話が感動し涙を誘う。無人斎道有の娘、蓮の話なども興味深く、さらに前田利家邸での秀吉との対面により奉納された立花と無人斎筆と思しき墨絵を通じて、(実際は長谷川等伯筆「枯木猿猴図(こぼくえんこうず)」という猿を描いた墨絵を利家の子、前田利長が所有していたという。等伯と無人斎との関係は不明。秀吉が無人斎に自分の肖像画を依頼したが、洒落で猿猴図を奉納した為、無人斎を忌み嫌い無人斎を抹殺。絵図は徹底的に排除されたという。)侘び寂び本来の美意識とは何なのか。千利休が茶を通じて説いた人の道とは何ぞやということを秀吉自ら再意識する話が感動する。

脚本・演出◎
実話と相まった骨太な話の展開。素晴らしい脚本。
視線と凝視のアップ描写がその人物が想いを馳せている内容に観ている者の気持ちをも掻き立てられ想像させる演出手法となっていて素晴らしい。

配役
出演者の皆様の演技は素晴らしい。
特に専好役の野村萬斎氏の演技は秀逸。

⭐️4

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Moi

2.5淡々と

2021年10月16日
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カバー写真から喜劇の様な物語かと思ったら、戦国時代の僧侶、茶人、武士の淡々とした静かな戦さ。
お花は美しく、うっとりと魅了されました。
ストーリーは淡々としており退屈でしたが、野村萬斎なので見れる映画でした。

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wataridori76

3.0お花が美しい

2020年11月12日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

楽しい

興奮

なんでこんなエレガンスなフライヤーなのかはさておき、野村萬斎の顔芸が光りまくる映画でした。序盤は可愛さ満載、中盤は恐ろしさ満載、終盤は迫力満載でした。森川葵はやっぱり良い女優さんだね。

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みな

5.0生きるということ

2020年8月20日
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花には宿る命の美しさを伝える力があり、仏様に手向けることは命への敬意を示している。
お茶も飲んでしまうとなくなってしまうつかの間こそが生きてるということ。
生きるということの、切なる美しさを知っている人たちは、武力ではなく、最も説得力のある方法で、人を包み込むように導く。人の心に届くから、その人は変わることができる。
生きていると見失ってしまいがちな真理を、観ている人たちにも優しく諭してくれる作品です。

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みのむし

2.0いまひとつ

2020年4月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

野村萬斎はいい。
とてもチャーミングでもある。
仕方ないのかもしれないが、物語としては劇的なこともなく
いまひとつ。

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つぶちょこ

4.0池坊専好と千利休と猿の話

2020年3月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

笑える

悲しい

花を持って世に戦を仕掛けた1人の僧の話。
花道の池坊という名前は有名なので、私でも聞いたことがあります。
やはり、この時代の京の話となると秀吉と千利休が有名過ぎて全く知りませんでした。
どこまでが事実なのかはわかりませんが、本当に花で秀吉に立ち向かったのなら、あまり知られていないのが不思議なくらいです。
池坊専好がこんなはちゃめちゃで愉快な人なのかも少し不明ですが、野村萬斎さんだからこその池坊専好になっていました。
全体的に映画が明るく、京の町の華やかさがしっかり描かれている反面、秀吉の残虐な行為(これほどまでに秀吉が悪役で描かれているのは初めてでした)や、茶室内での侘び寂びを感じる空気感などのギャップある描写が当時の表裏ある世界観を上手く表現していました。
物語の前半は池坊専好のはちゃめちゃ感が少し退屈でしたが、後半は秀吉の悪態がどんどんと増し、意外にも沢山の知人が死んでいき、彼らの想いを継いで世に戦を仕掛けた池坊専好の姿には感動しました。
最後の笑いに思わず笑わされました。
個人的にはれん役の森川葵さんがとてもいい味を出していたのが印象的でした。
当時の芸術、文化と歴史を学ぶにはもってこいの作品です。

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唐揚げ

1.0見続けるのが苦痛なレベルのつまらなさ。役者の無駄遣い

2020年1月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

キャストが豪華なので期待して見始めたら、びっっっくりするくらいつまらなかった。つまらなさの衝撃。
60分、90分…と話が進んでも何の山場も来ない。つらい。キャストの豪華さがもったいない。特に会話シーンのつまらなさはひどいもので、発せられる台詞、交わされるやり取りのどれを取っても何の意味も見出せない。一応最後まで見たが、かなり苦痛だった。

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Orca

3.5派手さはないが華やかさはある

2019年10月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

東映らしくない(松竹かと思った)本作。のぼうの野村萬斎も良いがこちらも良い。佐藤浩市に千利休っぱさはないかなー。

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さすまー

4.0じんわりと良い映画

2019年6月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

画面に出てくる花が美しい。野花も、一輪の花も、ダイナミックにいけられた松も全て。

気持ちを解くようなお茶をいれた利休、常に見守り時にはそっと後押しをしてくれる幼なじみなど人間関係が心に沁みる。

戦国時代が舞台ながら合戦シーンはない。ただ、森下佳子の脚本なので容赦ない部分もあるのでご注意を。

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カメレオン

4.5【野村萬斎主演の映画に外れなしの法則は続く事を再認識した作品。京都に行った際に、この映画の大判ポスターが、六角堂に貼ってあったなあ・・。】

2019年5月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

幸せ

ー 華流本家池坊の初期の話も含めて、非常に面白く鑑賞。ー

<京都に行かれた際は是非、六角堂にお参りいただくことをお勧めしたい。
 因みにパンフレットはあっという間に売れ切りだったことを思い出す作品である。
 それくらい、面白かったのですよ。>

<2017年6月3日 ユナイテッドシネマ豊橋にて鑑賞。>

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NOBU

4.5千利休にとても引き込まれました

2019年4月1日
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野村萬斎さんの演技ももちろんですが、特に佐藤浩市さんの演技に引き込まれました。
主人公池坊専好にとって千利休は昔から馴染みのある人物であり、この作品においては欠かせない人だと感じました。
佐藤浩市さんを通して、千利休の存在感の大きさを感じることができました。

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あや

4.0レビュー

2019年2月19日
iPhoneアプリから投稿

役者陣の豪華さやポスターのドタバタ喜劇感に隠れているが、個人的に結構良作でした😆
華道には触れたこともないが、独裁的野心に華、絵、茶という教養と文化で戦った、池坊専好には衝撃を覚えました✨
前衛的な芸術をもって社会を風刺するように、様々な教養と感性を持って施政者に迫る勢いは凄まじい🌞

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みそしる

2.5名前負け?

2018年12月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

大事な部分がモノローグ(信長暗殺や秀吉の成り上がり)で、思ったより痛快ではなかった。
始まりが面白かったので尻窄みだなと思った。

ただ、池坊専好のキャラクターはとても良かった。
痴呆症?忘れっぽいでは済まされない、
だけどただ今を生きる、それこそ植物のような
異質だけど愛嬌のあるキャラは野村萬斎って
凄いんだなと思わせた。

秀吉が本当に嫌な奴で、花戦さというくらいだから
合戦のような激しく荒々しい
ギャフンと言わせるような生け花がラストで
待ってるのかと思ったら、
最初の信長に送った昇り竜のインパクトに負けてて
これでラスト?と思ってしまった。

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奥嶋ひろまさ

1.5スローテンポで薄い映画!!

2018年12月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

寝られる

萌える

ベテラン俳優の演技や表情は良いですが、それぞれの人物像が一辺倒で生活感もなく薄っぺらく感じます。話自体もスローテンポで特に面白くはなかったです。信長と秀吉のキャラの違いがあまり分かりませんでした。「太閤立志伝」というゲームが出なくなって久しいですが、本作でも秀吉はただ暴君としか描かれていないので、特定の人のクレームに配慮した内容で日本人向けの内容ではないとように思います。秀吉は良くも悪くも多くの人を惹き付けたのだから、厳しくも魅力的な人物であったように思います。森川葵は綺麗に撮れていました。吉田栄作の石田三成は、もう疲れ切った感じでショボいです。

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𝖒𝖚𝖓𝖆𝖈𝖞

4.0結局は人

2018年7月15日
iPhoneアプリから投稿

花や木には自分が生き延びる意外に意図はなく、自然にそこにいるだけ。
それをどう感じ、どう扱い、どう伝えるかは、結局、最後は人間だということ。

芸術というものは人足り得る人の道。
それをどう感じるかも、やはり人でしかない。
その前には皆それぞれ平等であるということ。

そんなことを考えさせる良い映画でした。

配役が適材適所、素晴らしい。

それにしても伊東蒼ちゃんはこれからが楽しみな素晴らしい女優さんですな。

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コバヤシちゃん

5.0花の中には仏さんがいてはる

2018年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

冒頭専好が、河原で小石を積んで花を生け、死者に手を合わせる。
ここからもう、すーっと、心がつかまれました。
シンプルな中に、人間が大切にしなくてはいけない心がこもっている気がして。

前半は京都ならではのはんなりした言葉が飛びかい。また「人の加をを覚えるのが苦手」な茶目っ気たっぷりの専好が、くすっときて楽しい。織田の岐阜城で会っている利休の事すら覚えてない。
「私は物忘れが激しくて」と専好が言うと、「私は目立ちませんから」と返す利休。くすっ。

そして後半は利休と秀吉の対立がきっかけで、ガラッと様子が変わるところは、力が入りました。

「武人たるもの茶と花を、人の心を大事にせよ」by織田信長。
いつの間にかこの言葉を忘れて、暴君と化した秀吉(そんなイメージなかったけど)。幼馴染まで粛清された専好はもう黙っていられない。
「花をもって太閤殿下を、お咎めする」。
まさにタイトルそのもの。そう意味なのね。

萬斎さんの表情豊かなで穏やかな仕草の専好が、実にいいです。ぴったり。猿之助さんの秀吉の憎たらしい所も。

仏もお茶もお花も全くたしなまないのですが、十分楽しめました。

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ゆき@おうちの中の人

3.5茶道と華道

2018年5月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

池坊専好(野村萬斎)が主人公で、千利休(佐藤浩市)と豊臣秀吉(市川猿之助)との関係がドラマとして展開していく。
池坊の全面協力で生け花はすべて見事な感じ。
武士階級は茶道と華道を止まり木にしたのか、免罪符にしたのか。

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いやよセブン